戦前の日本人の気質はまだ成熟していない青年期と同じだった
【1】「日本人の行動パターン」に書かれた一節が一番心に残った。
アメリカ人は戦前の日本人をこういうふうに分析していたんだな。
日本人は青年期の未熟さの性質を持つ。
ころころ変化する態度、人に応じて異なる感情表現、幻想に陥る現象はパーソナリティ形成が成熟していないことを表す。
社会構造が変化すると、それに対応して素早く変わる日本人は、青年期の発達段階に特有のもの。
日本人の集団はノイローゼにかかっている。集団的神経症、強迫観念に囚われている。
【2】僕が学生の頃は、日本文化論がすごく流行っていた気がする。
日本が経済大国と呼ばれていた時、なぜ日本は小さな島国にすぎないのに、そこまで成長できたのか?
それに答えるために、数多くの論説があった。
割と多かったのは、日本特殊論。
日本人は特殊な気質を持つ、特殊な文化を持つ、という論説が多かった気がする。
確か、E.H.ノーマンの本だったか、ある一節があった。
戦前の日本人の言動を見ると、ある時は激しやすいが、別の時は穏やか。
ある時は頑固なのに、別の時は一瞬にして豹変して環境に順応する。
その原因は、日本人が置かれた社会や政治構造に由来するのでは、という指摘だった。
一言で言えば、日本社会は階級制度であり、日本人はその社会順序を乱さないように、あらゆるところから統制を受けている、と。
「日本人の行動パターン」の一節を読むと、それにぴったりな気がした。
明治から昭和にかけて、日本人が急激に近代化できた理由は、たぶん日本人は未成熟な青年期の人間が多かったのだろう。
そして、2022年の現代日本は平均年齢が49歳なので中高年世代が最も多いから、青年期ではなく老年期に入っているのでは、と思ったりする。
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