AWSクラウドデザインパターンの感想~RDP(Redmine Design Pattarn)の構想
「AWSクラウドデザインパターン」を読み直した。
以下、AWS初心者によるラフなメモ書き。
【1】「AWSクラウドデザインパターン」本を買ったのは、2013年のデブサミの時だった。
玉川さんにサインを書いてもらった。
「Work hard, Have fun, Make history!」と。
あの頃はまだCDP(クラウドデザインパターン)理解しきれてなかった。
AWSに触れて、ようやくCDPの威力を理解することはできた。
ただし、CDPに記載されたAWSサービスは2012年頃の内容なので、Lambdaなどが含まれていないから、そういう最新のサービスで置き換えられる部分はいくつかある。
振り返ると、2010年代前半にCDP本が出たからこそ、AWSが日本に普及し始めたのだと思う。
CDPは、システムのアーキテクチャ設計、インフラ設計において、AWSのサービスや機能をどの場面で適用するとどんな効果が得られるのか、を明確に示唆してくれる。
クラウドによる設計や実装を試行錯誤していた頃に、CDPを用いることで、より良いクラウドによるアーキテクチャ設計が実現可能になったためだ。
また、アーキテクト同士で、クラウドによるアーキテクチャ設計について、共通の言葉を使って議論できるようになった。
そういうメリットがCDPにはあった。
CDPの形式はGOFのデザインパターンに似ている。
CDPの形式はもっとシンプルだ。
解決したい課題、クラウドでの解決、AWSによる実装、利点、注意点、その他の関連パターン、という項目で必要最低限に絞り込まれている。
CDPというカタログを読んでいくと、どのユースケースでは、どんなパターンを用いるとどんな利点があるのか、クラウドでの解決方針に沿ってAWSはどんなサービスや機能を提供してくれているのか、が理解しやすくなる。
実際に、オンプレのインフラ構築や運用で苦しんできた経験のある人ほど、AWSによる実装方法で、なるほど、と気づく場面が多いはずだ。
イントロの部分もすごく惹かれた。
AWS普及に心血を注ぐ3人が、ある居酒屋にて、クラウドを語る上で共通言語となるデザインパンターンのようなものが必要である、という議論が白熱し、その場で40種類以上のクラウドデザインパターン(CDP)の種をノートに書き出した、とある。
この文に触れて、クラウドの導入でつまずいているプロジェクトがあって苦労したり、オンプレの設計思想に囚われすぎてAWSの良さを活用しきれていない場面で歯ぎしりしたりしたのではないか、と勝手に想像した。
そういう経験を元に、CDPが生み出されたのだろう。
【2】そんなことを考えているうちに、Redmineデザインパターン(RDP)みたいなものが作れないだろうか、と想像したりした。
Redmineの導入・運用も既に10年以上の蓄積があり、必要な運用ノウハウはネット上にたくさん語られているし、運用で必要なロール(組織上の役割)もいくつか語られている。
しかし、そういうノウハウはバラバラに散らばっているに過ぎない。
それらを一つの体系として、暗黙知となっているものを形式知化することには意義があるはず。
なぜなら、まだ困っている人も多いだろうし、経験者が議論する時の共通言語はまだ暗黙知になっている部分が多いからだ。
僕も以前、チケット駆動開発のパターン集みたいなものを編み出そうと考えていた。
そのパターンの根底は、アジャイル開発にチケット駆動開発を適用するにはどんな考え方が必要なのか、があった。
でも、それから5年以上たち、今は情報システム部門の人達が一般ユーザに使ってもらう運用基盤に変化したので、異なるパターン集が必要になっていると思う。
今僕のアイデアとしては、パターンに4つほどのレイヤで階層化して詳細化できないか、と考えている。
イメージは、ユースケース層>マネジメント・ロール層>アプリ・機能層>ソース・実装層。
たとえば、ユースケース層では、課題管理・ソフトウェア開発・サポートデスクなどの実際の利用シーンでカテゴライズする。
マネジメント・ロール層では、Redmine職人・Redmineエバンジェリスト・Redmine警察のようなロール、PMxTMマトリクスのような組織への導入方法。
アプリ・機能層では、Redmineの各機能のベストプラクティス。たとえば、チケットのワークフロー、JAXAが生み出したカスタムフィールドやプロジェクトのOR・AND条件など。
ソース・実装層では、ViewCustomizeプラグインによる課題解決、プラグインやカスタマイズによる課題解決など。
このようにパターンをレイヤ化して区別することで、パターンの粒度を区別できること、初心者や経験者が会話できる共通言語を提供できること、というメリットがあると思う。
僕が以前考えていたパターンはアジャイル開発への適用に特化しすぎていたので、2020年現在の実情に合わせたデザインパターンを作れたらいいなあ、と考えた。
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