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2020/02/01

SDGsがISOのような世界基準になっている現象

先輩の方から「最近は、SDGsを理解しないとビジネスに付いていけない。SDGsの考え方はISOのような事実上の世界標準になっている」と聞いた。
SDGsの単語自体は時々聞くが、その重要性を先輩の方の意見を聞くまでは理解できていなかったと思う。
SDGsについて理解したことをラフなメモ書き。

【参考】
SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?17の目標をわかりやすく解説|日本の取り組み事例あり

SDGs(エスディージーズ)とは?17の目標を事例とともに徹底解説 | 一般社団法人イマココラボ

世界のSDGs達成度ランキング、日本は15位 昨年と変わらず | SUSTAINABLE BRANDS JAPAN

(引用開始)
2017年には11位だった日本だが、2018年と同様に今年も15位だった。日本にとって最大の課題と指摘されている目標は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。

細かい評価項目を見ると、女性国会議員の数の少なさ、男女の賃金格差、無償労働を行う時間の男女格差、全エネルギー消費のうち再生可能エネルギーが占める割合、パルマ比率(上位10%の所得層が得ている所得と下位40%の所得の比率)、電気電子機器廃棄物の量、輸入食料・飼料に伴う窒素排出量、エネルギー関連のCO2排出量、車両以外の機器に使われるエネルギーから出る炭素比、水産資源の乱用、絶滅の恐れのある種のレッドリスト、金融秘密度指数などが「最大の課題」と評されている。

報告書は、日本に関して、経団連がSDGsの達成を企業行動憲章に盛り込み、SDGsの達成を目指すよう大号令をかけたことで、日本企業がSDGsの掲げる課題領域において技術革新を進めていることを注目すべき事例だと評価している。
(引用終了)

【1】なぜ、SDGsを理解することが最近は重要になっているのか?
理由は、SDGsのルールで世界の政治・経済・法律などがどんどん切り替わっているからだ。

その例はいくつかある。
例えば、昨今の働き方改革、育休の推進、女性活躍の推進は、SDGsの「ジェンダーの平等」「健康と福祉」「働きがい」に相当するだろう。
SDGsでは国ごとに数値目標が掲げられているので、その数値を達成するために、政府は法律や予算、権力を使ってでもやり遂げようとする。
その一環として、昨年4月の働き方改革のような厳しい法規制も施行された、と理解できる。

女性活躍の推進も、単に人道的配慮だけでなく、SDGsの「ジェンダーの平等」の一環として、その数値目標が掲げられている。
女性管理職の占める割合、国会議員の女性に占める割合など、女性の活躍を測定する数値目標はあるので、政府は何としてでも達成しなければならない。

例えば、再生エネルギーの推進もSDGsの「気候変動」「つくる責任つかう責任」に相当するだろう。
日本では、原発が止まり再生エネルギーも普及できておらず、これ以上の省エネ化も難しい現状なので、その数値目標達成するのは難しい。
日本の経営トップが、効率の良い石炭火力を推進します、と言っても、誰からも見向きもされない。

直近1年間で特に、欧米で電気自動車がガソリン車よりも売れ行きが良くなっている背景には、SDGsが背景にあると理解してもいいと思う。
自動車業界におけるテスラの躍進、配車サービスのUberの躍進、などもそういう一連の流れにあると見てよいだろう。
他にも、プラスチック廃棄をなくすこと、欧米ではペットボトルをなくして、マイボトルを持ち運ぶ風潮になっていること、などもSDGsの一環だろう。

つまり、世界の世論もSDGsに掲げられている価値観に共感しているので、そういう方向にマーケットも影響させられているわけだ。

そういう風潮の結果、欧米の金融機関や年金基金などの機関投資家は、SDGsに従わない企業には投資しない姿勢を見せている。
つまり、再生エネルギーを推進せずCO2を増やすようなメーカー、従業員を大切にせず取締役会に女性などの多様性がない企業は、市場から今後淘汰されてしまうリスクがある。

【2】では、SDGsは日本人や日本企業にどんな影響を与えているのか?
現状では、日本人の価値観も日本企業の対応もSDGsに追随できているとは言えないと思う。

昨今の働き方改革も、日本の市井の人々が声を上げて実現した、というよりも、そういう世界の流れを受けてトップダウンで実行した、というように感じられる。

つまり、SDGsによって、世界の市場経済や政治のルールが変わってしまったのだ。
その変化に追随できなければ、欧米だけでなく他国との競争にも負けてしまう、という危機感が政府にあるのかもしれない。
しかし、長年の価値観をいきなり変えるのはいくら日本人でも難しい。

そういう風潮を見ると、ISO9001やCMMIが一斉を風靡した時に、日本メーカーやSIがそれに対応しようと四苦八苦したものの、実際はそれほどの効果が得られなかった、という既視感を感じる。
欧米人は市場経済や政治のルールをいきなり変えて、それまで他国が優位にあった状況を変えようとする施策が上手いように思える。
一方、局所最適化には滅法強い日本人には、こういうルール変更という戦略に追随して全体最適を図るのはあまり得意でない気がする。

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