「物理学の野望」の本が分かりやすかった
「物理学の野望 「万物の理論」を探し求めて」の本が分かりやすかった。
物理学は、世界のすべての現象を1つだけの考え方で統一して説明しようと頑張っている。
【参考】
物理学は一つの認識論: プログラマの思索
その発想の原点は、オッカムの剃刀にある。
(引用開始)
ウィリアム=オブ=オッカムが云った言葉に「存在は必要以上に増やされるべきではない」というのがある。これは、真理は単純明快なものであり、それを説明するのに余計なことはできるだけ省くべきであるという意味で、「オッカムの剃刀(カミソリ)」と云われている。
この言葉は、一般にある問題についていくつかの解答があった場合、「より少ない原理でより多くの現象を説明できる理論の方がよりよい」ということで、例えば天動説と地動説では、天動説では天体の運動と地上の物体の運動とで別々の法則を立てなければならないが、地動説は両者を一つの運動法則で説明できるから、こちらの方が正しい、と言うように使われる。
(引用終了)
数多くの現象を集めても無意味で、それら現象をより少ない原理で説明されるべき。
「物理学の野望 「万物の理論」を探し求めて」ではこんなストーリーになる。
まず、ニュートン力学により、地球の外にある天上の世界を1つの原理で説明した。
次に、物理学者たちは、地上の現象を説明しようと頑張った。
彼らが取り組んだのは、熱、光、電磁気。
熱はエネルギーの一つの要素と分かり、光は電磁波と分かり、電気と磁気は相対する関係と分かった。
そして、マクスウェルの方程式でそれらの現象は統一して説明できるようになった。
そして、電磁気力、弱い力、強い力は最終的に法則で統一された。
最後に残るのは、重力。
「物理学の野望 「万物の理論」を探し求めて」には書かれていないが、おそらく超弦理論が4つの全ての力を統一する法則を提供するのだろう。
「物理学の野望 「万物の理論」を探し求めて」で興味深かったのは、発電所は、磁気モーターで電気を作り出す仕組みが根本にあり、そのモーターを回す仕組みを○○力発電と呼んでいるだけ、ということ。
たとえば、水力発電、風力発電、火力発電、地熱発電、原子力発電は、磁気モーターをどの力で動かしているか、という違いを表しているに過ぎない、と。
なるほど、たしかにそう考えると当たり前なのだろうが、詳しくないので新鮮だった。
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