経営・法律・ビジネス

2021/10/10

Slack導入がDXに繋がる話

Slack導入がDXに繋がるツイートがあったのでメモ。

【参考】
創業135年のカクイチがSlackを導入したら課長職が不要になった話:日経ビジネス電子版

石倉秀明 | Mr.リモートワークさんはTwitterを使っています 「いやー、これですな > Slackの導入で経営陣の情報がじかに社員隅々まで伝わるため、情報を伝達するだけだった立場に優位性がなくなってしまった 情報格差を作ることで権力を保持してたタイプの管理職からすると、チャットコミュニケーションは脅威なのかもね https://t.co/hfLTAIQTMA」 / Twitter

えとみほさんはTwitterを使っています 「この記事、とてもリアルで良かった。  「カルチャーの変革とデジタルは一緒に取り組んだほうがいい」 ほんこれです。DXというのは、上部だけ便利にすることではなく、働く人のマインドやカルチャーを変えること。」 / Twitter

経営陣の意見が末端社員までリアルに届く環境になると、単なる伝書鳩の中間管理職はいらなくなる。
DXとは、コミュニケーションルートを変革することで組織構造だけでなく組織文化まで変えてしまうこと。

つまり、課長という役職がなくなることで組織構造が劇的に変わり、その結果、社員の行動を規制する価値観が変わって、社員の行動そのものが以前から変化してしまうこと。

「DXとは組織論である」とは、たぶん、そういうことを意味しているのだろうと思う。

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2021/10/04

民主主義の呪い

「民主主義の呪い」という言葉を見かけたのでメモ。

【参考】
RIETI - 民主主義の呪い:2020年の教訓

橘 玲さんはTwitterを使っています 「8/18日経「経済教室」成田悠輔エール大助教授「(民主主義の)優位性後退、崩壊の瀬戸際に」経済成長率でもコロナ対策でも、非民主陣営が成功し、欧米など民主国家は失敗しているという話題の論文の紹介。20世紀は先進民主国家が優位だったが、21世になって「民主主義の呪い」をかけられた。 https://t.co/s541sfnGl2」 / Twitter

橘 玲さんはTwitterを使っています 「テクノロジーと感染症の共通点は「常人の直感を超えた速度と規模で反応が爆発すること」。「超人的な速さと大きさで解決すべき課題が爆発する世界では、常人の日常感覚(=世論)に配慮しなければならない民主主義は科学独裁・知的専制に敗北するのかもしれない」。」 / Twitter

橘 玲さんはTwitterを使っています 「残された道は「民主主義を守るための闘争」か「民主主義からの逃走」だとして、ピーター・ティールの海上自治都市計画が紹介されています。「上級国民」が自分たちだけの国家をつくるとしたら、こんな感じかも。https://t.co/KVn9IpykvR」 / Twitter

Aki TonamiさんはTwitterを使っています 「『経済教室』の連載とても読み応えがあった。(上)で民主主義はもうだめだ、として、(中)でいやそんなことはない、(下)で民主主義を良しとした上でその質を問う形。執筆者は全員80年代生まれの若手研究者で、米国の大学で博士号を取得した後、各国の研究機関と共同研究を精力的に行っている方々」 / Twitter

民主主義の未来(上) 優位性後退、崩壊の瀬戸際に: 日本経済新聞

民主主義の未来(中) 「権威主義の優位」 前提疑え: 日本経済新聞

民主主義の未来(下) 男女均衡参加、再生への鍵: 日本経済新聞

コロナ対応では、民主主義国と独裁国家の違いを見せつけられた。
根本問題は、全国民の安全を国家が守るには、個人の権利を制限する必要があるが、民主主義政府はそれを実行できるのか?ということ。
文字通り、ロックダウンで個人の自由な移動や自由な商売を制限し、ワクチン接種を強制的に実施できるのか?

つまり「政府行政のIT化の根本問題は、個人のプライバシーとどのように折り合いをつけるべきなのか」。
日本政府がデジタル庁でやろうとしている問題でも同じだと思う。
この問題をどのレベルで解決すれば良いのか、今もみんな苦慮している。

プログラマとスクラムが社会実装を変えていく #Findy_GovTech: プログラマの思索

デジタル庁が解くべき課題とITエンジニアの役割の勉強会の感想~CTOの役割とは何ですか?: プログラマの思索

DXとは組織論である: プログラマの思索


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2021/09/12

コロナ後は大転職時代が始まるらしい

コロナ後は大転職時代が始まるという記事を見つけたのでメモ。
とりとめもないラフなメモ。

【参考】
さめさんはTwitterを使っています 「中島聡さんのメルマガより ほんまこれだと思うわ https://t.co/tjXXuNtGTe」 / Twitter

大量(自主)退職時代の到来?The Great Resignation?(1)|後藤 宗明(Virbela 日本代表 / 一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事)|note

The 'Great Resignation' Is Really the 'Great Discontent'

2020~2021年は、世界大恐慌、第2次世界対戦、冷戦終結に匹敵するぐらいの時代の変化らしい。
世界恐慌はThe Great Depression。
2008年の金融危機(リーマンショック)はThe Great Recession。
2020年の新型コロナウイルスに対する大規模な都市封鎖による景気後退は、The Great Lockdown。
そして今はThe Great Resignationという大量(自主)退職時代らしい。

中島聡さんのメルマガを少し読んだりして理解した内容ではこんな感じ。
新型コロナウイルス予防に対する大規模な都市封鎖による景気後退に対し、米国政府は全国民に一律に膨大な失業手当を割と長期間供与した。
この間、米国民は自宅に閉じこもり、在宅勤務に強制されたが、その分、家族との時間も増えて、失業しても失業手当が出ているので、事実上のベーシックインカムを与えられた状況になった。
すると、今のように、失業手当というベーシックインカムが与えられて在宅勤務で十分やっていける状況では、もはや大都会で通勤したり、育児をアウトソースする必要もなくなる。
つまり、自主的に退職して、人生を謳歌する人もいれば、家族の生活を重視したり、自分が本来やりたいことに注力する生き方も生まれてくる。

2000年代前半にダニエル・ピンクが「フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方」という著書を出版されて、それが今は現実になった。
そして今は、大退職時代により、人々は無理に働く必要もなくなるわけだ。
こういう状況がずっと続くとは思えないが、元の生活に戻ることは完全にはないだろう。

こういう記事を読んで疑問に思うのは、こういうベーシックインカムのような状況では、人はどのような行動を取り、生活様式になるのか?
本当に人は幸せになるのだろうか?

世の中の大半の人は、自分がやりたいことを仕事にするのではなく、家族のため、生活のために仕事して給与を得て生きているのが普通だ。
そんな大半の人達が、こういうベーシックインカムの世界に放り込まれると、幸せになれるのだろうか?

この疑問に対して思考実験した記事は下記がある。

ベーシックインカムの世界 - Chikirinの日記

僕の理解では、人はより露骨に欲望通りに行動するようになる。
生活の不安がないから、結婚生活に不満があればすぐに離婚できるようになる。
働く必要がないから、朝から酒を飲んで競馬をやってゲームをしても生きていける。

もう一つ参考になるのは、過去にベーシックインカムがあった時代があれば参考にできること。
実は「現代経済学の直観的方法」では、古代ローマ帝国のローマ市民がそれに当たるという。
実際、彼らローマ市民は帝国内の属領、奴隷から得られた生産物を消費するだけであり、それはパンとサーカスで与えられて、生産活動に従事する必要はなかった。
では、彼らは幸せだったのか?

世界史講義録の中では、こんな一節がある。

世界史講義録・ローマの文化

奴隷のような一人の人間もストア派のように心の平安を保とうとしていた。
一方、ローマ皇帝のような権力者も、奴隷のエピクテトスと同じストア派の人もいて、精神の平安を一所懸命求めている。

(引用開始)
ローマの貴族達は贅沢三昧で吐いては食べ、産んでは捨て、と滅茶苦茶ですが、そんな生活をしながらも心の奥底ではヒュ~っとすきま風が吹いていたんではないか。
贅沢で精神の平安は得られない。
皇帝がストア派哲学者であるということは、まさしく彼らの心を象徴している気がしてなりません。

奴隷も皇帝も心が求めているところは案外近いところにある。
単純に「心の平安」といっておきましょう。
ちょっと先走りしていうと、これを哲学ではなく宗教という形でローマ人に与えたのがキリスト教だったのではないか。だから、あっという間にキリスト教がローマ帝国に広まったと私は考えています。
(引用終了)

つまり、ベーシックインカムの古代ローマ市民は最後は心の平安を求めた結果、キリスト教の救済を受け入れて、次の時代へ進むことができた、と。

そんな過去の歴史を考えると、お金や生活費という不安がなくなったとしても、人は不安定な存在であり、何らかの倫理や哲学がなければその精神を正常に保てないのだろう、と思う。
それが宗教かもしれないし、別の価値観なのかもしれない。

一方、実力も運のうち 能力主義は正義か? | マイケル・サンデル絶望死のアメリカや、無理ゲー社会上級国民/下級国民のように、能力があり評判も良く自分らしく生きていける上級国民と、能力がないと比較され評判もなく自尊心を傷つけられた下級国民に分断された時代になるという話もある。

結局、人は関係性の中で生きているので、他人に囲まれている中で自分の心の平安を保つのは非常に難しいのだろうと思う。

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2021/08/01

CISOは経営がわかる情報セキュリティ最高責任者である

CISOハンドブック ――業務執行のための情報セキュリティ実践ガイドを読んで、CISOは経営がわかる情報セキュリティ最高責任者であると知った。
ラフなメモ。

CISOハンドブック ――業務執行のための情報セキュリティ実践ガイドは、セキュリティの本というよりも、IT技術者が経営層になった時、こういうふうに考えたり行動していくべきで、こういう考え方を持つべき、という点が参考になった。
既存の経営陣に情報セキュリティの重要性を認識してもらうよりも、IT技術者自身が経営の知識を持つ方が手っ取り早いし、その方が実際はうまくいくと思う。

リスク管理は、予想される潜在リスクへの対策だけでなく、想定よりも状況がうまく行った時に備える場合もある。
たとえば、ベンチャー企業が社員20名から200名へ急激に成長した時、事業拡大の速度が速い分、いろいろな歪が出てくる。
上手く行っていたチームも、業務量が増えてメンバーが増えると、チームが回らなくなる。
ソフトウェア開発では人員増はうまくいかないという先入観がありすぎて、人員増を極力抑えるのは失敗しやすい。

事業が予測よりもうまくいくと、問題が少しずつ表面化する。
そこで、こんな対策がある。
業務をアウトソースして、固定費(人件費)費を変動費化する。
商流を変えて、固定費(人件費)を販管費にする。
業務をシステム化して効率化することで、固定費(人件費)を抑制する。

組織的には、事業や業務の観点で組織構造を変えて、チームを分けたり増やしたりする。
チームリーダーを社内で育成する。
それでも不足するなら、リーダーを外部から採用する。

つまり、良い状況に変わることも一つのリスクとみなして、リスク対策は考えるべき。

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2021/07/18

規模の経済から個人の能力重視へビジネスモデルが変化している

製造業からソフトウェアのビジネスモデル変換の鍵に、規模の経済から個人の能力重視の観点があるツイートを見つけて、なるほどと思った。

akipiiさんはTwitterを使っています 「すごく参考になる。規模の経済から個人の能力重視への変化」 / Twitter

r.ishibashiさんはTwitterを使っています 「この例えは良いな。 https://t.co/xLQjAuij1m https://t.co/17u8ZF9jgM」 / Twitter

(引用開始)
"シスコはスキルがスケール(規模)に勝った唯一の例だと考えていたが、そうではないのだ、と。シスコがうまく活かしているのは、一企業、一産業の枠を超えた大きなうねりなのである。  従来コンピュータや通信機器の分野で成功するには、数十億ドル規模の大型プロジェクトで大量のエンジニアをとりまとめ、さらに大量の労働者を管理して複雑な電子機器を製造することが必要だった。それをやれる能力が備わっていたから、 IBMや AT& Tは繁栄し、日本は技術集約型の成功を収めることができたのである。だが一九九六年の時点では、成功のカギを握るのはソフトウェアになっていた。そしてソフトウェアなら、大企業でなくても、頭の良い連中が何人かそろえば書き上げることができる。規模の経済から個人のスキルへ──これが、大きな変化のうねりだった。戦争の主流が、正規軍の衝突からゲリラ戦に移ったようなものである。"
― from "良い戦略、悪い戦略 (日本経済新聞出版)"
(引用終了)

以前読んだ記事で、スクラムは組織の仕組みで駆動するのではなく、メンバー個人の能力を重視して、個人のパフォーマンスで駆動しようとする内容を思い出した。

アジャイル開発とウォーターフォール型開発の違いについて再考: プログラマの思索

アジャイルとウォーターフォールは文化や価値観のレベルで異なるという話 - たなかこういちの開発ノート

ソフトウェアビジネスが主流になる以前は、設備やリソースなどの資本を集約することで、規模の経済を実現し、コスト削減メリットを活用するのが戦略の基本だった。
一方、ソフトウェアビジネスでは、人月の経験則の通り、プロジェクトメンバーが増えるほど生産性は限界逓減する。
つまり、少ない優秀なメンバーでソフトウェア開発をやり抜く方が生産性が圧倒的に高い。
そのやり方を実現した方法の一つがアジャイル開発であり、スクラムである、と捉えた方が、より真実に近づける気がする。

ブルーカラー労働者主体、事務処理主体のホワイトカラー主体の社会では、設備や人員を大量にかき集めて規模の経済で圧倒する戦略がビジネスモデルの基本だった。
一方、専門技術職のホワイトカラー主体の社会では、メンバー個人の能力をいかに活用できるか、が鍵を握るし、そのための労働環境づくりが大事になってくる、というストーリー。

規模の経済については以前、色々考えていた。
今でも事業を発展させていくと、必ず規模の経済に即した経営戦略を取らざるを得なくなるが、一方でソフトウェアビジネスを生業にする場合は、スクラムのような個のスキルで駆動する開発スタイルを取り入れるべきという考え方も持っておきたい。

ビジネスの基本戦略には規模の経済があるのではないか: プログラマの思索

規模の経済と経験曲線効果のメモ: プログラマの思索

ソフトウェアの複雑性は本質的な性質であって偶有的なものではない: プログラマの思索

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2021/07/04

マッキンゼーの報告書「2030 日本デジタル改革」が手厳しい


マッキンゼーの報告書「2030 日本デジタル改革」が手厳しいと感じたのでラフなメモ。
【参考】
2030年に向けた日本のデジタル改革 | McKinsey
ホームページ | Digital Japan 2030
2030 日本デジタル改革~デジタル競争力と生産性を向上させるための大胆な一手
ソフトウェアの政治的影響力とは何だろうか: プログラマの思索
みんなのPython勉強会#65の感想~社会変革の鍵はIT技術者にあるのかもしれない: プログラマの思索
デジタル庁が解くべき課題とITエンジニアの役割の勉強会の感想~CTOの役割とは何ですか?: プログラマの思索
プログラマとスクラムが社会実装を変えていく #Findy_GovTech: プログラマの思索
デジタル庁が解くべき課題とITエンジニアの役割の勉強会の感想~CTOの役割とは何ですか?: プログラマの思索
【1】2030 日本デジタル改革~デジタル競争力と生産性を向上させるための大胆な一手によれば、日本と世界の対比は下記になる。
日本 → 世界
デジタル競争力 27位 → 米国:1位
デジタル人材割合 1% → 米国:3%
ソフトウェア関連プログラムを開講する大学の数 29 → 米国 117
行政: デジタル行政アプリを使用する市民の割合 7.5% → エストニア:99%
スマートシティランキング - IMD 79位 (東京) → シンガポール:1位
モバイルバンキング浸透度 6.9% → 中国35.2%
ITコストに占めるクラウド割合 3% → 米国10%
時価総額のスタートアップ割合 1% → 米国31%
ユニコーンの数5社 → 米国320社
(引用開始)
日本にとってデジタル化はもはや選択肢ではなく、必須である。最新の動向を見ると、日本のデジタル競争力が低下しているため、日本が世界第三位の経済的地位を維持することは不可能になるだろう。
2020年のIMD 世界デジタル競争力指数によると、日本の世界ランクは27位で、2015年と比べて4つ順位を落としている( 図表2)。
アジア経済において、日本のデジタル競争力は、シンガポール、香港、韓国、台湾、中国、マレーシアに次いで7位にランク付けされている。
他の国々は、デジタル化をいち早く推進するために懸命に取り組んできた。
香港はここ5年間で14位から5位に、韓国は18位から8位に、中国は33位から16位に、それぞれ世界ランキングを上昇させている。
(引用終了)
日本でもITを強化すべきだ、という議論は20年以上前からずっと言われてきた。
しかし、なぜ世界と比較すると、日本の地位は低いのだろうか?
ITコミュニティに参加している限り、日本のIT技術者も危機感を感じているし、実際に色々行動している人も多い。
ソフトウェアに関係する企業、従事者もそんなに少なくないはずだ。
この原因は知りたい。






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2021/06/23

DXとは組織論である

DXとは組織論である、と思った。
適当なラフなメモ。

【参考】
最近読んだ本 - ブログ@kaorun55

(引用開始)
3月、4月くらいからいろいろ本を読み始めました。
主に人、組織、技術の実装あたりです。
最近はHoloLensの土台としてのDXの必要性を感じているのですが、DXは実際には組織論だと考えていて、自分の組織含めて組織の考え方について触れるようにしています。
(引用終了)

DXとは「1980年代の呪縛」を解き放つこと|市谷 聡啓 (papanda)|note

(引用開始)
あるミーティングで、何気ない流れの中である人が言った「DXとは組織を変えることだ」と。その言葉が特に何の違和感も、言い過ぎ感もなく、その場で受け止められて、皆の血肉となるよう消化されていく。凄い時代を迎えたと思った。
組織を変える。経営からマネジメント層、現場まで、気負いなくその言葉があげられる。もちろん突きあげられるような危機感とともに、その言葉が口にされる組織もある。いずれにしても、単なるフレーズではない。大いなる共通の目標となっている。
(引用終了)

kaorunさん、市谷さんのBlogをたまたま読んで、2人とも同じような意見「DXとは組織論である」を書かれていた。
2人ともすごい方だが、同じような問題意識を持っている点に興味を持った。
たぶん、今のコロナという時代では、心あるIT技術者は、DXの本質は何だろうか、と考えているのではないだろうか?

僕は、「DXとは組織論である」という意見は2つのコンテキストを持っていると考える。
1つは、ソフトウェア開発に向いた組織構造は何か?という問い。
もう一つは、ユーザ企業の情報システム部門が、社内の業務システムを一括コントロールするためにはどんな組織形態や運用制度が必要なのか?という問い。

前者は、逆コンウェイ戦略の観点の話になる。
つまり、アーキテクチャは組織に従う、というコンウェイの法則によって、ソフトウェアはどんどん複雑化して肥大化して手に負えなくなるのだから、それを逆手に取って、ソフトウェア・アーキテクチャを開発チームが制御できるように、アーキテクチャに合った組織構造を作ってしまえ、ということ。
最終的には、スクラムチームを作ることと同義。
それは、単なるソフトウェア開発チームだけでなく、全ての部署がスクラムチームになることと同義。

逆コンウェイ戦略のメモ~望ましいアーキテクチャを促進するためにチームと組織構造を進化させる: プログラマの思索

マイクロサービスアーキテクチャはなぜ最近になって注目されるのか~マイクロサービスは組織論の側面も持つ: プログラマの思索

しかし、従来の製造業のビジネスモデルに適した組織構造では、ソフトウェア開発に適した組織構造がとても作りにくいのだ。
そして、ソフトウェア開発に向いた組織文化は、従来のビジネスモデルに適した組織文化と全く異なるので、そのまま組織を作っても、組織文化をトップダウンで適用してもうまく行かない。
「文化は構造に従う」「アーキテクチャは組織に従う」経験則に縛られてしまう。

だから、ソフトウェア開発に向いた組織を作るには、出島を作ったり、関連子会社で別会社にするとか、そういう携帯にならざるを得ない。

文化は組織構造に従う: プログラマの思索

後者は、今の日本政府のデジタル庁で悪戦苦闘している問題点と同一と思う。
日本の大企業はどこも、皮を剥いで中身を見れば、事業部制組織という中小企業の連合体になっている。
だから、プロフィットセンターである事業部が利益に物を言わせて、自分たちの好きなように業務システムをどんどん社内に勝手に作った結果、数多くのメインフレームがまだたくさん稼働した状態で蛸壺となってしまって、コストセンターである情報システム部門はそれらを制御する権力もなく、社内のシステムが野放図になって、IT統制もできていない、みたいな感じ。

今まさに、もう一度、情報システム部門が全ての事業部から業務システムを取り上げて、決められた予算や今後の経営戦略に従って、システムの新規開発やリプレースのロードマップを計画し、セキュリティ面や個人情報保護、コンプライアンスも含めた観点で作り直そうとしている、みたいな感じ。
本来であれば、もっと以前から、メインフレームは撤廃して2025年の崖の問題はとうの昔に片付けて、オープンなアーキテクチャを元に、守りの業務システムよりも、ビジネスに直結するシステムを開発してどんどんビジネスを拡大させていく、みたいなイメージでやりたい。

しかし、デジタル庁の問題も同じく、今まさにそういうことを、地面0メートルの所から巨大なビルを作り出そうとしているわけだ。
たぶん、どこの日本企業も、レガシーなメインフレームの業務システム、あるいは、古すぎてセキュリティ上危ない業務Webシステムをたくさん抱えて、二進も三進も行かなくなっている。

僕は、DXとは、既存ビジネスを持つユーザ企業が、ソフトウェアを根幹としたビジネスモデルを構築して変革していくことと思っている。
そのためには、結局、古い数多くの社内システムを一括コントロールし、捨てるべきシステムは捨てて、システム保守に多額のコストを払うのではなく、売上拡大につながる新たなシステムへ投資できるように、経営判断を促す仕組みを作るべきだ。
そういうことが求められているのだろうと思う。

IPAがDXのパターン・ランゲージを公開している~新しい組織文化が新しい経営戦略を生み出す: プログラマの思索

「ソフトウェアが世界を飲み込む理由」「ソフトウエア、それが問題だ」の記事のメモ: プログラマの思索

デジタル庁が解くべき課題とITエンジニアの役割の勉強会の感想~CTOの役割とは何ですか?: プログラマの思索

デジタルトランスフォメーションとはソフトウェア企業になることを意味する: プログラマの思索

マイクロサービスアーキテクチャはなぜ最近になって注目されるのか~マイクロサービスは組織論の側面も持つ: プログラマの思索

ソフトウェアが世界を動かす時代: プログラマの思索

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2021/06/03

ビジネスモデルキャンバスで思考を発散させて、ピクト図で思考を収束させる

ビジネスモデルキャンバスで思考を発散させて、ピクト図で思考を収束させるという記事を読んで、なるほどと思った。
ラフなメモ書き。

【参考】
ビジネスモデルをデザインするスキル 「ビジネスモデル・キャンバス」と「ピクト図解」を身につけろ | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

ビジネスモデルを「見える化」するピクト図解 「ビジネス3W1H」を意識してビジネスモデルを読み解け | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

ビジネスモデルは「基本パターン」の組み合わせで考えよ ジレットとネスレの事例から学ぶ「消耗品モデル」 | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

ビジネスモデルの「プロトタイプ」を量産せよ 実践!ビジネスモデルをデザインする(前半) | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

「新結合」でビジネスモデル・イノベーションを起こせ 実践!ビジネスモデルをデザインする(後半) | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

ビジネスモデルキャンパスの感想: プログラマの思索

ピクト図解を用いたビジネスモデルの書き方と事例 | Finch [フィンチ]

【1】企画フェーズの資料や提案資料を作成していると、ビジネスモデルをポンチ絵で描いたり、経営戦略に基づいたあるべき業務プロセスを描く必要が出てくる。
そんなときに、考えているアイデアを整理したり、アイデアを膨らませるためのテコ、基点となるような、何らかのフレームワークが欲しくなる。

【2】ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンパスは、リーンスタートアップやプロダクト開発でよく例として出てくる。
しかし、実際に書いてみようとすると、そもそも枠内にアイデアが出てこなかったり、それぞれの要素の因果関係やロジックが作れなくて、手間取る時が多い。
また、キャンパスにたくさんの付箋やPostItを貼っても、何か分かった気がしない。
ビジネスというプロセスをモデル化できた気持ちにどうしてもなれなかった。

一方、ピクト図は、UMLで言うオブジェクト図、コラボレーション図に非常に良く似ている。
アクター同士の相互作用があって、その相互メッセージは、必ず情報のやり取り、お金のやり取りが発生する。
システムユースケース図に近いイメージ。

ビジネスモデルを「見える化」するピクト図解 「ビジネス3W1H」を意識してビジネスモデルを読み解け | 「ピクト図解」考案者が語る ビジネスモデルのつくり方|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューでは、ビジネスモデルキャンバスでは、思いついたアイデアを枠内にPostItをどんどん貼っていって思考を発散させる。
一方、ビジネスモデルキャンバスで抽出した要素は、ピクト図の相互メッセージに対応させたり、相互メッセージを発生させる要因として対応付けて、思考を収束させる。
つまり、ピクト図で、ビジネスモデルキャンバスの要素に因果関係やロジックを表現しているわけだ。

こういう考え方ができるならば、ビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスとピクト図という2つのモデルで分析できて、それぞれの因果関係や意図をより明確に理解できるようになる。

ビジネスモデルキャンバスとピクト図を組み合わせることで、UMLのように、1つの分析対象を、複数のモデル技法で多面的に分析できるのはとても良い。
複数のモデルを描くだけで、整合性を取る作業を通じて、自然に多面的に考えるようになるからだ。

【3】最近、システム開発する前の企画フェーズやシステム提案の作業が多くなって、その資料に必要なモデル技法を探している。
ビジネスモデルキャンバスとピクト図はその一つの手段。

他にも興味を持っているのは、匠メソッド。
一部のアジャイル界隈では、SIがシステムを受注する前にシステム提案に使ったり、新たな事業を企画する時に使っているのは知っている。
なかなか触手に至らなかったけれど、価値から要求を導き、業務をAsIsとToBeを導こうとする点、デザイン思考のようなラフなモデルとBABOKライクに戦略要求から移行要求までロジカルに組み立てるモデルを組み合わせている点は、よく考えているように思える。

気づいたことがあればまた書く。

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2021/05/07

リーンスタートアップ系の本のリンク

リーンスタートアップ系の本をリンクしておく。
後で自分が読むために。

【参考】
リーンスタートアップ系の本を読むならこの順番|篠キチ|note

リーンスタートアップのシリーズ本を振り返る (2018). Lean Startup Update! 2018… | by Taka Umada | Medium

リーンスタートアップの本を6冊借りて読んだ。
まだ、読んでピンときていない。
たぶん、自分でWebサービスやSaaSを経営者の観点で運用した経験がないからかもしれない。

リーンスタートアップといえば、リーンキャンパス。
リーンキャンパスも、自分が考えたビジネスモデルを仮説検証する道具として扱うので、そういう経験がなければピンとこないのだろう。
ビジネスが腑に落ちた時にまた読み直す。

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2021/04/29

デジタル庁で応募中のアイデンティティアーキテクトは昔のDAと同じ役割か?

デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトを応募しているツイートを見つけたのでメモ。
ラフなメモ書き。

【参考】
yoshi sanさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトなる独立したポジションがあるんだ。」 / Twitter

からくりさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトってなんだよと思ったけどめちゃまともな内容だった」 / Twitter

Yoshikazu NojimaさんはTwitterを使っています 「デジタル庁のアイデンティティアーキテクト、超重要かつ超高難易度な仕事にしか見えないのだけど、どんなキャリアパスを積んで、どれほどの研鑽を積めば担えるのか想像もつかない。 https://t.co/2iU02v4WLr」 / Twitter

akipiiさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトとは、昔のDAと同じ役割か?」 / Twitter

からくりさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト https://t.co/raIDjeGhb9 めちゃくちゃ楽しそう(発狂しそうなほど大変だと思うけど)」 / Twitter

ミジンコOLさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクト、あの先輩しか思い浮かばない。 ・行政証明書コンビニ交付サービスの開発経験有 ・某メディア企業の大型サービス利用ID統合経験 ・プラポリにも詳しい ・認証・認可詳しい ・IPA上級資格9割持ってる ・泥臭いPJTの中でも爽やか #デ https://t.co/Ue6JVxsyLh」 / Twitter

【参考】
中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

『アイデンティティ管理技術解説』システムアーキテクトを志す方のために IPA

【参考1】
アイデンティティアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

(引用開始)
募集背景・業務内容
デジタル庁(仮称)においては、行政サービスのデジタル化・ワンストップ化を推進するにあたって、利便性が高く安全な識別・認証の仕組みを構築することにより、多種多様なシステムにまたがった円滑なデータ連携を実現していくことが求められます。

アイデンティティアーキテクトは、各省庁の担当者や専門家と連携して、デジタルガバメントのサービス高度化に必要な、アイデンティティ管理、データ連携の枠組みを構想し、その整備を推進する役割を担っていただきます。

具体的な業務内容は、以下のとおりです。

政府情報システムに関わるアイデンティティ管理の計画策定全般

住民制度、公的個人認証、マイナンバー制度に関わる個人のアイデンティティ管理もしくはGビズID、商業登記電子証明書等に関わる法人等のアイデンティティ管理

行政事務と住民・事業者向けシステム、住民・事業者向けシステム間をつなぐ国のシステムを理解した上での、業務プロセスの見直し、移行計画の立案、変革の推進

国民・事業者向けサービスや各省庁のシステムにおける利便性の高い安全な識別・認証の仕組みづくり

各省庁や地方公共団体の専門家と連携した横断的なプロジェクトの推進
(引用終了)

【参考2】
データアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

(引用開始)
募集背景・業務内容
データアーキテクトは、デジタル庁(仮称)において、社会全体のデータの現状と将来像を俯瞰し、データ戦略の策定を主導するとともに、標準やルールに加え基礎データ、プラットフォームなどを整備し、その活用を推進していくことが求められます。また、多数のステークホルダーとの調整を進めながら、デジタル時代の新たなスタンダードを構築していくための強いリーダーシップが求められます。

政府は、多量のデータを保有するデータホルダーとして、またデータプラットフォーマーとして、先導的な振る舞いを期待される立場です。本ポジションは、あらゆる社会・経済活動に不可欠なデータを、国の競争力の源泉とするために、また、豊かな生活を実現する上で不可欠な基盤とするために、中心的な役割を担っていただきます。

具体的な業務内容は、以下のとおりです。

体系的なデータ整備に係る中長期戦略・計画の策定

データ標準・データ連携プラットフォームの整備

政府内におけるデータサイエンスやAIの活用の推進

デジタル庁(仮称)内外のデータに関する人材育成

データに基づいたEBPM(Evidence-Based Policy Making、証拠に基づく政策立案)の推進

国際機関や関係各国との交渉
(引用終了)

【感想1】
デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトの募集背景・業務内容を読むと、本当にガチの内容だ。
個人的には、一昔前のデータアーキテクトの業務を連想する。

その頃は、テーブルを新規追加したり、カラム1個を追加するのに、わざわざデータアーキテクトに申請して、内容の詳細や対応期限を説明して、開発環境にやっと反映される、みたいな牧歌的な時代だった。
データアーキテクトは、ER図やデータディクショナリの保守担当者みたいなイメージを持っていたので、あまりカッコイイ職種には感じなかった。

しかし、実際の業務システムの要件定義では、データモデリングの技量の違いがその後の設計、開発の室に直結する。
業務フローのようなプロセスばかり書いても、フワフワしていて、テストでデスマーチになりがち。
データ基盤がしっかりしていれば、そこから業務の制約条件をプログラマも読み取れるし、テストデータを作ったり、保守していくのもかなり楽になる。

さらに、データアーキテクトの職種だけでなく、アイデンティティアーキテクトという職種まで応募しているのはとても興味深い。
単に、公共サービスのデータ基盤、データディクショナリを揃えるだけでなく、その根本となる一意な主キーを見出し、それを維持管理していく重要性を認識しているのだろう。
もちろん、マイナンバー制度という国民をユニークに識別する仕組みにも直結する。
国民を一意に識別してデータを管理できる基盤があれば、今のコロナワクチン予防接種の履歴管理に使えるし、今後のワクチンパスポートの発行にも発展できる。
他にも、収入や資産の追跡、税の徴収だけでなく、本当に困っている人たちを特定して補助金を直接届ける、という仕組みも作れるはず。

また、アイデンティファイアの整備は、認証基盤にも直結する。
政府の膨大な公共システムを利用する場合に、利用者の国民が安全に利用できるだけでなく、バックエンドの事務に携わる公務員や保健所の人たちが安全にログインできて、その操作履歴をきちんと管理できる仕組みも必要。
さらには多種多様な利用権限の制御まで考える必要もあるだろう。

つまり、価値ある公共サービスを提供するためにデータ基盤のアイデンティファイアは必須要件だが、人権やプライバシーの保護の観点からアイデンティファイアの認証・認可・アカウンティングの機能要件も必須という、高度なハードルがある。
想像するだけでも、アイデンティティアーキテクトという職種は非常にタフで難儀な内容であるのは間違いない。

だからこそ、こういう職種が必要ときちんと公開して打ち出しているのは信頼が持てる。

【感想2】
最近はITコミュニティ以外にも、官公庁の関係者がオンライン勉強会で登壇して色々話してくれる場が多くなった。

直近で、農林水産省とウーオが語る!林業・水産業をITで変えるチャレンジ - connpassを聞いた時、今の官公庁で最もデジタル化が進んでいるのは、実は農林水産省なんです、という発言を聞いて驚いた時がある。
その時の事例では、ベンチャー企業が、漁港で取った魚と都市部の魚市場のマッチング処理のシステムを開発して、お互いの利益を向上させる、という話だった。
他にも林業で、日本産の木材が、今はコロナなので実は高く売れている、そういう市場をITの力で支援している、という話もあった。

おそらく、楽天、メルカリのビジネスモデルのように、生産者と消費者のマッチング処理を農業や水産業の市場に適用して、両者がWin-Winになるような方向を目指しているのだろうと思う。
そんな話を聞くと、単に業務システムを開発したり、ITビジネスでお金を儲けるだけでなく、IT技術を社会の問題解決に適用し、多くの人達のために社会貢献する方向に進化しているように感じた。

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