映画・テレビ

2022/03/19

映画「ひまわり」は名作だった

映画「ひまわり」の感想をメモ。確かに名作だった。

ウクライナで撮影された名作映画『ひまわり』全国各地で拡大上映へ|ORICON NEWS|Web東奥

【1】映画を見たきっかけは、舛添さんのツイートで気になったことだった。

舛添要一さんはTwitterを使っています 「1942年夏、ヒトラーはスターリングラードを攻略。ムッソリーニはイタリア軍15万人を派遣。独軍敗北。イタリア軍もまた大敗北し、2万5千人が戦死し、7万人が捕虜になり、祖国に帰還できたのは1万人のみ。この悲劇が伊映画『ひまわり(I Girasoli)』(1970年)の物語だ(続く)。https://t.co/iSyBhp8NPH」 / Twitter

学生時代に既に見たが、イタリア人夫婦の悲恋の物語ぐらいのイメージで、あまり心に残ってなかった。
しかし、今見直すと、映画のシーンにはたくさんの意味が込められていることが分かって、すごく引き込まれた。

自分が理解できたことをメモしておく。

【2】映画「ひまわり」の舞台は今、ウクライナでの戦争地域そのものにある。

タイトルにあるひまわり畑は、ウクライナのヘルソン州にあると言われている。
ウクライナ大使館のHPによれば、そこは今、ロシアが侵攻して激戦地になっている場所のはず。

在ウクライナ日本国大使館:エピソード集(日本語)

平和であるはずのひまわりの畑が今、まさに激戦地になっていると思うと、やりきれない気持ちになる。
だからか、今、日本でも映画「ひまわり」が注目されて、各地で上映されているらしい。

News Up 「戦争とは何か」 ウクライナ侵攻で再注目の映画「ひまわり」 | ウクライナ情勢 | NHKニュース

【3】ひまわりには本当に数多くの意味が込められていることが分かった。

まず、美しく咲き乱れるひまわり畑の下には、捕虜となったイタリア兵やロシア兵の死体が数多く埋まっているらしい。
映画では影絵のようにそのシーンが現れる。
ひまわり畑には墓碑もあって、ご覧なさい ひまわりやどの木の下にも麦畑にもイタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています、ここから帰還したイタリア兵はいませんよ、と付添の者からも言われる。
つまり、あのきれいなひまわりは、戦争で亡くなった人たちを養分にして咲いている。
そして、そのひまわり畑でも、現に今同じような戦争が起きて、また死体が積み重なるのだろうと思うとやりきれない。

2つ目は、ひまわりは"あなただけを見つめる"という花言葉だそうだ。
「ひまわり」は女性を表していて、愛する夫(太陽)を追い続ける存在という比喩であるらしい。
つまり、ジョバンナは愛する夫アントニオの存在を異郷のロシアまで追い続けてきたというストーリーにもつながる。
しかし、ジョバンナがアントニオの居場所を見つけた時、彼は自分を凍死状態から救ってくれた若いロシア人女性と結婚して子供まで作っていた、という悲恋が待ち受けていた。

3つ目は、ひまわりはロシアの国花だそうだ。
日本なら桜に相当するだろうか。
このひまわり畑の上でロシアが戦争しているのを見ると、因縁みたいなものを感じる。

ひまわりとは関係ないが、ウクライナとロシアの戦場は、ドニエストル川やヴォルガ川付近だ。
この辺りの地域は、インドヨーロッパ語族の祖国に当たると言われている。
つまり、今の英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語などを話すヨーロッパ人は、この地域から移動してきた祖先の子孫に当たる。
そんな祖先の故郷で今まさに戦争が起きているのを見ると、欧米人の因縁、業の深さ、原罪みたいなものがあるのかなと想像してしまう。

【4】独ソ戦の過酷さを念頭に置いて映画を見直すと、あまりにもリアルに感じる。

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書) | 大木 毅によれば、第2次世界大戦の独ソ戦は、日本人の戦争体験よりも遥かに凄絶だ。
太平洋戦争で日本人約8000万人のうち戦死者は約400万人で5%だが、ソ連側は約1.8億人のうち戦死者約3000万人で約20%近く、ドイツ側は約7000万人のうち戦死者約800万人で10%以上が死んだ。
なぜなら、独ソ戦は通常の限定戦争ではなく、絶滅戦争の性格を持っていたために、相手側の領土を奪うだけでなく、そこに住む人を徹底的に根絶やしにするほどの凄絶な戦いだったからだ。
しかし、ロシアの過酷な冬で、ナポレオンのフランス軍も、そしてドイツ軍も破れた。

ジョバンナの夫アントニオは過酷なロシア戦線に送られるが、たぶん、スターリングラード攻防戦にも関わったのでないか。
スターリングラード攻防戦はドイツ軍とソ連軍の戦いと思っていたが、スターリングラード攻防戦 - Wikipediaを読むと、イタリア軍も含まれている。
この事実は僕も知らなかった。
舛添さんのツイートが正しいならば、イタリア兵15万人が送られて、戦死者2.5万人ものぼり、祖国に帰還できたものはわずか1万名だから、90%以上のイタリア人兵士は死んだか、行方不明になったことになる。
スターリングラード攻防戦は、ドイツ軍もソ連軍も合わせて死傷者200万人を越えるひどい戦場だった歴史をふりかえると、映画の舞台の過酷さが分かる。

実際、映画のワンシーンには、雪の中の丘に突然翻る赤旗と、ソ連軍の落下傘部隊、スキー部隊、雪上車部隊による戦闘シーンが影絵のように流れる。
画面いっぱいに翻る赤旗は、配送する枢軸国の兵士に対するソ連軍の圧倒的な勢いを表し、戦場に流された多くの兵士たちの血をイメージしているらしい。

映画のシーンには、深い雪の中で敗走を続けるイタリア兵士たちが疲れ切った姿で歩き続けていて、最後には、アントニオがもう歩けず雪上に倒れて友を見送る場面がある。とてもやりきれない。

【5】映画には伏線となるシーンがたくさんばら撒かれていて、最後にその意味が分かる。

ジョバンナが持っていた、夫の写真。
彼女はこの写真を片手に、異郷のロシアで夫を探す。
しかし、彼女が夫を見つけた時、夫には、彼を凍死状態から助けて介助してくれた女性と子供まで作っていたことを知って、列車に乗って逃げる。
そこに、彼女が落としていった夫の写真の裏には、愛するジョバンナへ、アントニオより、と書かれていた。
彼は、この写真を手に取り過去を思い出すことで、イタリアの母親の死に際に会いたいという理由でイタリアに戻り、ジョバンナに会おうとするアクションのきっかけになる。

映画のクライマックスのシーンでは、いくつかのアイテムが伏線として回収される。
その点が分かると、この映画がとてもロジカルに作られているのが分かる。

アントニオから新婚旅行で贈られたイヤリング。
ジョバンナは、アントニオが来ると電話で聞いて、十数年ぶりにそのイヤリングを付ける。
一度は会うのを拒んだのに、愛する夫にきれいに見せたい、あるいは、あなたが新婚旅行で贈ってくれたイヤリングを付けているのよ、と言いたい気持ちなのか。

ジョバンナは、自分の赤ん坊の息子の名前にアントニオを付けていた。
自分が愛した男の名前を付けていたわけだ。
ジョバンナがアントニオへの愛を忘れていなかったことを暗示している。

アントニオはジョバンナに毛皮をプレゼントした。
映画のプロットポイント1のシーンでは、アントニオがロシア戦線に向かうときに、「すぐに帰ってくる。毛皮を土産に」とジョバンナに言った場面がある。
彼は、十数年ぶりにその約束を果たしたわけだ。
彼はジョバンナを愛していたからこそ約束していたことを忘れていなかったことを暗示している。

【6】この映画では列車が重要な意味を持っている。
実際、印象的なシーンには必ず列車が使われている。

・戦地へ旅立つ夫アントニオを乗せた列車。
・帰還を信じて夫の写真を手に列車を待つジョバンナ。
・夫アントニオに妻と子がいる事を知り、ジョバンナが逃げるように飛び乗った列車。
・夫アントニオと再会しても、お互いに妻子がいて感情がすれ違い、永遠の別れとなる列車。

愛する男女の仲は、列車という自分たちの意思ではコントロールできないものによって、引き裂かれてしまう、という意味を暗示しているのだろうと思う。

プロローグやエンドロールで流れるクラシックなテーマ曲(名曲!)とともに、画面いっぱいに広がるひまわり畑の美しさが鮮やかで、また悲壮感が漂う。

この映画では一貫して主要な場面では、このクラシックなテーマ曲が流れる。
この曲のフレーズが映画のシーンに絡められて、人々の記憶に残るのだろう。

【7】映画「ひまわり」は名作と思う理由の一つは、喜怒哀楽のユーモアや緊張感が単調ではなく激しい起伏があって、感情を呼び起こすから。

プロローグでは、ジョバンナとアントニオが陽気なイタリア人らしく、キスしたりやたらベタベタする場面がある。
そして、アントニオの徴兵を回避したいために、ジョバンナとアントニオは、徴兵されるときに結婚したら、結婚休暇が12日間もらえることを理由に、彼らは結婚式をあげて、わずか12日間だけの夫婦で新婚生活を楽しむ。
卵30個以上のオムレツづくりとか、コミカルな場面が多い。

しかし、映画の中盤以降は、ロシア戦線の激戦地や過酷な冬のシーン、多数の死んだ兵士や農民が埋まっているひまわり畑、そして、夫を見つけたのに取り戻せないと知ったジョバンナの悲しみ、最後に、お互いに愛が残っていても感情がすれ違って永遠の別れを告げる場面、へ流れるように、一転して、辛く悲しい感情が押し寄せる。
つまり、アップテンポのシーンで上げておいて、後半では辛く悲しい場面を流すことで感情の起伏を故意に作っている。
実際、後半では、イタリア人の陽気さの雰囲気が全く出てこない点が、感情の落差をもたらし、人々の印象に残る仕掛けになっているのだろう。

【7-2】また、映画「ひまわり」は名作と思うもう一つの理由は、脚本の三幕構成で上手く作られていること。
一般に、三幕構成の理論では、序盤・中盤・終盤の3つで構成されるが、上映時間を4分割した時に、序盤は最初から1/4まで、中盤は1/4から3/4まで、そして終盤は3/4から最後までで時間配分されている。
序盤と中盤の境目はプロットポイント1という区切りの事件、中盤と終盤の境目にはプロットポイント2という区切りの事件が設定されて、三幕構成のストーリーの質が劇的に変わるように仕組まれている。
また、中盤の真ん中のシーンにはミッドポイントが置かれて、この映画が最高潮に印象付けられるシーンが配置される仕組みになっている。

映画「ひまわり」では、プロットポイント1は、夫アントニオがロシア戦線に向かう列車をジョバンナが見送るシーンになっている。
つまり、序盤は甘い新婚生活の流れだったが、ここでそれまでの流れは断ち切られて、中盤の重苦しい独ソ戦の悲劇、行方不明となったアントニオを探すストーリーへ映る。
実際、プロットポイント1は映画の上映時間の1/4辺りに置かれている。

ミッドポイントでは、ジョバンナがロシアでマーシャの家を見つけてその経緯を知り、アントニオと再開できるが、妻子がいることを知って、ジョバンナが列車に逃げ込むシーン。
このシーンはこの映画で一番感動的なシーンとして、Youtubeでもたくさん流れている。

最後にプロットポイント2は、アントニオがイタリアに戻って、ジョバンナと再開するために会いに行くシーン。
ここから、2人の関係は、お互いに愛が残っていても、お互いに家族がいることが分かり、最後に、夫がロシア戦線へ出征する時に見送った時と同じ駅で、妻が夫を見送るラストシーンへつながる。
つまり、最後の感動的なラストシーンというクライマックスへつながる事件として、ジョバンナに会うためにイタリアへ行くきっかけの事件がプロットポイント2で設定されている。

すなわち、プロットポイント1・2、ミッドポイントというシーンを三幕構成に合わせて配置することで、映画のストーリーがコンポーネントのように上手く組み立てられていて、感情の起伏もそれに合わせるように人々の感情に働きかけるように作られているわけだ。
こういうロジカルな構成が名作と言われるどの映画でも構成されていると分かると、映画を見るのがより楽しくなってくる。

【8】映画「ひまわり」は1970年公開とあって、映像自体は今よりも遥かに素朴で洗練されていない。
しかし、各場面のシーンを後から見直すと、ここに以前使った伏線が使われているのか、とか、映画のストーリーがロジカルに作られているのが分かる。
すべてのシーンが映画の主テーマである男女の愛を戦争が引き裂いた悲劇のストーリーに沿っている。
たぶん、映画を作った監督も、ロジカルに組み立てる意思を強く持って、ストーリーとシーンを作り込んだのだろうと思う。


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2022/01/23

「ハリウッドリライティングバイブル」のマインドマップ

脚本術の本の一つ「ハリウッドリライティングバイブル」を読んだ。
映画や小説はどんな構造(ストラクチャー)とストーリー(感情を揺さぶる物語)を持つべきなのか、とても理解ができた気がした。
その時のマインドマップを後で自分が読むためにアップしておく。

物語を構成する要素はプロットである: プログラマの思索

なぜユーザーストーリーによる要件定義にピンとこなかったのか: プログラマの思索

小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart1: プログラマの思索

小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart2: プログラマの思索

「ストーリーマッピングをはじめよう」本の感想~ストーリーによる企画や要件定義はSaaSと相性がいい: プログラマの思索

【1】どうやら、直近5年間に脚本術の有名な本がどんどん翻訳されているらしい。
理由は知らないがニーズはあるのかな?

ゲームシナリオにハリウッド脚本術は使えるのか?おすすめ本の紹介とともに|卍凸凹|note

(引用開始)
ここ数年、ハリウッドの脚本術の本が色々と出版されています。
ハリウッドで定評のある本は、どれも非常に論理的にわかりやすく説明しており、シナリオを書く人にとっては何かしらの発見がある読み物かと思います。
(引用終了)

僕も、下記の本を読み上げた。
2000年代以前の映画をたくさん見た人にとっては、脚本術の本に載っている映画のストーリーやシーンが分かるから、より一層楽しめると思う。
映画は視覚の芸術だからこそ、小説とは違って、より緻密に構造化されていて、そのおかげで量産化できるようになってビジネスになり、大金をもたらす。
小説家や脚本家になりたい人だけでなく、ロールプレイングゲームを作りたい人にとっても、役立つ本だと思う。

SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術 | ブレイク・スナイダー, 菊池淳子

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術 | シド・フィールド, 安藤 紘平, 加藤 正人

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2 | シド・フィールド, 安藤紘平, 加藤正人, 小林美也子, 菊池淳子

最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術3 | シド・フィールド, 安藤紘平, 小林美也子, 加藤正人

ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則 | ロバート・マッキー, 堺三保, 越前敏弥

【2】脚本術の本に興味を持っている理由は、アジャイル開発におけるストーリーによる要件定義手法を理解したいためだ。

ユーザーストーリー、ユーザーストーリーマッピング、ストーリーマッピングなど、似たような言葉が沢山出てくる。
また、カスタマージャーニーやデザイン思考の背後にも、ストーリーという概念が背後にあるように思える。

たぶん、欧米人が語る「ストーリー」という言葉は日本人が持つ言葉のイメージと違うと直感している。
単に物語という意味ではない。
起承転結という仕組みよりも、アリストテレスによる悲劇の分析で三幕構成が提唱されてからずっと、たぶん彼らは舞台劇や小説を理論化してきていると思う。

実際、「ハリウッドリライティングバイブル」「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」「素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2」を読んでみると、映画のワンシーンという一つのプロットに小さなストーリーを埋め込み、全体の構成の配置、構造化に数多くの原則を彼らは見出している。
欧米人は、脚本術のおかげでプレゼン能力がすごく高いのではないか。

実際、単純な因果関係で説明されても人の心には響かない。
でも、感情を揺さぶる物語形式がバックボーンに埋め込まれていると、堅苦しいプレゼンを聞いているはずなのに、感情を揺さぶられて聞き入ってしまう、そういう感じがする。

アジャイル開発でも、システムの要件定義というIT技術の言葉が氾濫して難しい現場において、システムの詳細を知らないユーザが理解できるように、脚本術でストーリーを持ち込んで、一連のストーリーとして理解できるようにしたように思える。

今後の僕のテーマの一つは、欧米人が理論化した脚本術を、astahを使って、概念モデルやプロセスの構造に落とし込んで理解したいことだ。


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2021/12/01

物語を構成する要素はプロットである

最近のアジャイル開発では、企画フェーズや要件定義フェーズでユーザーストーリーを使った手法が多い。
この風潮に僕はまだ腑に落ちていない。
たぶんその理由は、ストーリーや物語の構造を欧米人の文脈で理解できていないからでは、と思っている。
たまたま、良いツイートのまとめを見つけたのでリンクしておく。

その中で、ストーリーとプロットは相異なることも理解した。
理解したことをラフなメモ。
特に結論なし。

【参考1】
ストーリー第1回目 三幕構成とはなにかな? - Togetter

ストーリー第2回目 第一幕 状況設定ってなんだ、キャラクター設定どうしたらできんの? - Togetter

ストーリー第3回目 第一幕 “欲しいもの”は二段階で考える?“欲しいもの”と“欲しいもの”の衝突が葛藤を生む。 - Togetter

ストーリー第4回目 セントラル・クエスチョンを意識してみよう - Togetter

ストーリー第5回目 群像劇でも主人公を立てよう その時に注意しなければならないことは? - Togetter

ストーリー第6回目 ダイヤモンドの各塁はどのような役割を果たしているのか ターニングポイントについて - Togetter

ストーリー第7回目 メインプロットとサブプロットの構造を理解しよう - Togetter

ストーリー第8回目  共感か驚異か - Togetter

ストーリー第9回目 シナリオライティングの参考書は何を読むべきか? - Togetter

ストーリー第10回目 2幕目をぐいぐい動かすための小技を紹介するよ! - Togetter

プロットの書き方 前編 - Togetter

プロットの書き方 後編 - Togetter

【参考2】
なぜユーザーストーリーによる要件定義にピンとこなかったのか: プログラマの思索

小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart1: プログラマの思索

小説分析ツールyWriterの機能を元にストーリーの構造や考え方を解説するpart2: プログラマの思索

「ストーリーマッピングをはじめよう」本の感想~ストーリーによる企画や要件定義はSaaSと相性がいい: プログラマの思索

【1】「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」「アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」「ストラクチャーから書く小説再入門 個性は「型」にはめればより生きる」を読むと、「ストーリー」という言葉はあまり使われず、「プロット」と言う言葉をよく使う。
ストーリーは出来事を単に時系列で並べたもの。
プロットは出来事の原因と結果を抜き出したもの。
プロットは因果関係である。

プロット (物語) - Wikipedia

【2】プロットには、数多くの種類がある。
メインプロットは“事件”である。
メインプロットは主人公が辿るべき話の流れであり、ストーリーラインである。
メインプロットは大抵の場合、主人公の葛藤、それを乗り越えた成長や旅を表す。

【3】サブプロットは、メインの物語とは違うもう一つのテーマを語るパート。
サブプロットは、“心”についてのプロットだと考えればいい。
つまり、サブプロットは主人公の心理描写。
実際は、ラブストーリーがサブプロットによく当てはまる。

メインプロットがA面なら、サブプロットはB面、裏面のストーリーとなり、物語をより複雑に奥深く見せてくれる。
インプロットとサブプロットが互いに影響し合うことで、ストーリーは非常に多くのバリエーションを持つことになり、その展開は観客の予想を超えたものとなるわけだ。

【4】プロットポイントは、三幕構成内の幕と幕を繋ぐイベント。
具体的には、1幕と2幕の切れ目、2幕と3幕の切れ目にあたるイベント。
プロットポイントは、ターニングポイントとも呼ばれる。
つまり、ターニングポイントは主人公に行動を起こさせ、物語の方向を転換させる出来事になる。

第一幕の終わりには、第一ターニングポイントがあり、ここでガラっと舞台が変わる。
第二幕の終わりには、第二ターニングポイントがあり、ミッドポイント(第二幕の真ん中)で結末に向かう方向性を見出した主人公が、さらに結末へと向かうことになる出来事になる。

【5】こういう脚本術の本を読んでいると、映画や小説を欧米人は徹底的に構造化して組み立てているんだな、と思う。
臭いストーリーだなと思いながらも、なぜかハマってしまう。
たぶんその理由は、人間の原始的動機を揺り起こすように上手く構造化して緻密に作られているのに、その原始的動機を上手く隠し通しているのではないか、と思ったりする。

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2007/02/22

県庁の星

 随分前に「県庁の星」を借りて見た。

 織田裕二と言えば「踊る大走査線」が有名だよな。
 「事件は会議で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」の台詞が有名だけれど、この映画も似たような路線。
 でも、こちらの方が楽しめた。
 柴崎コウセカチューでも出てたことをようやく知りました。。

 ラストシーンはハリウッドぽくエンターテイメントで終わる。

 エリート公務員の織田裕二が三流スーパーにやって来て、若い女性パートの柴崎コウにしごかれる。
 そのシーンがステレオタイプすぎて面白い。

 しかし、織田裕二が作ったプランを実際に実行してみると、三流スーパーの業務改革にすんなりはまる。
 彼が倉庫を観察して、余った棚で在庫品を整理したり、床に在庫を運ぶための経路をガムテープで張ったりする。
 そんな彼を叱咤する柴崎コウが頼もしい。

 とまあ映画では面白おかしく進むのだが、彼が実行しようとしたプロセスが、まず在庫整理というのが興味深かった。
 
 小売業のプロセスの基本は下記の繰り返し。

販売計画→売上実績→在庫調整

 これはいわゆる「PDS」(Plan→Do→See 計画→統制→実績)に相当する。

 映画の三流スーパーでは在庫をコントロールできていないだけでなく、在庫数を自分たちも把握できていない。
 では、どこから改革したらいいのか?

 TOCのMLのコンサルの話によると、こうなる。

こういう状況では「実績と現状が不一致」になっている。
だから、次のやり方で進めていく。

1・まず実績に現場の数字を入れて、実績を実態に合わせる。
2・次に、調達計画や販売計画も自分たちが決めて数字を入れる。
(これらのやり方を「システムを空回りさせて足で稼いだ実績データを使う」という風に言っている)

3・そして、DBRを使ってローカルな統制を行い、計画や実績のデータの正確性を高めていく。

4・ここで、バッファー=時間的余裕を使って、ローカルな最適化を全体最適へ持っていく。
 つまり、最初はバッファ(ゆとり)は大きく取るけれども、データの精度が高まるにつれて、バッファを小さくしていく。
 揺らぎが小さくなれば、システムはスムーズに流れるようになる、と。

 実際、この映画でも、三流スーパーの在庫整理から始まり、調達計画から抜き打ち検査のマニュアル作りという計画まで作っていく。
 といっても、映画なので、TOCのバッファ管理やDBRに似たような場面はなく、従業員の信頼を織田裕二が勝ち取っていくという場面になっていますが。。
 
 ま、笑える映画でした。

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2007/02/16

春の雪

 「春の雪」を見た。

 内容は、、単純なストーリー。
 原作は三島由紀夫だが、映画は中途半端に終わっている印象もある。

 竹内結子は綺麗だ。
 宇多田ヒカルの「Be My Last」(私の最後であって)もシンプルで綺麗。
 映像も綺麗。
 但し、お昼の主婦のメロドラマに近い雰囲気なのかも。。

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2005/11/13

いま、会いにゆきます

 昨夜、友人と酒を飲みながら「いま、会いにゆきます」のDVDを鑑賞した。

実は初めて見ましたが、とても綺麗な映画だった。
亡くなった奥さんが戻ってきて、「いってらっしゃい」「おかえり」と言われたら、男ならジーンと来て泣くだろうねえ。
澪がいなくなった後のシーンが良かった。
タイトルの意味がようやく分かった(^^)

竹内結子ってこんなに綺麗な女優さんとは思わなかった。。
竹内結子がこの映画で共演した男優と出来ちゃった結婚したのも何となく頷ける。

今思うと、昨年は映画の当たり年だったのかも。

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2004/07/19

「地球大進化」は凄い!

 7/17放映NHK番組「地球大進化・大量絶滅」を見た。
 凄い!! 面白い!!

 時は恐竜時代のはるか昔の2億5千万年前。哺乳類型爬虫類が地球を支配していた。ところが、95%もの動植物が突然絶滅してしまう。その原因は長い間謎だったが、ついに解明された!

 昨年(?)、西シベリアの石油採掘で地底に大量の溶岩層が発見された。その広さは中央シベリアまで達するという。科学者は、年代とその規模から類推して、地球史上最大の大噴火を起こした痕跡だと突き止めた!
 大噴火後、地球の酸素濃度は30%から10数%へ激減し、生き残った生物達は更なる生存競争に陥れられた。その後の進化の歴史では、低酸素でも生き抜けるように気嚢システムを持った爬虫類とその子孫である恐竜が大繁栄した。哺乳類は、横隔膜を発達させて肺機能を進化させたが、恐竜の蔭に追いやられた。
 その恐竜も大隕石によって滅び、ようやく哺乳類が地球を制覇した。

 生物の大量絶滅は、恐竜を絶滅させた大隕石だけではなく、地球の内部から来る大噴火でも起きたという事実(?)が凄く衝撃的だった。
 ストーリーが「The After Day」「インディペンデンスデイ」「ディープインパクト」「アルマゲドン」等のパニック映画を思い出させる。
 この学説が正しいならば、来年はパニック映画が流行するのではないだろうか(^_^)


史上最大級の火山噴火が起きた!

 昔、中学生の頃にNHK番組「地球大紀行」があって、地球の歴史をその当時最新の特撮CGで再現して衝撃を受けた記憶がある。恐竜を絶滅させた原因は大隕石だった、とか、生物は火山の傍にいる原始的な微生物から誕生したのではないか、等の説明がすごくインパクトがあって、中学生の僕はワクワクさせられた。
 15年ぶりに「地球大進化」を見て、昔の興奮を思い出したよ(^^)

 NHKのHPを見たら、「地球は2回、全凍結した時がある」等、びっくり仰天の学説まで披露している。思わず、本当なのか、と疑ってしまうけれど。


海も陸も全てが凍りついたとされる地球(スノーボール)

 月1回しか放映しないが、要チェック!

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2004/07/05

ショーシャンクの空に2

 後輩H君と焼肉+缶ビールを飲みながら「ショーシャンクの空に」を再鑑賞。
 彼は、アンディがフィガロの結婚を刑務所全てに流す場面を絶賛した。最終的に人の心には音楽が残る、というシーンを象徴的に表していることが理由らしい。
 ミュージシャンを目指していた人ならば誰でも、この映画をBest3に入れるかもしれない。

 えがぴーさんがこの映画を好きな映画の一つに入れていたのも僕が鑑賞したもう一つの理由。
 彼もミュージシャンのセンスを持っていそうなので、ミュージシャンにとって普遍的な感触を持つ映画なのかもしれない。

 映画鑑賞はアルコールを飲みながら、親友と一緒に見るのが一番楽しい気がする。理由は感動が2倍になるから。しかし、2人で9本も缶ビール・缶チューハイを開けたので、明日仕事する気にならない(m_m)

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2004/07/03

ショーシャンクの空に

「ショーシャンクの空に」をパソコンで作業しながら見ていたけど、途中で見入ってしまった。
 DVDタイトルの歓喜のシーンが映画の最大の山場。何となくプラトーンのシーンを思い出した。
 缶ビールを飲みながら見ていたから、普段よりも興奮しやすかったかも。
 後輩H君から、映画に恋愛は要らない、と議論したのが見たきっかけなのだが、その意見にも納得。

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