JSTQBのテストプロセスの概念モデルを描いてみた
JSTQB Fondation試験を勉強した時に、JSTQBのテストプロセスの概念モデルを描いてみた。
気づきを書き残す。
まだ理解があやふやなので、間違えていたら後で直す。
【参考】
テストアイテムとは何か?概要や定義、現場での使われ方について解説
【1】JSTQBのテストの専門用語は、普段使っている言葉と意味が違っていたり、別の言葉で置き換えられる時があると分かった。
たとえば、テストレベルはテスト工程のテストプロセス、テストタイプはテストの種類に相当するだろう。
テストオラクル、テストベースなどはJSTQBで初めて知った。
たぶん、テストケースの発生源や出処となる概念を明確に区別すべきという考え方があるのではないか。
また、テストプロセスの概念モデルを描いてみて気づいたのは、JSTQBにたくさん出てくるテストの専門用語は、テスト管理ツールやテスト支援ツール、テスト自動化ツールなどのツールで使う場面をかなり意識しているのではないか、と直感している。
たとえば、テストスイートは、一般にテスト自動化ツールに読み込ませるテストケースやテストデータをイメージできる。
テストハーネスはドライバやスタブみたいなものだし、テスト環境そのものも今ならDockerで最初から環境構築を自動化できる。
【2】エラー(誤り) error、欠陥 defect、故障 failureは明確に区別される。
一般に不具合と言われる事象は故障に相当するだろう。
不具合をバグ、障害と断定しない理由は、実際に調査してみたら、仕様通りで問題ないとか、テスト手順ミスやテスト環境の不備が原因だった、という場合があるからだろう。
不具合は、故障、不正の事象も包み込む曖昧な現象を指す場合が多いと思う。
欠陥があったからといって、故障が発生するわけではない。
欠陥のあるプログラムが実行されて初めて故障が発生する。
欠陥がプログラムに埋め込まれても、テストで発覚せず、運用していても発生しなければ、システムは問題なく動く。
しかし、欠陥そのものは存在しているわけだから、いつかは故障として発生する。
いわゆる潜在バグに相当するのだろう。
欠陥の根本原因の分析はなぜなぜ分析がよく使われるだろう。
しかし、なぜなぜ分析を現場で実際に使ってみると、なかなか効果を出すのが難しい。
メンバの力量にかなり依存するので、原因があらぬ方向に行ってしまいがち。
【3】JSTQBでは、テストチームの役割には、テストマネージャとテスト担当者の2つが少なくとも定義されている。
テストマネージャはテスト計画フェーズで中心的役割を果たす。
テスト実行フェーズ以後の具体的な作業はテスト担当者に任せるようだ。
つまり、テストマネージャはプロジェクトマネージャやストラテジストに近いイメージを持った。
JSTQBのAdvancedLevelはテストマネージャ試験がある。
ただし、業務経験が必須らしい。
【4】テスト管理や品質管理については、TestLinkを試していた頃に随分色々考えていた。
プログラミングやシステム設計とは異なる考え方を知ったり、試したりするのが面白かった。
残念なのは、テスト管理ツールはほとんどが有償であり、OSSのTestLinkしか試せなかったことだった。
テスト管理ツールTestRail、CAT、QualityForwardの感想: プログラマの思索
テスト管理ツールCAT、TestRail、QualityForwardのオンラインのマニュアルのリンク: プログラマの思索
今持っている問題意識は、2023年の現在、ソフトウェアテストを支援するテストツールはどんな方向に進化しようとしているのか、ということ。
上記の記事にも書いたが、日本のIT企業やユーザ企業が考える品質と、欧米企業が考える品質は異なる。
日本人は機能の細かい品質までこだわるが、現代はアジャイル開発が普及して一般的になっていて、その考え方が時代に合わない部分もある。
アジャイル開発に適した品質とは何なのか?
そして、AIなどを使ってもっとテストそのものを進化させることはできるのか?
この辺りは色々考えてみたいと思っている。
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