Redmineのステータスに説明機能が欲しい要望の背景
Redmineのステータスに説明機能が欲しい要望のやり取りがあったのでメモ。
【参考】
Feature #2568: Description for issue statuses - Redmine
【1】Redmineのステータスに説明機能が欲しい要望の背景としては、各部門ごとにRedmineのトラッカーやステータスに独自の意味を付与して運用しているので、メンバーに説明するために欲しいらしい。
トラッカーやステータスは単一のインスタンスであっても、各部門ごとに独自の意味を持って運用している。
すなわち、トラッカーやステータスは同音異義語のような振る舞いを持っているらしい。
こういう背景が発生した要因も何となく理解できる。
日本企業では、現場の権限が強いので、自分たち独自の共通言語を発展させてきた場合が多い。
すると、各現場では、単一のワークフローであっても、自分たち流に読み替えて運用することで、自分たちの現場の文化に合わせようとする。
特に大企業の場合、事業部門はプロフィットセンターなので声も権限も大きい。
したがって、事業部門ごとに組織文化も育まれてくるので、業務フローの同音異義語も発生しやすくなるのだろう。
ただし、ワークフローごとにステータスの説明機能を付ける事までは不要で、単にステータスの説明だけで十分とのことだった。
【2】他方、トラッカーの説明機能は、Ver4.1で実装された。
Redmine 4.1 新機能紹介 (2/3) | Redmine.JP Blog
Feature #442: Add a description for trackers - Redmine
つまり、独自のトラッカー名称で運用している場合、この説明機能があれば、新規加入したメンバーや派遣社員も理解しやすくなるだろう。
同様に、ステータス機能も本家チケットに10年以上前からあがっているので、実現できるといいだろうと思う。
Feature #2568: Description for issue statuses - Redmine
【3】こういう話を聞くと、Redmineは会社で単一の標準Redmineで運用するのがベストではなく、Redmineインスタンスを各部門にVMで配布して自由に使ってもらうという運用もベターではないか、という気持ちになってくる。
特に、大企業ほど各事業部門ごとに組織文化も業務フローも大きく異るので、単一Redmineで開発プロセスや業務フローを標準化するのは所詮無理があるからだ。
一方、デメリットは、RedmineインスタンスのVMを沢山ばらまいた場合、複数のRedmineインスタンスのVerUp作業が非常に煩雑になる点だ。
しかし、このデメリットも、AWSのコンテナサービスやマネージドサービスを上手に使いこなせれば、解決できるだろうと考えている。
実際、ファーエンドテクノロジーでは、RedmineホスティングサービスをAWS上でRedmineの複数インスタンスを提供している訳だが、そういう問題点は既に解決されている。
つまり、似たような発想で、複数個のRedmineインスタンスのVerUp作業をコンテナ化&自動化することで解決できるだろう、と思っている。
AWS上でクラウドネイティブで再構築した「My Redmine Gen.2」リリース! - ファーエンドテクノロジー株式会社
Redmineのホスティングサービスをクラウドネイティブで再構築 | RubyWorld Conference 2019
つまり、複数個のRedmineのインフラ構築そのものも、Infrastructure as Codeを実現してしまえばいい訳だ。
この辺りも色々考えてみる。
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