PMBOKガイド第7版はアジャイルの観点へ大幅に内容が変わるらしい
PMBOKガイド第7版はアジャイルの観点へ大幅に内容が変わるらしい、という記事をメモ。
これが本当なら、昔のPMBOKで習得した知識は捨てて、新しいPMBOKで習得し直すくらいの激変と思う。
最新情報:PMBOKRGuide 第7 版 への変更について - JPSビジネスカレッジ
「PMBOKガイド 第7版への変更のポイント」を読むと、QCDのコントロールを基盤とした予測アプローチから、不確実性のもとで価値提供を重視したアプローチに変わるらしい。
気になる変更箇所は下記がある。
・これまでのようなプロセス重視ではなく、原理・原則(プロジェクト・マネジメント・プリンシプル)に基づいて再構成される。
・インプット・ツールと技法・アウトプットの記述がなくなり、大幅にコンパクトになる。
・成果物ではなく、価値(価値提供)に焦点が当てる。
・”10の知識エリア”が、”8つのパフォーマンスドメイン”に変わる
・”5つのプロセス群”が、”プロジェクトの提供における12の原則”に変わる
PMBOKといえば、5つのプロセス群、10個の知識エリアが有名だった。
それが全てなくなるらしい。どんな内容に変わるのか、結局本を読まないと分からない。
PMBOKといえば、有期限のあるプロジェクトのQCDをいかに守って、予実管理をベースに予測可能な状態へコントロールしていくPJ管理手法のイメージだった。
PMBOKの技法を読んで実践してみると、プロジェクト計画フェーズに感覚的に8割以上の労力を注いで緻密に計画して、そこから予実管理で差異分析しながらQCDを守っていく感じ。
だから、請負契約でソフトウェア開発を行う場合、PMBOKの手法は発注者のプロマネにはとても相性が良く、一連の知識体系が揃っていて役立っていたと思う。
しかし、コロナ禍の時代では、1年先、いや今ではオリンピック終了後の3ヶ月先の予測すら難しい。
いくらプロジェクト計画を緻密に作った所で、こんな時代ではすぐに現実に対応できなくなる。
だから、「第7版は、このような様々な変化に対応し、先を見越した、革新的かつ機敏な対応ができるような柔軟性を与えることを目的とし、プロジェクトに携わる人々が、予測的アプローチ、アジャイルアプローチ、適応的アプローチ、ハイブリッドアプローチなど、各プロジェクトに適したアプローチをより柔軟に選択できるようになります」という方向に変わるらしい。
PMBOKをまとめた人は本当にすごいと思う。
この記事だけでは当然全くわからないので、一度読み直してみたい。
特に直近1年間、自分が持っていた経験や知識があっという間に古くなっていると痛感する。
アジャイル開発もPMBOKも品質管理も、もちろん他の分野も急激に何かが変化している気がする。
この時代の変化に追随していくために、色々調べてみる。
(1) Yuji SakataさんはTwitterを使っています 「これ日本のPMの人、どうすんの的なところある」 / Twitter
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