キャズム理論をプロセス導入の問題解決に使うアイデア
「BABOK入門」を読んでいたら、ERP導入の難易度と組織文化をマトリクスで整理していたのが非常に分かりやすかった。
そのマトリクスの考え方の背後には、キャズム理論がある。
なるほど、そういう考えなのか。
適当なラフなメモ。
間違っていたら後で直す。
「BABOK入門」を読むと、キャズム理論は、ERP導入だけでなく、PMOが新しい標準プロセスを導入する時に、どういう対処をすれば運用を拡大して推進できるか、という示唆が得られると思う。
まず、キャズム理論は、ERP導入や開発プロセス導入対象の組織文化のレベル分けに使える。
ビジョナリーは、イノベータなので、最新のERP、最新の開発プロセスに興味を持ち、導入してくれる。
アーリーアダプターは、実利重視なので、自分たちの目的に叶うならば、リスクを背負って導入してくれる。
アーリーマジョリティは、保守的なので、他社が多数導入して、デファクトスタンダードになってから導入し始める。
ラガードは、自分たちの組織文化に誇りを持ち、他の価値観を受け入れないので、そもそも導入しないか、導入しようとしても自分たちの組織文化に合うように、ERPをカスタマイズしまくったり、プロセスをカスタマイズしまくる。
他に、キャズム理論は、ERP導入やプロセス導入の問題解決に使える。
キャズム理論では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にあるキャズムを乗り越えるのが重要、と知られている。
だから、ERPであれ、新しいプロセスであれ、キャズムを乗り越える対策が必要。
キャズム理論が教える所では、ホールプロダクト理論が知られている。
ボウリング・ピンのように、主要ターゲットを狙って成功させて、その後は次々にターゲットを定めて落としていく。
同様に、ERP導入でも、プロセス導入でも、主要ターゲットを定めて確実に成功させて、周囲のボウリングピンを一つずつ落として、シェアを高めて、デファクトスタンダードに近づけていく。
アジャイル開発の導入でも、Redmineの導入促進でも、同じような苦労があったことを思い出した。
今、PMOが導入しようとしているフェーズは今どこなのか、自分の足元を確認しながら、進めていくべきなんだな、と改めて気づいた。
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