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2022/08/09

人類は海辺から生まれた~水生類人猿説が面白い

人類は海辺から生まれたというアクア説(水生類人猿)を知った。
とても面白かったのでメモ。

アクア説 - Wikipedia

河童や半魚人の祖先か?異端の「アクア説(水生類人猿)」を独自に推理する - まいじつ

禁断のアクア説(水生類人猿説)を再評価する ? 橘玲 公式BLOG

人類はなぜ2足歩行なのか?
その単純でありながら奥深い問題に対し、従来のサバンナ説ではやはり納得しづらい。
猿やチンパンジーが地上に出たとしても自然に二足歩行になったとは思えない。

そこで、アクア説が提唱された。
アクア説、水生類人猿説では、人が類人猿に進化する時に、半水生活に適応して直立二足歩行を始めた、という主張を唱える。
この仮説は化石の証拠がなく、最初は半信半疑なのだが、人間の特徴を色々探ってみると、この仮説が上手く当てはまる場面がすごく多い。

アクア説 - Wikipediaにある「仮説の論拠」の画像がすごく分かりやすい。

人もラッコも海に入ると、垂直に直立する姿勢になる。
人類は海辺で進化した」本では、ペンギンと人が地上では二足歩行、水中では水平姿勢で泳ぐ絵があって、こんな場面がペンギンと同じなのか!と驚いた。

人は海に入ると、皮下脂肪がついた。
皮下脂肪があると浮きやすいし体温維持になる。
鯨と同じ。
そして人から体毛がなくなったが、頭は水上に出ているので、頭髪は残った。

鼻の穴が下向きなのは、水上で垂直に立った時、水が鼻に入らないようにするため。
猿や他の類人猿は鼻の穴が正面に向いている。

涙が出る、汗が出るのは、塩分排出の症状。
人類は海辺で進化した」本では、ラッコの母親から子供を取るとラッコが泣くと書かれていて、まるで人間みたいに感じた。

人は対面性交する。
頭から尻まで一直線の姿勢になる。
実はイルカなど水棲哺乳類は、対面性交らしい。
一方、猿や他の動物は後背位を取る。
人類は海辺で進化した」本では、イルカの対面性交のシーンが書かれていて、まるで人間のように感情を持って恋愛している雰囲気を醸し出していたのが興味深かった。
だから、欧米人はイルカを人間と同じように同一視しているから、日本の和歌山でイルカ漁をしているシーンを非難するのではないかと思った。

人間の女性は処女膜を持つ。
水棲哺乳類の鯨にもあるらしい。
たぶん、海水が体内に入らないようにする仕組みなのだろう。

女性の外性器が隠れているのは、体の表面積を減らして体温維持する方が水中生活に有利だから。

水中出産は楽らしい。
人類は海辺で進化した」本では、ロシアの産婦人科では、妊婦に水中出産してもらうと痛みがなく、楽だったという記載があった。
赤ん坊を生み出す時、体内から異物も排出されるが、水中で出産すればその汚物も赤ん坊から洗い流してくれる利点がある。

赤ん坊は泳げるらしい。
実は、赤ん坊は生まれた直後は、手でかくような仕草をするらしい。
水生類人猿説では、赤ん坊が水中出産された歴史に由来するらしい。

女性の乳房が垂れ下がるのは、赤ん坊が母親から乳を飲む時に捕まるため。
人類は海辺で進化した」本では、女性が赤ん坊に乳を吸わせている写真があって、猿の赤ん坊は母親の体毛に捕まることができるが、人間の赤ん坊は母親の体毛がないのでそのままでは落ちてしまう、と書かれていた。
イルカや鯨のような水棲哺乳類も同様らしい。

人間は嗅覚が衰えた。
水中生活では、臭いの感覚は関係ないから。
水中生活から陸上生活に戻った時、ワキガのような部分から体臭を発生させるようになった、とか。

人間は聴覚と発声が発達した。
水中生活では、視覚よりも聴覚や発声が重要らしい。
イルカと同じ。
イルカも会話しているらしい。

人間はバランス感覚が優れていて、柔軟な背骨を持つ。
人類は海辺で進化した」本では、アシカが鼻にボールを乗せた姿と、その横に人間が鼻にボールを載せた姿を載せていて、非常に同じように見える。
水族館のショーで出てくるアシカ、イルカもボールを操れるように、非常にバランス感覚が優れている。
これは、人間も水中生活で、嗅覚や視覚があまり通用しない環境で、空間の感覚を研ぎ澄ましたから、と書かれていた。

人類は海辺で進化した」本では、女性が水中でU字型の流線型で泳いでいる絵があって、イルカやアシカと同じだな、と思った。

人間には潜水反射、徐脈の感覚を持つ。
潜水反射とは、水に潜ると心拍数が減少し、体内に送られる血液量が減り、その結果、酸素消費量も減ること。
人類は海辺で進化した」本では、ラッコ、セイウチ、イルカ、アシカ、鯨のような水棲哺乳類と同じく、人間の絵も載せられている。
人間と他の動物がどれくらいの深さまで水に潜れるか比べると、人間は水に潜らない哺乳類と言われるらしい。

現代人の7%は、今持って手足の指に水かきの跡がある。
これは人間が水中生活していた時の名残り。
ピアニストになるためには、指同士の距離を広げる必要があるから、わざわざ広げるように手術していたことを思い出した。

これだけ状況証拠があるにも関わらず、「アクア説(水生類人猿)」は学会では異端と言われているらしい。

こういう斬新な科学的仮説を読むと、鳥類が恐竜から進化した「前適応」の仮説や、恐竜が隕石衝突で絶滅した事件のことを連想させる。
大量の状況証拠から、仮説を補強するような理論を作り上げて、どんな反論からも耐えられるようにし、最終的には化石や実験によって仮説が証明される、そんな流れを作るのが面白い。

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