Redmineのチケット管理はイベントに対応付けて組織文化を設計するアイデア
Redmineのチケット管理はイベントに対応付けると運用しやすいと思う。
Redmineのチケット管理はイベントに対応付けて組織文化を設計する発想だ。
なぜ、イベントが大事なのか?
チケットはすぐに滞留して、放置されやすいので、定期的なメンテナンスが必要になる。
チケット管理に定期的なイベントを対応付けて、単なる報告会ではなく、メンバーの自主的な改善活動を促すように、イベントを設計すればいい。
例えば、毎日の朝会、毎週の棚卸し会、毎週・毎月のふりかえり、毎週・毎月の顧客・ベンダー報告会、最後にPJ完了報告。
朝会で、Scrumのデイリースクラムのように、自分の進捗・課題の状況報告を全てチケットに基づいて発言させればよい。
チケットはPJ全体で公開されているので、自分の進捗状況は誰でも確認できる。
チケットが更新されず停滞すると、本人は頑張っていたとしても、周囲から見れば何も捗っていないように見える。
だから、頑張って成果を出すか、進捗を遮る課題を状況報告するか、何かしらをチケットを通じてチーム内に発信するようになる。
つまり、チームやメンバーの状況が透明化されると、プリマドンナのような、能力はあるかもしれないが黙っていて誰にも話さない開発者は自然にいなくなる。
棚卸し会を毎週行うことで、溜まったチケットの棚卸しや残課題を棚卸する。
そういう場を設ける事で、メンバー全員で課題を解決していこう、という雰囲気を作り出すことができる。
あるいは、この課題は手ごわい、という危機感を醸成することで、メンバーの気持ちを引き締めることがあるかもしれない。
振り返りを定期的に行うことで、PJ内の運用を改善するアイデアを引き出し、改善案に持ち込める。
今までにこなしたチケットをふりかえれば、メンバーもリーダーも色々気付きが多いはず。
プロジェクトリーダーも、自分が見えていなかったメンバーの気持ち、チーム内のコンフリクトに気づくかもしれない。
立場が違えば、同じ現場にいても見える風景は異なる。
顧客向け報告会、ベンダー報告会をマイルストーンに設定して、それまでにメンバー全員で成果物を作るという目標を打ち立てるのも大事。
過去の経験では、要件定義フェーズでは、毎週の顧客ヒヤリングの打合せが毎週のマイルストーンとなり、それまでに要件をまとめて、不明点を課題一覧にまとめる、という作業が多かった。
イベントの設計は、PMBOKのコミュニケーション計画に相当すると思う。
チケットという蓄積された情報を元にイベントを開催すれば、チケットは大切なものなのだ、チケットは役に立つな、という意識をメンバーに植え付けさせることもできる。
また、プロジェクトリーダーも無駄な報告資料を作る手間も省けるし、QCD観点のチケット集計ビューを常時見れば、PJ状況をモニタリングできる。
よって、蓄積されたチケットをどのように扱うのか、というイベントを運用ルールに組み込んでおくと良い、と思う。
イベントとチケットによって、メンバーのモラールを向上させる仕組みや組織文化を設計しているわけだ。
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