規模の経済から個人の能力重視へビジネスモデルが変化している
製造業からソフトウェアのビジネスモデル変換の鍵に、規模の経済から個人の能力重視の観点があるツイートを見つけて、なるほどと思った。
akipiiさんはTwitterを使っています 「すごく参考になる。規模の経済から個人の能力重視への変化」 / Twitter
r.ishibashiさんはTwitterを使っています 「この例えは良いな。 https://t.co/xLQjAuij1m https://t.co/17u8ZF9jgM」 / Twitter
(引用開始)
"シスコはスキルがスケール(規模)に勝った唯一の例だと考えていたが、そうではないのだ、と。シスコがうまく活かしているのは、一企業、一産業の枠を超えた大きなうねりなのである。 従来コンピュータや通信機器の分野で成功するには、数十億ドル規模の大型プロジェクトで大量のエンジニアをとりまとめ、さらに大量の労働者を管理して複雑な電子機器を製造することが必要だった。それをやれる能力が備わっていたから、 IBMや AT& Tは繁栄し、日本は技術集約型の成功を収めることができたのである。だが一九九六年の時点では、成功のカギを握るのはソフトウェアになっていた。そしてソフトウェアなら、大企業でなくても、頭の良い連中が何人かそろえば書き上げることができる。規模の経済から個人のスキルへ──これが、大きな変化のうねりだった。戦争の主流が、正規軍の衝突からゲリラ戦に移ったようなものである。"
― from "良い戦略、悪い戦略 (日本経済新聞出版)"
(引用終了)
以前読んだ記事で、スクラムは組織の仕組みで駆動するのではなく、メンバー個人の能力を重視して、個人のパフォーマンスで駆動しようとする内容を思い出した。
アジャイル開発とウォーターフォール型開発の違いについて再考: プログラマの思索
アジャイルとウォーターフォールは文化や価値観のレベルで異なるという話 - たなかこういちの開発ノート
ソフトウェアビジネスが主流になる以前は、設備やリソースなどの資本を集約することで、規模の経済を実現し、コスト削減メリットを活用するのが戦略の基本だった。
一方、ソフトウェアビジネスでは、人月の経験則の通り、プロジェクトメンバーが増えるほど生産性は限界逓減する。
つまり、少ない優秀なメンバーでソフトウェア開発をやり抜く方が生産性が圧倒的に高い。
そのやり方を実現した方法の一つがアジャイル開発であり、スクラムである、と捉えた方が、より真実に近づける気がする。
ブルーカラー労働者主体、事務処理主体のホワイトカラー主体の社会では、設備や人員を大量にかき集めて規模の経済で圧倒する戦略がビジネスモデルの基本だった。
一方、専門技術職のホワイトカラー主体の社会では、メンバー個人の能力をいかに活用できるか、が鍵を握るし、そのための労働環境づくりが大事になってくる、というストーリー。
規模の経済については以前、色々考えていた。
今でも事業を発展させていくと、必ず規模の経済に即した経営戦略を取らざるを得なくなるが、一方でソフトウェアビジネスを生業にする場合は、スクラムのような個のスキルで駆動する開発スタイルを取り入れるべきという考え方も持っておきたい。
ビジネスの基本戦略には規模の経済があるのではないか: プログラマの思索
| 固定リンク
« 組込ソフトウェア開発のための3部作「構造化モデリング」「オブジェクト指向モデリング」「リバースモデリング」を読んでいて楽しい | トップページ | プログラマが「何をやっているか分からない」「何が分からないか分からない」状態から脱出する記事がとても良い »
「プロジェクトマネジメント」カテゴリの記事
- Redmineのブロッキング機能はどこで使うのか?~FF関係で使うべきだ!(2026.08.10)
- 製造業でアジャイルが定着しない理由~スプリント不在とチケット二重管理の壁 #Redmine(2026.07.18)
- Redmine利用成熟度モデルによる運用戦略(2026.07.12)
- なぜCCPMは挫折する?経営者の理想と現場の挫折をLycheeRedmineが解決する #redmine(2026.06.30)
- 製造業DXを支える工程管理とは?Redmineの大規模プロジェクト階層化における課題:プロジェクトツリーの設定継承と関連チケット制限の壁(2026.06.27)
「ビジネス・歴史・経営・法律」カテゴリの記事
- パランティアテクノロジーズの正体とはAI時代のSIerだ(2026.06.21)
- 【読書メモ】ミアシャイマーに学ぶイラン情勢と、社会科学における仮説検証の醍醐味(2026.03.29)
- 自動車業界におけるA-SPICE・機能安全・サイバーセキュリティの規格に対応したプロセス改善とは何か?(2026.02.15)
- E-BOMとM-BOMの違いは何か?(2026.02.08)
- 製造業におけるPLM製品とMES製品の違いは何か?(2026.02.08)
「Agile」カテゴリの記事
- チケット駆動でAIを制御する仕組みのアイデア(2026.08.13)
- アジャイル開発を強化するキルチェーン進化の歴史~VUCA時代におけるモノづくりの新アーキテクチャ(2026.08.11)
- 脱PDCA!DXを加速する超高速戦略「KillChain」(2026.08.10)
- AIエージェントのハルシネーションは「チケット駆動」で防ぐ~次世代アジャイル開発の実践論(2026.08.04)
- AIが設計も思考も代替する時代ではエンジニアはモデルを理解するだけの存在なのか?(2026.07.25)
「経済学・ERP・財務会計」カテゴリの記事
- すり合わせの優位性は健在か?日本の製造業が直面するPLM活用とMBSEソフトウェア運用の理想と現実(2026.03.29)
- DX戦略はDX成熟度を考慮して戦略策定すべき(2026.03.20)
- データモデリングではシステムが宿命的に負う複雑性をどのように解決しようとしているのか(2026.02.14)
- データモデリングの手法をあなたは持ってますか? at 関西IT勉強宴会(2026.02.11)
- E-BOMとM-BOMの違いは何か?(2026.02.08)


コメント