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2026/03/20

DX戦略はDX成熟度を考慮して戦略策定すべき

DXとはそもそも何なのか?
DX戦略の考え方は何なのか?
いまこそ知りたいDX戦略 自社のコアを再定義し、デジタル化するを読んで考えたことをメモ。

【参考】
いまこそ知りたいDX戦略 自社のコアを再定義し、デジタル化する | 石角 友愛 |本 | 通販 | Amazon

【1】DX、デジタルフォーメーションという言葉はよく聞くが、その定義を聞くと、人によってバラバラだ。
たとえば、デジタル化の回答もあれば、ITによる業務プロセス改善という意見もあれば、ITを使った新しいビジネスモデル構築という意見もある。
どれが正しいのだろうか?

デジタルフォーメーションという言葉を聞くと、僕は、デジタルに変身!と叫ぶウルトラマンに変身するイメージを思い浮かべてしまう。
実際の日本企業は、そう簡単に変身できないだろうが。

【2】いまこそ知りたいDX戦略 自社のコアを再定義し、デジタル化するでは、DXには3つの段階があると解説している。
DX成熟度というべき段階レベルがある。

【2-1】Digitization

アナログ→デジタルへ移行
例:
ペーパーレス化
図面の電子化
CADによる設計
承認フローの電子化

【2-2】Digitalization

・デジタル化したデータを利用して、
ビジネスプロセスを変革する
・作業の進め方を変えて、
顧客や企業の関与と相互作用の方法を変革し
新しいデジタル収益源を生み出す
例:
ERPによる経営資源共有
見積・設計・製造プロセスの改善
3D設計+CAEによる設計品質向上
PDMツールによる技術情報の部門内共有


【2-3】Digital Transformation

新しいビジネスモデル、コアビジネスのデジタル変革
人や組織に関する変革
例:
自社以外に、顧客やサプライヤ、ステークホルダーを
巻き込んだ変革
グローバルPLM
ライフサイクルを通じたBOM再構築

【3】僕が現場で見る限り、日本の製造業は、Digitizationの段階で留まっているケースが多い。
特に、職人芸の気質が強い中小企業がそうだ。

たとえば、ノウハウは職人、経理や現場担当者にくっついていて、なかなか周囲にナレッジ共有できない。
OJTで学ばせるだけ。
日本人は現場で優秀なので、トラブル対応や火消しをいつも頑張ることで乗り切っている。
よって、組織として習熟しているとは言えないといつも思っている。
なぜならば、業務プロセスを誰も明文化していないし、明文化したとしても例外フローが多すぎて標準化もできていないからだ。
つまり、いくらERPなどのITシステムを導入しても、帳票出力システムに過ぎず、現場担当者の優秀さに頼り切っている。


【4】さすがにそんな状況はまずいと考える経営者も多い。
そこでDX戦略を作るわけだが、一朝一夕には行かない。
まずは、職人芸のノウハウを形式知化し、現場担当者の優秀さに依存しない業務プロセスの確立が必要になってくる。

その段階が、Digitization。
まずはノウハウをデジタル化して、見える化すべき。
実際にやってみると、相当な量になる。
特に製造業は会社の歴史も長いケースが多いし、職人芸のノウハウもたくさんあるので、書き起こすだけでも大変だ。
しかし、その価値は十分にあると僕は考える。

なぜならば、昨今は人手不足や若者不足が当たり前なので、現場の優秀なベテランに頼り切るやり方はもう通用しないからだ。
技術継承するためにも、Digitizationは必須だ。

【5】Digitizationが進んでくると、業務プロセスも見えてくるので、Digitalizationによって、業務プロセス改善、さらにはプロセス改革まで進める。
だが、業務プロセスの改善程度ならまだしも、プロセス改革は相当難しいと感じる。
なぜならば、人の再配置、部署の改廃、ひいては子会社化やM&Aなどの組織構造の変化にも関わってくるからだ。

ITコーディネータ勉強会で聞いた事例では、ERP導入を通じて業務プロセス改革をやった時、ITコーディネータである部長の部下である総務部の女性3人が結局退職した、と話されていた。
業務プロセス改革により仕事がなくなり、彼女らの存在意義が無くなったからだ。
リスキリングや別の能力開発を行ったのだろうが、人間はそう簡単に変わらない。
ましてや40代、50代にもなれば、新しい知識や技術の習得は難しくなる。
しかし、そんな人間関係の軋轢も覚悟の上でやらなければならないだろう。

【6】そういう業務プロセス改革を突き進めると、最終的には、組織構造の変革を通じて、組織文化の変革、社員のマインド改革まで行き着く。
そうすると、組織変革を通じて、会社のコアコンピタンスも再定義されて、新しいビジネスモデルや新規事業創造に向かうだろう。

そういう流れがDX化であるが、実際は10年以上かけて体質変化させる流れになるだろうと思う。
人間はそう簡単に変わらないからだ。
人間はそもそも保守的な存在である。
人間は、環境変化に即座に順応できるわけではない。
人間は自らの価値観を持ち、プライドを持つからだ。

会社には、若者もいれば、ベテランもいるし、最近では女性がたくさんいる職場も当たり前だ。
女性にも若い独身女性もいれば、既婚女性もいるし、子育てしている女性もいる。
また、中国人やインド人、ベトナム人などの外国人のSEや作業員も多いはずだ。
つまり、以前に比べると、日本の製造業も多様な人材が職場に溢れている。
よって、彼らの価値観を会社の価値観に合わせるのは至難の業だ。

そんな状況を踏まえて、DX戦略を考えるべきだろう。


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