Redmine、DOA、PM理論。点だった知識が“世界の見え方”に変わる瞬間
Redmine、DOA、PM理論、PLM、組織論──点だった知識が、経験と結びついた瞬間、世界の見え方が変わった。
20年以上働いて見えてきた「知識と経験が知恵に変わる瞬間」を書く。
【参考】
幸せなITパーソンになるためのいきいきする仕事とやる気のつく | 羽生 章洋 |本 | 通販 | Amazon
ワークショップ・デザイン[新版] 知をつむぐ対話の場づくり | 堀公俊, 加藤彰 |本 | 通販 | Amazon
ロジカル・ディスカッション[新版] チーム思考の整理術 | 堀公俊 |本 | 通販 | Amazon
問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座 (Best solution) | 堀 公俊 |本 | 通販 | Amazon
【1】長年の仕事の中で、自分の中で何かがインスパイアされて、経験したこと、他者と議論したことが体内に染み込んで世界の見方が変わって見える時がある。
最近、そんな肌感覚を久しぶりに感じている。
【2】どんな時にそんなことを感じたのか?
以前なら、Redmineを自分の開発チームに適用してチケット駆動開発を実践できた時、これがアジャイル開発なんだ!と熱くなった時。
平鍋さんのプロジェクトファシリテーション講演を聞いて、プログラマ上がりのプロジェクトリーダーのためのリーダーシップ研修みたいだ、と気づいた時。
プロジェクトファシリテーションはIT企業の中間管理職研修みたいだ: プログラマの思索
関西IT宴会のデータモデリング勉強会にて、渡辺さんが花束問題をライブモデリングしながら、在庫推移方式とは受払テーブルを過去の在庫と未来の在庫を派生関係で表現しているのだ、と気づいた時。
第39回IT勉強宴会の感想~花束を作る花屋の業務モデルをT字形ERと三要素分析法で比較する: プログラマの思索
SEA関西でドメイン駆動設計の講演を聞いた時、オブジェクト指向モデリングを業務モデリングに適用したものなんだな、と感じた時。
ドメイン駆動設計の感想~OOAは過ぎ去りDOAはもう一度舞台に上がるのか: プログラマの思索
SEA関西で標準プロセスから各案件のテーラリングの話を聞いた時、標準プロセスはクラス、テーラリングしたプロセスはインスタンスで区別すること。PMOはそれらプロセスを法律家のように体系として定義し、下々に利用させてモニタリングし監視することなんだな、と気づいた時。
プロセス設計はどの範囲を指すのか?~プロマネの仕事はテーラリングにある: プログラマの思索
製造業のPLMツール開発案件にて、同僚からPLMツールとは製造業の情報資産のデジタル化の一環なんだよ、と示唆を受けて、PLMこそが製造業のDX戦略の本質的ツールなのだ、と気づいた時。
PLMツールとは部品表の構成管理ツールでありGitHubである: プログラマの思索
ファシリテーション協会のマネジメントゲームにて、さりいさんがチームビルディングにてタスク志向とメンテナンス志向の話を解説した時、これはPM理論そのものだな、コーチングやカウンセリング、フィードバック技法などの行動心理学のテクニックは全てPM理論の観点で整理できるな、と気づいた時。
【3】では、他者を通じて経験したこと、議論したことが体内に染み込んで世界の見方が変わる肌感覚はどんなタイミングに発生するのか?
いつも発生するわけではない。
インプットとなる理論を知って、自分なりに理解しておかないと、経験した内容を言語化できない。
そのまま素通りしてしまう。
自分なりの意見、価値観を持っておかないと、その経験が役立つのか、大したことがないのか、判別できない。
そのまま素通りしてしまう。
自分が抱える問題意識をずっと持っておかないと、経験が自分に引っかからない。
そのまま素通りしてしまう。
つまり、自分自身が経験を咀嚼し解釈できるだけの能力がなければ、せっかくの体験も素通りしてしまうだけ。
【4】一方、たくさんの知識をため込んでも、自分自身が経験できなければずっと空想のままであって、現実から浮世離れしてしまう期間もある。
たとえば、こんな経験をした。
一時期、中小企業診断士の試験勉強をしていた。
MBAみたいな内容だし、経営学、組織論、マーケティング、財務会計、ビジネス法務、知財、生産管理、店舗管理まで範囲が広くて面白かった。
しかし、二次試験は難しかった。
過去問の事例100件以上解きまくったけれど、模擬試験でも本番試験でも、自分の勘の当たり外れが大きかった。
マーケティング、生産管理、財務会計はA評価を取れた時があったから、それなりに手応えはあった。
しかし、組織戦略がすごく苦手だった。
自分なりの理論、自分なりの価値観を最後まで確立できず、こうかな、いや、あれかな、とずっと迷い続けた。
理由は、自分が実際に組織を動かす経験、つまり、自分が社長や役員レベル、部長レベルで戦略を元に組織を動かす経験がなかったからだと思う。
たとえば、経営戦略を元に機能を洗い出し、機能別に組織を構築するという感覚がなかった。
組織は思い通りに動かないから、自分からビジョンやミッションを発信して、メンバーを動機づけさせる必要がある感覚が分からなかった。
中小企業診断士の先生は、組織文化は社長が自らやるものだ、組織文化のために社長がもっと汗をかかなければならない、と発言された時があって、僕は実感できなかったが、たぶんそういう真理を指していたのだろうと思う。
つまり、MBAの知識をいくら勉強しても、実際のビジネスの現場で使えなければ、身の丈に合わない武器を持っているだけに過ぎない。
そして今、PMOとして製造業クライアントの案件に多数関わることになって、製造業が抱える本質的な問題として組織的課題があり、そこには組織論が隠れていることを知った。
【5】行動心理学もファシリテーションも食わず嫌いで正直好きでなかった。
でも、PMOとして、クライアントのメンバーが20代~30代で若くて僕が指導する立場に必然的になった時、コーチングやカウンセリングで彼らに目指すべき状態や目的を提示し、彼らを動機付けて、彼ら自身が行動できる環境を作る必要があると経験できた。
一方で、彼らメンバーの行動に問題があればネガティブフィードバックで改善を促し、ポジティブフィードバックすることで心の報酬を与えて彼らを動機づける必要もあることも学んだ。
そんなことも20年以上働いてようやく実感した。
【6】スキルは何で作られるのか?
机上の知識はそもそも必要なのか?
経験だけで作られるものなのか?
今なら僕は自分なりの意見で回答できる。
スキルは、知識と経験の相乗効果だ。
経験を言語化できなければ、再利用できず、本当の知恵にならない。
経験しなければ、蓄えた知識は机上の空論であり、現実を動かすこともできない。
事前に知識を習得して、後から経験して体内に深く染み込む時もある。
一方、経験した後に、他者との議論や書籍にて理論に触れることで、経験した時に感じたモヤモヤ感を言語化でき、より深く理解が進む時もある。
【7】最終的には自分なりの価値観に基づき、ビジネス上のあらゆる分野にて、自分なりの理論を構築する必要があると思う。
経験を言語化することで、自分自身の行動を再現できるようになる。
経験を言語化することで、他者に説明して説得できるようになる。
【8】そういう経験を積み重ねていくと、自分が経験を通じて得られた真理を、外界の人達に普及させなければならない、みたいな気持ちになるのだろうと思う。
エバンジェリストとはそんな人を指すのだろうと思う。
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