物語を構成する要素はプロットである
最近のアジャイル開発では、企画フェーズや要件定義フェーズでユーザーストーリーを使った手法が多い。
この風潮に僕はまだ腑に落ちていない。
たぶんその理由は、ストーリーや物語の構造を欧米人の文脈で理解できていないからでは、と思っている。
たまたま、良いツイートのまとめを見つけたのでリンクしておく。
その中で、ストーリーとプロットは相異なることも理解した。
理解したことをラフなメモ。
特に結論なし。
【参考1】
ストーリー第1回目 三幕構成とはなにかな? - Togetter
ストーリー第2回目 第一幕 状況設定ってなんだ、キャラクター設定どうしたらできんの? - Togetter
ストーリー第3回目 第一幕 “欲しいもの”は二段階で考える?“欲しいもの”と“欲しいもの”の衝突が葛藤を生む。 - Togetter
ストーリー第4回目 セントラル・クエスチョンを意識してみよう - Togetter
ストーリー第5回目 群像劇でも主人公を立てよう その時に注意しなければならないことは? - Togetter
ストーリー第6回目 ダイヤモンドの各塁はどのような役割を果たしているのか ターニングポイントについて - Togetter
ストーリー第7回目 メインプロットとサブプロットの構造を理解しよう - Togetter
ストーリー第9回目 シナリオライティングの参考書は何を読むべきか? - Togetter
ストーリー第10回目 2幕目をぐいぐい動かすための小技を紹介するよ! - Togetter
【参考2】
なぜユーザーストーリーによる要件定義にピンとこなかったのか: プログラマの思索
小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart1: プログラマの思索
小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart2: プログラマの思索
「ストーリーマッピングをはじめよう」本の感想~ストーリーによる企画や要件定義はSaaSと相性がいい: プログラマの思索
【1】「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」「アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」「ストラクチャーから書く小説再入門 個性は「型」にはめればより生きる」を読むと、「ストーリー」という言葉はあまり使われず、「プロット」と言う言葉をよく使う。
ストーリーは出来事を単に時系列で並べたもの。
プロットは出来事の原因と結果を抜き出したもの。
プロットは因果関係である。
【2】プロットには、数多くの種類がある。
メインプロットは“事件”である。
メインプロットは主人公が辿るべき話の流れであり、ストーリーラインである。
メインプロットは大抵の場合、主人公の葛藤、それを乗り越えた成長や旅を表す。
【3】サブプロットは、メインの物語とは違うもう一つのテーマを語るパート。
サブプロットは、“心”についてのプロットだと考えればいい。
つまり、サブプロットは主人公の心理描写。
実際は、ラブストーリーがサブプロットによく当てはまる。
メインプロットがA面なら、サブプロットはB面、裏面のストーリーとなり、物語をより複雑に奥深く見せてくれる。
インプロットとサブプロットが互いに影響し合うことで、ストーリーは非常に多くのバリエーションを持つことになり、その展開は観客の予想を超えたものとなるわけだ。
【4】プロットポイントは、三幕構成内の幕と幕を繋ぐイベント。
具体的には、1幕と2幕の切れ目、2幕と3幕の切れ目にあたるイベント。
プロットポイントは、ターニングポイントとも呼ばれる。
つまり、ターニングポイントは主人公に行動を起こさせ、物語の方向を転換させる出来事になる。
第一幕の終わりには、第一ターニングポイントがあり、ここでガラっと舞台が変わる。
第二幕の終わりには、第二ターニングポイントがあり、ミッドポイント(第二幕の真ん中)で結末に向かう方向性を見出した主人公が、さらに結末へと向かうことになる出来事になる。
【5】こういう脚本術の本を読んでいると、映画や小説を欧米人は徹底的に構造化して組み立てているんだな、と思う。
臭いストーリーだなと思いながらも、なぜかハマってしまう。
たぶんその理由は、人間の原始的動機を揺り起こすように上手く構造化して緻密に作られているのに、その原始的動機を上手く隠し通しているのではないか、と思ったりする。
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