若手プロジェクトリーダー向けのRedmine教育資料の構想
最近、若手プロジェクトリーダー向けのプロジェクトマネジメント教育に、Redmineによるチケット駆動開発の資料がありませんか、とよく聞かれる。
本来は、自分が書いた本「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」「チケット駆動開発」を渡せばいいだろうが、何せ2011, 2013年出版なので、Redmineの内容も古く、若手向けの内容ではない。
そこで、若手PL向けのRedmine教育資料の構想について考えてみた。
ラフなメモ書き。
なお、この記事は、Redmine Advent Calendar 2020の記事です。
【参考】
Redmine Advent Calendar 2020 - Adventar
【1】Redmine教育資料が必要とされる背景とその需要の原因
市販のRedmine本が既に古くなっている。
実際、@g_maedaさんの本「入門Redmine 第5版」も2016年を最後に止まっている。
もちろん、自分が書いた本「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」「チケット駆動開発」は2010~2012年なのでもう10年前になってしまう。
その間、Redmineは着実にVerUPして、不足している機能についてあれこれ考えていた内容はほぼ実装されてきている。
たとえば、親子チケット、構成管理ツール連携後のチケットNoの修正、など。
すると、最新の機能を持つRedmineをどのように扱えばよいか、という話にVerUPすべき。
もう一つは、チケット管理の考え方が普及して当たり前になったこと。
特に、BacklogやJiraなどのユーザ数が圧倒的に多い。
「ここはウォーターフォール市、アジャイル」では、Backlogのチケット管理が当たり前のように運用されていた。
すると、チケット管理が当たり前の時代では、従来のプロジェクト管理手法ではなく、今の時代に合った手法や考え方を提示すべき、となる。
【2】Redmine教育資料の立場はどこにあるのか
ニーズとして、20代の若手のプロジェクトリーダー候補、またはプロジェクトリーダーに初めてなった人が対象になる。
こういう人たちに、チケット駆動開発という当たり前の考え方に慣れてもらい、ツールを使いながら、プロジェクト管理を実践して欲しい、という考えになる。
もう一つの立場は、PMO向けの資料だ。
つまり、単独のプロジェクトではなく、複数PJのQCDをチェックして報告すること、問題プロジェクトを一早く検知してリスク対策したい、という役割を持つ。
おそらく、最近は全社的にPJ管理ツールを導入し、社内へ標準化を推進して展開する現場が多くなったのではないか、と想像する。
【3】Redmine教育資料がもたらす効果は何か
Redmine教育資料があれば、初めてPJ管理ツールに触れるリーダーには、こういうチケット管理の考え方なら上手くいくのか、というイメージが湧くので、実践しやすくなる。
教える側としては、PMBOKのようなPJ管理の共通的な考え方にも触れながら、チケット管理して欲しい。
あるいは、スクラムのようなアジャイル開発手法、プラクティスを上手く使って、チケット管理と組み合わせて運用して、効果を出して欲しい。
【4】Redmine教育資料の観点や論点は何か
観点はいくつかあるだろう。
従来のWF型開発であれば、PMBOKベースに、PJ立ち上げ→PJ計画・実行・監視→PJ終結の流れに沿って、Redmineのチケット管理でプロジェクトのQCDを維持する考え方を習得することになるだろう。
特に、PMBOKはWBS駆動が多いので、WBS管理とRedmine機能の対応が重要になると思う。
もちろん、ウォーターフォールであっても、アジャイル開発のプラクティスとチケット駆動開発は相性がいいので、チームビルディングにも適用できる。
もう一つは、スクラムをベースとして、PJ立ち上げ→スプリント計画・デイリースクラム・スプリントレビュー・スプリント・レトロスペクティブ→PJ終結、という流れがある。
ここでは、スクラムのイベントとRedmineの機能の対応付けが重要になる。
Ver2.x時代はScrumの良いプラグインがあったが、今は無いので、Redmineの標準機能でどこまで対応付けて運用するか、という点が論点になる。
一方、カンバンをベースにしたチケット管理の手法もある。
「カンバン仕事術」を読んでいたら、チケット管理とカンバンはとても相性が良いという点に改めて気づいた。
実際、「ここはウォーターフォール市、アジャイル」でのBacklogのチケット管理は、カンバンの運用にそっくりだ
なぜならば、統合認証基盤チームではシステム保守が仕事なので、開発プロジェクトというよりもシステム運用でエンドレスな仕事になるため、カンバンで常に流れるタスクを管理したい動機があるからだ。
結局、PMBOK+WF型、スクラム+アジャイル開発、カンバン+ITILという3つの運用について、Redmineと組み合わせたPJ管理手法を説明すべきだろう。
【5】Redmineによるチケット駆動開発の注意点、よく聞かれるFAQ
上記の3つの論点でRedmineによる運用を教育資料で伝えたとしても、気に留めておいた方が良い注意点はある。
実際の現場では、そんなきれいな運用ではないからだ。
また、よく聞かれるFAQもあるので、それらも追加しておきたい。
困った時に、そのFAQを思い出せるだろうから。
このFAQを煮詰めて共通化してストーリー化したら、パターン言語になるだろうと思う。
最後に、こういうRedmine教育資料が公開されたり出版されたりしたら、需要はありますか??
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コメント
今まさにRedmineの設計を任されて頭を悩ませている最中なので、少なくとも私には需要あります!
WBSとの対応付けをどうするかというのもそうですし、あるチケットをエスカレーションしたいとき、そのチケットの担当者を単に変更するのか、そのチケットを親にした子チケットを作成するべきなのか、はたまた関連するチケットを作るべきなのかなど、とにかくわからないことだらけです。
投稿: F.M | 2020/12/21 18:24