パターンカタログよりもモンスターカタログの方が面白いね #jasstkansai
Jasst関西がオフライン開催だったので10年ぶりに参加してきた。
感想をラフなメモ。
【参考】
JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'23 Kansai
知識は経験よりも大切か、経験は知識よりも勝るのか、SECIモデルは相互作用を語る: プログラマの思索
「大人の学びパターン・ランゲージ」の感想~知識と経験を行ったり来たりするタイミングを大切にする: プログラマの思索
現場の経験知をパターン言語にするコツが分かった #agileto2014: プログラマの思索
SECIモデルは知識の再利用モデル、または、実践知を生み出すモデルだ: プログラマの思索
【1】今回のテーマは「思考停止」。
正直難しいテーマだったかなと個人的印象を持った。
基調講演の山口鉄平さんの話を聞くと、説明に苦労されている印象があって、本来は「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」本から色んな改善事例を出してもらえるともっと聞きたかったのにと思った。
今の日本の社会情勢であれば、「思考停止」というテーマはたくさんの事象が出てくるだろう。
たとえば、円安やインフレ、少子高齢化による社会保障制度の不安、コロナ補助金不正、マイナンバーカードの名寄せ問題、EV車やAIに対応できていない製造業やIT企業、を見れば「思考停止」の事例はいくらでもあるだろう。
つまり、そういう問題に対し、本来の課題(イシュー)は何なのか、その課題を解決する時に一番効果のある対策は何か、予防策は何か、まで突き止めて考えなければならないのに、前提条件や制約条件を無視した議論がすごく多い。
一般に、日本の組織論で有名な「失敗の本質」本を読めば、日本人の「思考停止」の例はすぐに2つは思いつく。
1つは、個人では意見を持っていても、同調圧力に流されて集団浅慮やリスキーシフトに陥ること。
もう一つは、一般兵士のような下級レベルの労働者や兵士は真面目で優秀だが、戦略の目的に合致しない行動を取っているために、いくら真面目に働いても生産性や投資効果が低いこと。
野中先生が指摘した日本人の弱点は、1945年当時から80年たった今でも変わらない。
こういう思考停止の事例を分析するには、なぜなぜ分析が結局使われると思う。
なぜなぜ分析で自分の言動を問い詰めて、最終的にはその人の油断、プレッシャー、焦りなどの心理背景まで突き止められるのではないか、と思う。
OL参加者の意見として、フレームワーク思考を習慣的な思考と考えて、思考停止になっているのではというツイートもあって面白かった。
【2】今日のJasst関西で最も印象に残ったのが、「思考停止からの脱出 ~ あなたの"問い”が自律へと導く ~」ワークセッション。
テーマは「思考停止を題材にして、問題事象をモンスターで書いてみよう」。
「思考停止」というテーマを各人の体験から問題事象を洗い出し、それらの問題事象にモンスターとして名前付けする。
そのモンスターには、名前とモンスターの絵があり、モンスターのプロフィールとして得意技・どんな時・他の特徴という説明文が付与される。
そのモンスターに対し、必殺技でやっつける、という流れ。
僕は「打合せ大好きマン」というモンスターを書いてみた。
伝わるかな?
これはアンチパターンと言えるだろう。
つまり、モンスターの名前はアンチパターン名。
得意技は問題事象。
どんな時は、問題事象が発生するタイミング。
他の特徴は、問題事象の影響事例。
必殺技は、解決策に相当するだろう。
フォースに相当する項目があればなおいいね。
僕もパターンは好きだし、パターンを自分で作れないか、パターンカタログのようなものを作れないか色々考えていた時期があった。
しかし、深く考えるほど難しいなと思う。
モンスターにアンチパターンを当てはめると、ロールプレイングゲームのように気楽な気持ちでパターンカタログを作り出すことができる。
この発想は他のワークショップでも使ってみたいなと思う。
プレインステーションなどのゲーム経験が深い人ほど馴染みやすいかもしれないから。
もっと気楽にパターンを考えてもいい。
【3】久しぶりにオフラインでコミュニティに参加して気づいたことはいくつかある。
1つ目は、参加者に若い人もいるけれど、年齢層が割りと高そうなこと。
アンケートでは、SE経験が10年以上の人が参加者の半分を占めていた。
本来は20~30代の人たちが半分以上を占めていて、経験が少なくてもノリが良くて活気があるのが普通だが、ちょっと落ち着いていた感じ。
久しぶりに会った方と話していたら、最近は若い人が少ないですよ、とのこと。
昨今の日本社会の情勢である少子高齢化が出ているのだろうか?
2つ目は、オンライン開催のチャネルが勉強会コミュニティで必要になってきたこと。
コロナ禍を経て、開催側もオンライン開催の手段がすごく簡単と分かったし、参加者も簡単に集めやすいと分かった。
参加者もオンライン開催であれば、スマホさえあれば作業しながらでも聞ける。
わざわざ交通費を払って時間を拘束させる必要もない。
今後の勉強会の運営は、Jasst関西のようにハイブリッド開催が当たり前になってくるだろうと思った。
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