Redmine × AIがプロジェクト管理を変える:祝・Redmine20周年!RedmineJapan Vol.5の司会を全うして見えた「AI連携」と「製造業マネジメント」の未来 #RedmineJapan
RedmineJapan Vol.5の司会を全うした。
すごく楽しかった。
【参考】
Redmine Japan ≫ Redmine Japan Vol.5
REDMINE JAPAN vol.5 オフライン開催@ワテラスコモン - connpass
エッセンシャル スクラム: アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド
アーキテクトの教科書 価値を生むソフトウェアのアーキテクチャ構築
【1】Redmineコミュニティは、高校の部活、大学のサークル、文化祭に似ている。
皆でワイワイガヤガヤ一緒にやるのが楽しい。
何かの目標に向かって、若気の至りをフルに使って、好きなことをやるのがいい。
大の大人が30代、40代、50代になっても、高校大学のノリで騒げるのが好き。
OSSコミュニティだからこそ、そんな雰囲気を楽しめる。
【2】RedmineJapanの講演で興味を引いたテーマは2つある。
1つは、NTTドコモソリューションズ、東芝、島津製作所、パナソニックなどの大手企業のRedmine運用の話。
もう一つは、RedmineとAIの話。
【3】大手企業のRedmine運用では、ユーザ1千人以上がRedmineを使っている。
興味を引いたのは、Redmineがいかに社内で浸透して使われて成果を出している、とアピールするために、色んな定量データを準備している点だ。
正直、ユーザ数、チケット数の時系列推移だけでもいい。
大手企業の中でRedmine運用が成果を出しているとアピールしなくていはいけない理由は何か?
Redmine運用は所詮、管理コストなので利益はないから、コストセンターに過ぎない。
よって、Redmineが活発に使われて、社内では無くてはならないツールなのだ、と社内で、特に経営層に アピールしなくてはならない。
だから、色んな定量データを集めて、目に見える形にする必要がある。
今なら、ユーザCSV、チケットCSVを出力すれば、AIに食わせて、要約や傾向分析、洞察まで出してくれる。
そこから色んな知見が得られる。
ここにも、AIがRedmine運用に新たな知見をもたらした事例が出てくる。
【4】Redmineが最近盛り上がってきた理由は何なのか?
理由は、RedmineとAIの相性が良いからだ。
AIは、MDファイルのようなテキストをインプットとして扱う。
Redmineに蓄積されたチケット、WikiをCSV出力すれば、AIに食わせて、要約、傾向分析、洞察が簡単に得られる。
最近、Wiki一括ダウンロード機能がリリースされたが、その意図は、AIに食わせたいことにあるだろう。
日々の作業やナレッジをRedmineに蓄積する運用ができていれば、AIに食わせて色んな使い方が出てくる。
問合せチケットをCSV出力してAIに食わせれば、問合せの傾向分析で有用な結果が出るだろう。
障害チケットも同様だ。
全文検索プラグインにAIもミックスして、セマンティックサーチする講演もあった。
つまり、異音同義語のような表記揺れもAIが上手く吸収して、検索機能を強化してくれる。
すなわち、Redmineに蓄積されたデータをさらにフル活用して、有用な結果を得る機能を強化してくれる。
一方、Redmine AI Helperプラグインは、チケット入力補完や子チケット分割、表記揺れ対応などもサポートしてくれる。
他に、RedmineにMCPサーバ機能を追加して、Teamsと連携して、Teamsチャットからチケット作成する事例もあった。
RedmineにMCPサーバー機能が追加できれば、Teams、Outlook、GitHub、Slackなど外部リポジトリと連携して、更に強力にチケット入力やチケット検索を支援できるだろう。
ボウコバさんから聞いた話では、PCログなどもAIに食わせれば、PC作業者が1日でどんな作業をしたのか、その作業がどのチケットに紐づくのか、チケットの実績工数を支援する機能も可能だ、と話されていた。
つまり、Redmine実績工数入力をAIが支援してくれるわけだ。
たとえば、Redmine実績工数入力をAIが支援し、予定工数を入力できる運用ができれば、EVM出力も可能になる。
RedmineでEVM出力できれば、各PJの週次報告の定量データとして扱えるメリットがある。
PJ報告の文章は、RedmineチケットからAIが自動生成すればいい。
つまり、Redmine上でPJ報告を作成する管理工数をAIが減らしてくれる。
従来は、RedmineでEVM出力は可能だが、予定工数や実績工数の入力が大変で、手間がかかる割にはメリットが少なかった。
しかし、RemdineとAIを組み合わせれば、全てのプロジェクト管理をRedmine上で一括管理できるハードルが劇的に下がるはずだ。
RedmineとAIの組み合わせは、プロジェクト管理の手法に新たな可能性をたくさん引き出してくれる。
【5】他には、製造業のRedmine運用は、SIerのRedmineと異なる点があることだ。
SIerでは、1案件に基本は作業者が張り付き、兼務する場合は少ない。
兼務する作業者は、インフラ担当のように案件共通で基盤構築が必要な場合だけだ。
一方、製造業では、1担当者は複数案件を兼務し、1案件に薄い工数で張り付く。
なぜならば、製造業は機能別組織なので、1案件に多数の専門技術者が一定期間だけ関与する体制だからだ。
たとえば、製造業では、営業部門、R&D部門、設計部門、調達部門、製造部門、建設配置部門、品管部門のように、事業部組織よりも機能別組織が一般的だ。
よって、1案件の各工程で、専門の技術者が担当し、工程が分断された形で工程管理する。
1担当者は複数案件を兼務するので、事実上、製造業の組織はマトリクス型組織になる。
マトリクス型組織のデメリットは、2ボス体制になるので作業者のレポートラインが複雑になりがちなこと、部課長は要員計画を立てにくくなることだ。
作業者は案件のPM、自組織の上司の2人に報告する必要があるので、意思決定が食い違うと迷ってしまう。
また、部課長は、複数案件を自組織で責任を持つが、どの期間に誰を担当させるか、意思決定が難しい。
なぜならば、一般的に、PJ横串で毎月これくらいの予定工数が必要と集計されたデータは出てくるが、どうアサインすべきか、具体的に判断しづらいからだ。
つまり、製造業の工程管理では、単純な進捗管理だけではなく、工数管理もRedmineでやりたくなる。
製造業では、PL、BSだけでなく製造原価報告書も会計上必須なので、元々工数管理を厳格に管理する動機はある。
しかしそれだけではなく、要員管理、つまり負荷計画をきちんとやりたい動機もある。
Redmine標準の機能ではリソース管理は難しいが、LycheeRedmineならば、リソースマネジメントやタイムマネジメントの機能もあるので、予定・実績工数入力をきちんと運用できれば、生産性・稼働率も集計表示してくれるメリットがある。
ただし、LycheeRedmineの機能はかなり複雑にカスタマイズしているので、相当な調査が必要だろう。
製造業特有の工程管理や原価管理と、LycheeRedmineの操作や利用シーンを理解する必要があるので、かなり難易度の高いプロジェクトマネジメント技法になると思う。
【6】まあ、とにかく楽しかった。
昨日は、Redmine誕生20周年だったので、皆で20周年記念のケーキで祝ってを食べた。
すごく大きくて迫力のあるケーキだった。
また来年も開催してくれるので、すごく楽しみにしてる。
【7】現代チケット駆動開発の課題とマイクロマネジメントの罠を再定義する話をショートプレゼン20連発で話してきた。
| 固定リンク
« パランティアテクノロジーズの正体とはAI時代のSIerだ | トップページ | 製造業DXを支える工程管理とは?Redmineの大規模プロジェクト階層化における課題:プロジェクトツリーの設定継承と関連チケット制限の壁 »
「プロジェクトマネジメント」カテゴリの記事
- なぜCCPMは挫折する?経営者の理想と現場の挫折をLycheeRedmineが解決する #redmine(2026.06.30)
- 製造業DXを支える工程管理とは?Redmineの大規模プロジェクト階層化における課題:プロジェクトツリーの設定継承と関連チケット制限の壁(2026.06.27)
- Redmine × AIがプロジェクト管理を変える:祝・Redmine20周年!RedmineJapan Vol.5の司会を全うして見えた「AI連携」と「製造業マネジメント」の未来 #RedmineJapan(2026.06.27)
- プロセスには「学習のループ」が必要だ(2026.06.20)
- JTCの壁を壊す「Redmine参謀本部」という戦略~現場の職人気質を活かす組織論(2026.05.19)
「コミュニティ」カテゴリの記事
- Redmine × AIがプロジェクト管理を変える:祝・Redmine20周年!RedmineJapan Vol.5の司会を全うして見えた「AI連携」と「製造業マネジメント」の未来 #RedmineJapan(2026.06.27)
- プ譜でプロジェクトの目的を管理する(2026.01.31)
- 第22回 Redmine大阪の感想 #RedmineOsaka(2025.09.21)
- 「RedmineのUbuntu+Docker構築への移行」の感想 #redmineT(2024.11.24)
- 第27回redmine.tokyo勉強会の感想 #redmineT(2024.11.10)
「Redmine」カテゴリの記事
- Redmineのバージョンはなぜ使われないのか?(2026.07.08)
- なぜCCPMは挫折する?経営者の理想と現場の挫折をLycheeRedmineが解決する #redmine(2026.06.30)
- 製造業DXを支える工程管理とは?Redmineの大規模プロジェクト階層化における課題:プロジェクトツリーの設定継承と関連チケット制限の壁(2026.06.27)
- Redmine × AIがプロジェクト管理を変える:祝・Redmine20周年!RedmineJapan Vol.5の司会を全うして見えた「AI連携」と「製造業マネジメント」の未来 #RedmineJapan(2026.06.27)
- JTCの壁を壊す「Redmine参謀本部」という戦略~現場の職人気質を活かす組織論(2026.05.19)
「ソフトウェア工学」カテゴリの記事
- なぜCCPMは挫折する?経営者の理想と現場の挫折をLycheeRedmineが解決する #redmine(2026.06.30)
- 製造業DXを支える工程管理とは?Redmineの大規模プロジェクト階層化における課題:プロジェクトツリーの設定継承と関連チケット制限の壁(2026.06.27)
- Redmine × AIがプロジェクト管理を変える:祝・Redmine20周年!RedmineJapan Vol.5の司会を全うして見えた「AI連携」と「製造業マネジメント」の未来 #RedmineJapan(2026.06.27)
- プロセスには「学習のループ」が必要だ(2026.06.20)
- JTCの壁を壊す「Redmine参謀本部」という戦略~現場の職人気質を活かす組織論(2026.05.19)



コメント