今後のRedmineコミュニティで議論してみたいアイデア
今後のRedmineコミュニティで議論してみたいことを書く。
ラフなメモ書き。
【参考】
Redmine Advent Calendar 2019 - Adventar
【1】今年のRedmineコミュニティで一スタッフで活動してきて、気になったことは、参加者のターゲット層が変わってきているのに、ちょっとコンテンツが限られているかな、と思う時があったこと。
コミュニティの参加者のアンケートを取ると、2年以上Redmineを利用しているユーザが多いが、Redmineを管理者として長年携わって色んな知見を持つ人だけでなく、Redmineを利用する立場から管理者になった人がRedmineの情報が欲しくて来ている人もいる。
たとえば、派遣や下請けでRedmineを利用していたが、自社に戻って自分が管理者権限を持ってRedmineを利用したい時に、どんなノウハウが必要なのか、を知りたがっている層がいると感じた。
そういう人達に、Redmineのカスタマイズ方法や機能紹介などの技術面に特化した話が多かったかな、と思う時があった。
本来は、Redmineをプロセスへ適用する方法、情報システム部門としての運用方法、ソフトウェア開発以外にRedmineを利用する事例紹介などがもっとあってもいいかな、と考えている。
もちろん、そういう企画をRedmine大阪や東京Redmineでもやってきた。
たとえば、Backlog・JiraとRedmineの比較に関するパネルディスカッションや、チケットに馴染む文化に関するパネルディスカッションも企画して、実際に好評だった。
よって、来年のRedmineコミュニティでは、Redmineのカスタマイズや機能紹介などの技術面だけでなく、Redmineの運用やプロセスの議論もできる企画を取り入れてみたい、と思っている。
【2】その観点で自分が考えているテーマはいくつかある。
思いついたことをラフにあげてみる。
【2-1】Redmineと組織が相互にどのように関係し合っているのか?
その観点では、「Redmineは組織や業務に大きく依存する」「Redmineの導入によって、組織の文化が静かに変化を受ける」の2つがある。
前者は、Redmineはカスタマイズしやすい特徴があるので、組織のこだわりや組織の独自プロセスを実装しやすい一方、大きくカスタマイズしてしまいがちな面もある。
後者では、Redmineによって、メンバー間のコミュニケーションを活性化させ、メンバーの貢献意欲を引き出し、チームが活性化する面もある。
そういう双方向の内容を汎用的なノウハウとして提示できればいいなあと思う。
第15回東京Redmine勉強会の感想~Redmineの2つの顔が相異なる2つのユーザ層を生み出している #redmineT: プログラマの思索
第17回東京Redmine勉強会の感想 #redmineT: プログラマの思索
【2-2】Redmineのインスタンスが複数個に分裂したり増殖する発端は何か?
Redmineインスタンスと組織の規模には何かしらの関係があるのか?
過去にも色々考えてきたが、Redmineインスタンスの数と組織の規模には、何かしらの関係があると思う。
今の僕の仮説は、会社内に組織文化や業務が全く異なる部署が2つ以上存在した場合、Redmineのインスタンスそのものを分けた方がいい、というもの。
つまり、Redmineのトラッカーやワークフローそのものが全く異なると認識できるならば、単一のRedmineで無理に標準化しない方がいいだろう、というもの。
以前は、社内には単一の標準Redmineでやるべきであり、そのためのノウハウを収集していくべき、と考えていたが、実際にはそんなケースばかりではない、という事例を勉強会で何度も聞いてきたからだ。
極端には、情報システム部門は、各事業部にRedmineインスタンスをクラウド上のVMで払い出して、各事業部で自由に使ってもらうユースケースもあるだろう。
ただし、複数個のRedmineを同時にVerUpして社内のバージョンを統一する運用ノウハウも必要になるだろう。
Redmineインスタンスを分割したい状況の考察: プログラマの思索
Redmineインスタンスとプロセスの関係~Redmineは組織に従うのか、Redmineに合ったチームを作るべきか: プログラマの思索
他に、Redmineの柔軟性がRedmineコミュニティを活性化させている、という観点の議論も可能と思う。
柔軟なソフトウェア設計はOSSコミュニティを活発化させる~OSSソフトウェアとOSSコミュニティの密接な関係: プログラマの思索
【2-3】Redmineで運用しやすいチームビルディングやファシリテーション技法はあるか?
プロジェクトリーダーの立場でRedmineをチームで使っている時に、すでに知られているチームビルディングやファシリテーションの技法と組合せることで、チーム運営を円滑化できる経験をしてきた。
個人的にはアジャイル開発のプラクティスが非常に相性が良かった。
最近では、Redmineを情報システム部門の立場で使う場合が多いので、そういう利用シーンではどんなファシリテーションを用いることで、組織文化に良い影響を与えられるのか、というノウハウも集めてみたい。
【2-4】Redmineを普及促進するために、Redmine職人・Redmine警察・Redmineエバンジェリストのような人達はどんな役割を担うべきなのか?
大規模な組織でRedmineを普及促進しようとする時、あるいは、情報システム部門の立場で各部門にRedmineを普及促進したい時、Redmine職人・Redmine警察・Redmineエバンジェリストのような役割が必要になってくる。
では、彼らは、問題が噴出した時に、どのように解決しているのか?
その辺りの事例を集めてみたい。
【2-5】Redmineと他ツールではどんな違いがあるのか?
JiraやBacklogを使ってきた人がRedmineを利用したとき、そこに感じる違和感をもっと聞いてみたい。
僕はRedmineから入ったので、JiraやBacklogの機能に違和感を感じていたが、逆のケースの人たちの意見も聞いてみたい。
その意見を聞くことで、Redmineの特異性や差別化できる機能がより的確に現れるだろうと思うから。
【2-6】Redmineをソフトウェア開発以外で利用できるユースケースは何か?
情報システム部門がRedmineを現場に提供した場合、今まで思いついたことがない利用方法があるだろうと思う。
例えば、サポートデスクや課題管理はすぐに思いつくが、議事録、本などの蔵書、サーバーやルータ、稟議書、交際費の管理に使っている事例も聞いた。
その本質は、Excelの台帳で従来管理していたものは、全てRedmineのチケットに置き換えられる、という点にあると考える。
その場合、いろんな現場では、どんな台帳が必要とされていたのか、聞いてみたい。
そういう事例を集めることで、Redmineの利用シーンがより広がっていくだろう。
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