第20回Redmine大阪の感想 #RedmineOsaka
今日のRedmine大阪が無事に終わりました。
参加者、スタッフの皆さん、ありがとうございました。
疲れているのでラフなメモ書き。
Redmine-osaka-020 - Redmine.Osaka
2019/8/31 第20回Redmine大阪 - Togetter
redmine大阪勉強会 コアなメンバーが集まる madowindahead
redmine Osaka の感想|makoto0119|note
【1】今回の勉強会では、会場が大阪にも関わらず、遠方からたくさんの参加者が来られた。
東京、名古屋、松江、福岡、神戸など。
いつもの@MadoWindaheadさん、@ryouma_nagareさんだけでなく、@akiko_pusuさんまで東京から参加してもらって、非常に盛り上がったと思います。
また、大阪でも20代から40代までと幅広い年齢層で女性も割と参加されていた。
参加者層が多様であることは、勉強会の活気にも繋がり、とても良い雰囲気であるように感じた。
DirectPollの投票結果では、Redmine歴が4年以上が参加者の半数以上。
バージョンも3.x以上が多い。
つまり、Redmineを長年かなり使いこなしている人たちが多い。
よって、講演内容も細かい技術の話だけでなく、導入や運用、開発プロセスの話もあるので、内容が非常に幅広くなっている。
その分、いつ聞いても、新鮮な感じを受けるので飽きない。
たくさんの講演があったので、興味を引いた内容だけメモしておく。
【2】@g_maedaさんのRedmineのVer4.1の紹介を聞くと、「今回のバージョンでは攻めている」。
つまり、Ver4.0ではRailsのバージョンアップを重視していたので大幅な機能追加はできなかったが、Ver4.1では割と数多くの機能改善がなされている、とのこと。
履歴タブ、通知メールやリマインダメール、インポート時に親チケットの仮IDを付与して親子チケットの関係を保持する機能改善、など、Redmineをより使いやすくする機能改善がたくさんあった。
RedmineはUIが使いにくい、という話もよく聞くが、頻繁に機能改善が取り込まれている現状を見ると、最新版に追随した方が恩恵を受けやすい。
実際、@ryouma_nagareさんのLTでは、RedmineをVer4.xへバージョンアップしてPostgresSQLへ変更したことで、AWS上のログを解析すると性能が大きく改善された、とのこと。
また、@netazoneさんのLTでも、Ver4へバージョンアップしても、数多くの日本人作者のRedmineプラグインは互換性を維持でき、より使いやすくなった、とのこと。
よって、Redmineの機能改善してどんどん機能が肥大化したとしても、RubyやRailsのバージョンアップに伴う高速化により、Redmine本体の性能は良くなっている。
RedmineがRubyやRailsの相性がとても良い、という事例でもあるのだろう。
【3】「とあるメーカーのRedmine 活用事例 RedmineとTableau」の講演も面白かった。
この会社では、情シスが部門ごとにRedmineインスタンスを配布しているので、30個以上のRedmineが社内にある。
社内はVM、社外はAWS。
Redmineのポリシーは、各部署にお任せ。
その理由は、各部署で自由に使いたい、という意見が強かったらしい。
実際にRedmineを使っている部署では、リーダーとその部下が頻繁にRedmineを使っているが、管理職や役員はほとんどRedmineに触れておらず、そもそもRedmineを知らないらしい。
そういう話を聞くと、日本ではあるある、だなと思う。
そこで、Tableuが有効活用できる。
RedmineのデータをTableuで集計して、上司に見せるビューを作るわけだ。
Tableu連携では3パターンある。
RedmineのDBに直接連携、REST API経由でデータを取り込む、カスタムクエリで出力したCSVを取り込む。
話を聞くと、RedmineのDBのミラーリポジトリを作り、そこでTableuで集計しているらしい。
デモでは、CSVを取り込んでTableuで集計ビューを見せていた。
話を聞くと、Redmine導入以前は、Excelでガントチャートを計算・表示させるマクロまで作り込んでいたらしいので、このやり方が一番使いやすいらしい。
つまり、従来はExcelによる開発プロセスは既に出来上がっていたので、Redmineで運用するプロセスに乗り換えるだけでよい。
すなわち、Redmineの導入は非常に楽だったのだろう、と想像する。
そこに足りない集計機能の部分は、Tableuでフォローするというやり方は洗練されていると思う。
【4】@akahane92さんの「Redmine全文検索システムの実際」では、全文検索の性能要件の話だけでなく、機能強化にも興味があった。
つまり、Redmineのチケットがストック型で、たくさんの情報を埋め込む運用プロセスの場合、Redmineの全文検索プラグインは非常に有用な機能になるだろう。
いつでも簡単に有用な情報が検索できるだけでなく、情報のトレーサビリティをより強化してくれるからだ。
添付ファイルやリポジトリ内のソースや設計書も検索できることで、成果物のトレーサビリティを優れた検索機能で支援してくれるわけだ。
製造業では、知財部が必ずあり、知的財産は特許などで守り、ビジネスにしていく。
あるいは、不正競争防止法の営業秘密として、知的財産を盗まれないようにひた隠しにする。
にも関わらず、開発したプラグインをオープンソース化して公開できたことは、非常にすごいと思う。
僕の考えでは、特許や不正競争防止法の営業秘密のような知財を防御するような手法は、ソフトウェア開発ではあまり馴染まないだろうと思う。
むしろ、OSSコミュニティと密接に関係する方が、今後の保守もやりやすいし、優れたソフトウェア技術者も確保しやすくなるメリットの方が大きい。
【5】懇親会で話をしながら、Redmineコミュニティの参加者層に関するヒントを教えてもらった。
どうやら、Redmineのユーザ経験はあるがシステム管理者の経験がない人達がRedmineでプロジェクト管理したくて、Redmineに興味を持ち始めている、というセグメントがあるらしい。
以前、@MadoWindaheadのPMxTMマトリクスの話の通り、上記のセグメントの参加者は、Redmine力をつけることでPJ管理力を身に付けやすい。
支援するだけで、彼らは自身の力だけで、問題解決できるはず。
そんなことを思うと、Redmineコミュニティは非常にニッチなマーケットにも関わらず、非常に良いユーザ層を持っているなあ、と思う。
ユーザが成長している場面をコミュニティが共有できるのは、活気があってすごく楽しいから。
そんな気付きがあった。
【追記】
redmine Osaka の感想|makoto0119|note
(引用開始)
ユーザディスカッションで聞いた話で、心に残ったのは以下。
「こうやって勉強会に来る人はそう考えないと思いますが...」「現場に理解のない管理職が...」などなど。
そうなんですよね、勉強会に来る段階でフィルターがかかっていて、そこでの「他人の芝生」はかなりバイアスがかかっているということ。
良い意味での「意識の高い人」が「自分の悩みを他の人はどう考えているのか」を聞きに来ているような状況。
実際、redmine の利用経験は「4年以上」の人が多数で、驚きました。
一般的な OSS とは違い、redmine Osaka はソフトそのものの使い方やバージョンアップ情報を共有するコミュニティではなく、日頃現場で戦っている「同士の懇親会」の様相なのです。
(引用終了)
【追記2】
(3) akipiiさんはTwitterを使っています: 「@kazuhito_m 行き始めた頃の感覚とは、どんな感じなんでしょうか?」 / Twitter
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