経営・法律・ビジネス

2021/05/07

リーンスタートアップ系の本のリンク

リーンスタートアップ系の本をリンクしておく。
後で自分が読むために。

【参考】
リーンスタートアップ系の本を読むならこの順番|篠キチ|note

リーンスタートアップのシリーズ本を振り返る (2018). Lean Startup Update! 2018… | by Taka Umada | Medium

リーンスタートアップの本を6冊借りて読んだ。
まだ、読んでピンときていない。
たぶん、自分でWebサービスやSaaSを経営者の観点で運用した経験がないからかもしれない。

リーンスタートアップといえば、リーンキャンパス。
リーンキャンパスも、自分が考えたビジネスモデルを仮説検証する道具として扱うので、そういう経験がなければピンとこないのだろう。
ビジネスが腑に落ちた時にまた読み直す。

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2021/04/29

デジタル庁で応募中のアイデンティティアーキテクトは昔のDAと同じ役割か?

デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトを応募しているツイートを見つけたのでメモ。
ラフなメモ書き。

【参考】
yoshi sanさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトなる独立したポジションがあるんだ。」 / Twitter

からくりさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトってなんだよと思ったけどめちゃまともな内容だった」 / Twitter

Yoshikazu NojimaさんはTwitterを使っています 「デジタル庁のアイデンティティアーキテクト、超重要かつ超高難易度な仕事にしか見えないのだけど、どんなキャリアパスを積んで、どれほどの研鑽を積めば担えるのか想像もつかない。 https://t.co/2iU02v4WLr」 / Twitter

akipiiさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトとは、昔のDAと同じ役割か?」 / Twitter

からくりさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト https://t.co/raIDjeGhb9 めちゃくちゃ楽しそう(発狂しそうなほど大変だと思うけど)」 / Twitter

ミジンコOLさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクト、あの先輩しか思い浮かばない。 ・行政証明書コンビニ交付サービスの開発経験有 ・某メディア企業の大型サービス利用ID統合経験 ・プラポリにも詳しい ・認証・認可詳しい ・IPA上級資格9割持ってる ・泥臭いPJTの中でも爽やか #デ https://t.co/Ue6JVxsyLh」 / Twitter

【参考】
中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

『アイデンティティ管理技術解説』システムアーキテクトを志す方のために IPA

【参考1】
アイデンティティアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

(引用開始)
募集背景・業務内容
デジタル庁(仮称)においては、行政サービスのデジタル化・ワンストップ化を推進するにあたって、利便性が高く安全な識別・認証の仕組みを構築することにより、多種多様なシステムにまたがった円滑なデータ連携を実現していくことが求められます。

アイデンティティアーキテクトは、各省庁の担当者や専門家と連携して、デジタルガバメントのサービス高度化に必要な、アイデンティティ管理、データ連携の枠組みを構想し、その整備を推進する役割を担っていただきます。

具体的な業務内容は、以下のとおりです。

政府情報システムに関わるアイデンティティ管理の計画策定全般

住民制度、公的個人認証、マイナンバー制度に関わる個人のアイデンティティ管理もしくはGビズID、商業登記電子証明書等に関わる法人等のアイデンティティ管理

行政事務と住民・事業者向けシステム、住民・事業者向けシステム間をつなぐ国のシステムを理解した上での、業務プロセスの見直し、移行計画の立案、変革の推進

国民・事業者向けサービスや各省庁のシステムにおける利便性の高い安全な識別・認証の仕組みづくり

各省庁や地方公共団体の専門家と連携した横断的なプロジェクトの推進
(引用終了)

【参考2】
データアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト

(引用開始)
募集背景・業務内容
データアーキテクトは、デジタル庁(仮称)において、社会全体のデータの現状と将来像を俯瞰し、データ戦略の策定を主導するとともに、標準やルールに加え基礎データ、プラットフォームなどを整備し、その活用を推進していくことが求められます。また、多数のステークホルダーとの調整を進めながら、デジタル時代の新たなスタンダードを構築していくための強いリーダーシップが求められます。

政府は、多量のデータを保有するデータホルダーとして、またデータプラットフォーマーとして、先導的な振る舞いを期待される立場です。本ポジションは、あらゆる社会・経済活動に不可欠なデータを、国の競争力の源泉とするために、また、豊かな生活を実現する上で不可欠な基盤とするために、中心的な役割を担っていただきます。

具体的な業務内容は、以下のとおりです。

体系的なデータ整備に係る中長期戦略・計画の策定

データ標準・データ連携プラットフォームの整備

政府内におけるデータサイエンスやAIの活用の推進

デジタル庁(仮称)内外のデータに関する人材育成

データに基づいたEBPM(Evidence-Based Policy Making、証拠に基づく政策立案)の推進

国際機関や関係各国との交渉
(引用終了)

【感想1】
デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトの募集背景・業務内容を読むと、本当にガチの内容だ。
個人的には、一昔前のデータアーキテクトの業務を連想する。

その頃は、テーブルを新規追加したり、カラム1個を追加するのに、わざわざデータアーキテクトに申請して、内容の詳細や対応期限を説明して、開発環境にやっと反映される、みたいな牧歌的な時代だった。
データアーキテクトは、ER図やデータディクショナリの保守担当者みたいなイメージを持っていたので、あまりカッコイイ職種には感じなかった。

しかし、実際の業務システムの要件定義では、データモデリングの技量の違いがその後の設計、開発の室に直結する。
業務フローのようなプロセスばかり書いても、フワフワしていて、テストでデスマーチになりがち。
データ基盤がしっかりしていれば、そこから業務の制約条件をプログラマも読み取れるし、テストデータを作ったり、保守していくのもかなり楽になる。

さらに、データアーキテクトの職種だけでなく、アイデンティティアーキテクトという職種まで応募しているのはとても興味深い。
単に、公共サービスのデータ基盤、データディクショナリを揃えるだけでなく、その根本となる一意な主キーを見出し、それを維持管理していく重要性を認識しているのだろう。
もちろん、マイナンバー制度という国民をユニークに識別する仕組みにも直結する。
国民を一意に識別してデータを管理できる基盤があれば、今のコロナワクチン予防接種の履歴管理に使えるし、今後のワクチンパスポートの発行にも発展できる。
他にも、収入や資産の追跡、税の徴収だけでなく、本当に困っている人たちを特定して補助金を直接届ける、という仕組みも作れるはず。

また、アイデンティファイアの整備は、認証基盤にも直結する。
政府の膨大な公共システムを利用する場合に、利用者の国民が安全に利用できるだけでなく、バックエンドの事務に携わる公務員や保健所の人たちが安全にログインできて、その操作履歴をきちんと管理できる仕組みも必要。
さらには多種多様な利用権限の制御まで考える必要もあるだろう。

つまり、価値ある公共サービスを提供するためにデータ基盤のアイデンティファイアは必須要件だが、人権やプライバシーの保護の観点からアイデンティファイアの認証・認可・アカウンティングの機能要件も必須という、高度なハードルがある。
想像するだけでも、アイデンティティアーキテクトという職種は非常にタフで難儀な内容であるのは間違いない。

だからこそ、こういう職種が必要ときちんと公開して打ち出しているのは信頼が持てる。

【感想2】
最近はITコミュニティ以外にも、官公庁の関係者がオンライン勉強会で登壇して色々話してくれる場が多くなった。

直近で、農林水産省とウーオが語る!林業・水産業をITで変えるチャレンジ - connpassを聞いた時、今の官公庁で最もデジタル化が進んでいるのは、実は農林水産省なんです、という発言を聞いて驚いた時がある。
その時の事例では、ベンチャー企業が、漁港で取った魚と都市部の魚市場のマッチング処理のシステムを開発して、お互いの利益を向上させる、という話だった。
他にも林業で、日本産の木材が、今はコロナなので実は高く売れている、そういう市場をITの力で支援している、という話もあった。

おそらく、楽天、メルカリのビジネスモデルのように、生産者と消費者のマッチング処理を農業や水産業の市場に適用して、両者がWin-Winになるような方向を目指しているのだろうと思う。
そんな話を聞くと、単に業務システムを開発したり、ITビジネスでお金を儲けるだけでなく、IT技術を社会の問題解決に適用し、多くの人達のために社会貢献する方向に進化しているように感じた。

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2021/04/25

ビジネスの基本戦略には規模の経済があるのではないか

戦略の経済学」という本を借りて読んでみて、世の中のビジネスの基本戦略には規模の経済があるのではないか、というアイデアを持った。
結論がなく、ロジカルでないラフなメモ書き。

【参考】
「規模の経済」で読み解く -食品容器メーカーの資材調達担当課長・伊藤の悩み | GLOBIS 知見録

すぐ分かる経営戦略論: チャンドラーモデル

ポーターの3つの基本戦略 | 経営を学ぶ~経営学・MBA・起業~

規模の経済性と経験曲線効果 - 読書遊民

規模の経済と経験曲線効果のメモ: プログラマの思索

ポーターの競争戦略の考え方: プログラマの思索

プラットフォーム革命の感想~プラットフォーム企業は新たな独占企業である: プログラマの思索

規模の経済という法則がどの業界の中小企業でも大企業でも働いているのではないか。
最初は中小企業であっても、売上が増えて事業が好調になると、人手や設備が足りなくなるので、営業マンやエンジニアを増やしたり、最新の機械や設備を借金して購入し、事業をもっと拡大させようとする。

事業を拡大するのが良い理由は、たぶん、規模の経済が働くからだろう。
たくさんの商品や製品、サービスを作り出せば、固定費はその分薄まるので、単位あたりのコストは下がって、その分、利益が増える。

たとえば、製造業であれば、大量生産することで、単位あたりのコストを下げるだけでなく、工場労働者の学習能力も上がることで、経験曲線効果も得られる。
つまり、より上手く作れるのでコストが下がり、利益も増える。
自動車であれ、パン屋であれ、酒造会社であれ、たくさん作る方がコストが減って利益が増える重力が働くから、経営者はその方向性に自然に意思決定する。

規模の経済は機械製造業や食品メーカーだけではない。
クリーニング屋、コンビニ、スーパー、ファーストフード、居酒屋チェーン、フランチャイズチェーンなども同じ。
たくさんの店舗で同一商品や同一サービスを大量に販売する方が、コストが減って利益が増える。
特定地域に集中出店するドミナント戦略は、コストリーダーシップ戦略を活用した戦略ではないか。

規模の経済の本質は、固定費が単位当たりの製品単価で下がること。
規模の経済の効果は、たくさんの製品・サービスを同じ手順で量産するので経験曲線効果も得られること。
また、大量仕入れによる発注コスト削減も期待できる。

だから、たぶん世の中の経営者は規模の経済を活用した意思決定を行うことが多いのではないか。
ずっと小さな企業規模であっていい、という判断ならば、社員を増やしたり設備投資したりする動機はないから。

しかし、規模の経済からいつも恩恵が受けられるわけではない。
ある一定量を境にして、逆にコストが増えて、規模の不経済が働くのが普通。
たとえば、装置産業、労働集約型産業ではそうだろう。
たくさんの設備があったとしても、たくさんの労働者を集めたとしても、結局、その重荷を会社が耐えられなくなる。

なぜなら、企業規模、組織構造が大きくなりすぎると、意思決定のための情報を全て集めにくくなり、それに基づく意思決定が遅くなる。
あるいは、企業規模が大きく、組織構造が複雑になりすぎると、企業内で調整するコスト、つまり取引費用が大きくなってしまう。
だから、取引費用を最小限に抑えるという別の重力が働いて、規模の経済を妨げる。

個人的には、規模の経済が組織構造を複雑化させて、コストが増え続けて、その重みに耐えきれなくなって、規模の経済を逆回転させる動きになるのではないか、と考える。

最初は、規模の経済を利用しまくって、規模の経済の逆回転が動きそうになったら、そこでいったん打ち止めして、別の事業に注力していく、みたいな意思決定になるのだろうか。

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2021/04/04

Clubhouseは路上ライブや朗読のためのツールかもしれない

Clubhouseの使い方は正直良く分かってない。
主張のないラフなメモ書き。

【参考】
Clubhouse (アプリケーション) - Wikipedia

Twitterは最速のメディア: プログラマの思索

Facebookはセルフブランディングの最強ツール: プログラマの思索

【1】Clubhouseはアプリの機能がとても貧弱過ぎる。
痒い所に手が届いていない。
3つほど不満がある。

1つ目は、興味のあるルームを探しにくい。
カテゴリ、ジャンル、タグなどで探したいのに、なかなかヒットしない。
Twitterほど検索機能は優れていない用に思える。
だから、わざわざ別サイトで、人気ランキングから類推するしか無い。

Clubhouse 人気ランキング

2つ目は、スケジュールの機能がない。
だから、よく聞き逃すし、落胆する。
ルームは突然告知される理由かもしれないが、開始、終了の時間帯をスケジュールで入れておきたい。
今は、気づいた時に探したり、ルームで予告された話を聞いた記憶を頼りにしている。
しかもリマインダー機能もないので、よく忘れる。
本来は逐一記憶したくない。
GoogleCalendarのリマインダー機能が使いたい。

さらに、聞きたいルームがバッティングしやすいので、スケジュールを入れておきたい。
2つのルームを入れ替わり聞くこともできるはず。

3つ目は、聞いた履歴が見れない。
音声を録音できない設計思想なので、それは許すが、せめて、いつどのルームを聞いたのか、ぐらいの履歴は後で見たい。
履歴を見れば、思い出に浸ったり、後から考え事もできる。

そういう感じで、アプリはとても使いにくい。

【2】Clubhouseはどんな使い道があるのか?

僕はそんな不満を感じながらも、雨降る日曜午後に、Clubhouseを聞き流しラジオみたいに使っている。
僕が興味あるのは、朗読と音楽の聞き流し。

朗読しているルームは良かった。
たまたま、芥川龍之介の杜子春を朗読していたのを聞いた。
あらすじも知っているが、アナウンサー経験のある落ち着いて、キレのある声は聞きやすい。
高校生の頃にラジオドラマを聴いていた気分になった。

また、ジャズやピアノを練習代わりに垂れ流しているルームは良かった。
月の光、を聞いた時は、心が和んだ。

何となく、大阪駅前の路上ライブの演奏を聞いている感じだった。
その場での即興であり、Youtubeで後から聞くことも見ることもできないから。

割とうまい人でも、時々間違えたのか、音が外れている時に気づくが、むしろそれが気にならなかったりする。
練習の曲を弾いた後で、ちょっとしたコメントを話すのがとてもリアルに感じたりする。

他には、有名人が入って、個別テーマで議論しているルームも面白い時もある。
一方、井戸端会議に近いので、時間の無駄だな、と思う時も多い。
他方、有名人の顔はWebで見ているし、Youtubeなどで声や動作も知っているけれど、生の声を聞くと印象が変わる。

Clubhouse以外にも、TwitterライブやVoicyなどの音声ツールで有名人の声を聞く時がある。
中嶋聡さんは、Web記事やメルマガでキレのある内容を書いていて、割と研究者みたいな人なのかな、とか思っていたら、こんなに声が低くて太くて、すごく威厳のある人だな、とか。
ちきりんさんは、ブログでは現状の社会の問題点について切れのある意見を言う人なので性格もきついのかな、と思っていたら、生の声の配信を聞くと、こんなに女性らしい声なのか、となぜか印象が変わってしまったり。

コロナ禍でリモートワークが多くなり、パソコンやスマホに触れる時間が以前よりもかなり増えてしまって、目が疲れやすいと感じる。
眼を使わずに楽に聞きたい、という気持ちが強い。
よって、Clubhouseで聞きたいと思う時がある。

【3】Clubhouseは路上ライブや朗読のためのツールかもしれない、と思う。

Youtubeで流せば、その動画は一生残るので、ストックとして扱える。
広告料ももらえるから、マネタイズもしやすい。

しかし、Clubhouseは臨場感がある。
その時だけの音声、という希少さがある。
路上ライブがそんな感じ。

その人の声が、その人の顔、性格を連想させる。
朗読では、語る声に、その文学作品に対する、その人の思い入れが伝わってくる。

コロナ禍という時代でなければ、Clubhouseは見向きもされないツールだったかもしれない。
いつでも外出して、野外コンサートで聞いたり、舞台や劇場で見れるならば、わざわざ使う必要もないから。

Clubhouseはコロナ禍という時代だけに特化したアプリのような気もする。
コロナに罹患するリスクが高ければ外出できず、部屋に閉じこもるしかない。
YoutubeやNetflixを暇な時に見ればいいかもしれないが、飽きる時もある。
部屋に閉じこもっていれば、こういうツールでラジオの聞き流しみたいに聞きたくなる。

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2021/04/01

要件定義プロセスはDXで終焉するのか

デジタル化の流行と「上流工程」の終焉 - ブロックチェーン企業で働くエンジニアのブログがとても良かった。
要件定義プロセスはDXで終焉するのかも、と思った。
ポエムのようなラフなメモ。

【参考】
デジタル化の流行と「上流工程」の終焉 - ブロックチェーン企業で働くエンジニアのブログ

業務に詳しいがプログラミングやインフラ基盤、クラウド、新しい技術に弱い、中年のコンサルは、上記の記事のような落とし穴に陥りそうな気がする。
なぜなら、既存の業務フローを元に、こういうシステムが必要だ、と要件や仕様を洗い出した、としても、全く異なる分野の新しい技術が既存の業務の問題を完全に解決してしまう可能性が、今はとても大きいから。

上記の記事では、工場での品質管理システムを伝統的なDOAで要件を固めてシステム開発するWF型開発に対し、AIで不良品を判別する品質判定ソフトウェアとAPIで抜本的に入れ替えることができる事例がある。
業務そのものがAI化できる場合、元々の業務フローもなくなるし、その業務に張り付いた社員も不要になってしまう。

こういう劇的な変化は普通はないように思えるが、昨今のコロナ禍でビジネスの前提条件が大きく変わってしまったことを考えると、おかしくはない。

従来の開発スタイルのように、じっくり要件定義をやって、開発費用を確定させて予算取りして、それから長期で開発していくやり方が今後も続くのか?
それとも、新しい技術が今までのやり方そのものを置き換えてしまい、その業務に張り付いた人もその知識も不要になるかもしれない。

上記の風景は5Fsの「代替品の脅威」を連想させる。
ライバルは、同じ業界の同業者ではなく、全く別の業界の参入者であって、あっという間に市場を飲み込んでしまうケースが今後増えるのではないか。

アジャイル開発も、小さなサイクルで安定してリリースできるプロセスだが、それだけでは足りない。
開発する対象のシステムがそもそも必要なのか?
システムの基盤を別の新しい技術で置き換えることはできないか?
業務そのものを別の新しい技術で置き換えることはできるか?
たぶんそれが仮説検証。

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2021/03/21

ノートパソコンが入ってUSBポートが付属しているビジネスリュックを買ってみた

最近、プライベートでも出勤でも、ノートPCを持ち運ぶ機会が多くなった。

在宅勤務がメインと言っても、ノートPCを持ち帰る機会が多い。
プライベートでも、家にいると在宅勤務の気分になって嫌なので、ノートPCを持ち出して気分転換に外出しているけど、自転車で移動しているから、割と億劫なんだよね。
車で移動したとしても、喫茶店やチェーン店、自宅に移動する時に何かしらのカバンは必要だからね。

今のリュックではノートPCの持ち運びが面倒だし、システム手帳や書類、財布、キーケース、マスクなど色々入れると、リュックが満杯になるので、新しいビジネスリュックを買ってみた。

最近のビジネスリュックはいいね。
ノートPCだけ別スペースに入れて固定できて、周囲の壁が固めに補強されているので、持ち運びしやすいように思っている。

面白い点は、USBポートがビジネスリュックの側面に付属していること。
なぜUSBポートはあるのだろうか?
どうやら、ビジネスリュックの内側にはモバイルバッテリーを入れて、外側のUSBポートからスマホへ接続して充電できる機能として使うらしい。
なるほど、リュックを背負って通勤電車や駅中を歩き回る時、スマホを持っているのは普通なので、そういう利用シーンで使うわけだ。
単に、ツイッターやフェイスブックを見るだけでなく、YoutubeやClubhouseを聞いたり、好きな音楽を聞いたり、色々使っているから。

他のビジネスリュックでは側面にUSBポートだけでなく、イヤホンジャックのポートまで付いているみたい。
なかなか面白い。

他の皆さんは、ノートPCの持ち運びしやすいカバンやリュックはどんなものを購入しているのか、気になる。


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2021/03/02

プログラマとスクラムが社会実装を変えていく #Findy_GovTech

今夜、ガバテックの話をZoomで聞いていた。
話は面白かったが、色々考えさられた。
考えたことをラフなメモ書き。

【参考】
経済産業省デジタル化推進マネージャーと弁護士ドットコムが語る!行政にエンジニアが関わる意義 - connpass

【1】政府行政をエンジニアが関わって、DXを推進していくのがガバテックと言えるかもしれない。
パネラーが言うように、今まさに旬のテーマ。
デジタル庁ができるし、ITエンジニアがより政治に関わっていくこともできる。

パネラーは、エンジニアリングで社会実装を変えていく、と言っていたが、話を聞いていたら、僕は「プログラマとスクラムが社会実装を変えていく」という意見を持った。

理由は2つある。

【1-1】1つ目は、プログラマが政府行政のIT化で活躍できる場がすごく多く、昔から受け継がれる問題、今まさに直面している問題に対し、プログラマしか解決できないテーマが多すぎるから。

たとえば、コロナワクチン接種管理システムの構築もそうだし、コロナ不況で失業したり、緊急事態宣言でビジネスを制限された人達に補助金を出すシステムもそう。
こういうシステムが必要とされているのに、インフラ構築できない、Webシステムを構築できない、業務要件をデータモデリングでまとめられない状況にある。
政府行政にいる人達は、ITの専門家ではないのだから、そういう技術に詳しくないのは当然だ。
だからこそ、ITエンジニアがより深く関わるチャンスがあるし、それによって、社会を変革していく道筋も生まれる。

ハンコ押印を使った各種申請、税金の支払いが楽になるだけでなく、より積極的に、ITという手段を通じて、政府を通じて世の中をより良くしていく、という活動にコミットできるわけだ。

【1-2】2つ目は、プログラマが政府行政のIT化に関わっていく場合、組織体制はスクラムに即した体制にならざるを得ない印象を持ったから。
パネラーが言うには、政府行政で、パネラーに協力してくれる人達は、事実上、プロダクトオーナーの役割を担ったり、色んな部署と調整したり、逆にパネラーのようなITエンジニアを守ってくれるような活動をしてくれたらしい。
パネラーのようなITエンジニアと政府行政の人達の間に信頼関係が構築できたことで、より深くコミットすることもできた、と。

そういう話を聞くと、まさに、そういう組織体制はスクラムで実装することになるだろう、と思う。
なぜならば、スクラムを適用すれば、スクラムの3つの役割にピッタリ当てはまるからだ。

【1-3】国民の公共サービスの利便性を提供するようなサービスを提供するケースを考えよう。
すると、そのような業務要件を考えるプロダクトオーナーが必要であり、政府行政の業務や法律に詳しい、政府行政の人達自身が担当する。
インフラを構築したり、システムを実装したり、セキュリティ対策を考える人達は、各分野のITエンジニアがチームを形成する。
そして、外部から雇い入れたスクラムマスター、または政府行政の人でファシリテーションが上手い人が、プロダクトオーナーとチームの間で調整する役割を担うだろう。
結局、そのようなプロジェクトチームをシステム毎にたくさん作り、スピード感を持って政府行政のDXを推進していくしかないだろう。

【2】しかし、政府行政のDX推進を妨害する問題は、内製開発できずにベンダーに発注してベンダーロックインになってしまうことだろう。

現状は、政府行政の中の人達が、ITプロジェクトをマネジメントする能力が不足しているし、発注者として、プロダクトオーナーの役割を果たす能力も不足している。

【2-1】本来のあるべき姿は、政府内部で公共サービスを提供するシステムは、全部自前で開発できると一番いい。
リリース後も常に保守する責任を持つし、サービス利用者の声を集めることで、次々に新たなサービスを提供して利便性を高めて、世の中をより良くしていくことができるはずだ。

そういう内製開発が政府内で実現したならば、SaaSベースの開発スタイルになるだろう。
文字通り、ソフトウェアでサービスを提供するわけだ。
理由は、「ソフトウェア・ファースト」の本に書いてある通りと全く同じ。

そして、そのシステム開発のプロセスはスクラムで行われるのが自然だ。
政府行政内の人がプロダクトオーナーを担当し、その業務要件がプロダクトバックログで表現され、サービス利用者が使いやすいように、業務フローやデザインは、ストーリーテリングのように数々の利用ストーリーを踏まえたもので作られるだろう。

【2-2】しかし、現状はギャップが大きすぎる。
パネラーも言っていたように、いきなりデジタル庁で解決するわけではないだろう。
おそらくは、デジタル庁のメンバーは発注者のプロジェクトマネージャーの立場がまず求められて、そういう仕事から現状の問題をこなしながら、今後のあるべき姿へ地道に変革していくことになるのではないか。

【3】しかし、政府行政のIT化の根本問題は、個人のプライバシーとどのように折り合いをつけるべきなのか、があると思う。

【3-1】実際、確定申告のWebシステムであれ、コロナ接触管理アプリCocoaであれ、国民全員に10万円をばらまいた補助金であれ、全て、国民1人が持つプライバシーをどのように扱えばいいのか、に苦慮している。

そもそも、中国のような監視社会であれば、個人の行動履歴、購買履歴、所得や資産情報、医療情報も全て、政府が把握できているのだから、本当に困っている人達に特定して補助金を配ることもできるし、特定した感染者を強制隔離することで、世間の人達の健康を守ることもできる。

だが、政府の公共サービスでは、個人のプライバシーが他人に悪用されるリスクや脅威がとても影響が大きいために、セキュリティ面の対応によって、機能は複雑化し、業務フローもとてもややこしくならざるを得ない。
たとえば、確定申告のeTAXは、なぜあんなに、スマホでもPCでも使いにくいのか、とみんな思っているのではないか。

しかし、過去の歴史を踏まえると、政府に個人情報を預けると何をされるか分からないという、命に関わる危険性をみんなが持っていたし、政府を信用していないから、プライバシー保護という名目で、今までこの問題を放置してきた。

コロナ感染という特別な状況が、その問題が自分たちの生活に直結するぐらい重要である、と分かってきたのではないか。

【3-2】一方、今回のコロナ不況で薄々分かったことは、我々自身も、政府の行動が信用できるならば、自分の個人情報を預けてもいい、と考えているのではないか。

実際、現在の政府の公共サービスは全て申請主義なので、サービスを受けたければ、自分たちからたくさんの書類を集めて、大量の文書を書いて、提出後は長く待たないといけない。
本当に困っている人達に、給付金を直接渡すべきなのに、政府から困っている人達を特定できないから届けることもできない。
よって、失業者が溢れたり、犯罪者や自殺者も増えたりして、社会自体が重苦しく、不便なものになっていく。

だからこそ、そうならないように、例えば、本当に困っている人達に給付金を配ったり、あるいは、コロナワクチンを接種すべき人達を政府自身が特定すべきだし、それらを一括管理できるようにすべきだろう。

【3-3】他方、プライバシー保護のグレーゾーンや法律のグレーゾーンに積極的にリスクを取って関わっていくことで、新しいビジネスを生み出すことの重要性も分かってきたのではないか。

たとえば、テスラは電気自動車を単に提供するだけでなく、販売した電気自動車の走行ログをもとに自動運転技術をより強化させている。
また、走行ログというビッグデータをもとに、自動車損害保険ビジネスに乗り出す、とか、Uberのような配達ビジネスに自動運転をミックスしたビジネスも生まれるだろう。

アップルも、アップルウォッチを提供することで、個人の健康情報を収集することで、ヘルステックという新たなビジネスを生み出そうとしている。
個人の健康情報のログをもとに、医療サービスや保険サービスの新たなビジネスが生まれるし、健康に関わるスポーツビジネスも生まれるかもしれない。

【3-4】つまり、個人情報の保護がグレーゾーンであっても、それに関するビジネスにソフトウェアが決定的に重要な役割を果たし、大きく社会を変えている状況では、この流れに乗り遅れると、もはや国自体が衰退するしか無い。
実際、コロナ感染の社会状況において、日本の大臣は、日本はデジタル敗戦だ、という発言もした。
すなわち、日本はソフトウェアでビジネスを変革するだけでなく、ソフトウェアで公共サービスや社会を変革していくことすらも、他国から大きく遅れてしまった。

米国は、多くのベンチャー企業などが法律のグレーゾーンをものともせずに、ソフトウェアで新たなビジネスを生み出した。
中国は、一党独裁の統制社会を維持するために、ソフトウェアを上手く利用して、インターネット規制やネット検閲、監視カメラなどによる監視体制などを利用してきた。
もちろん、BATのようなIT大企業も生み出しているが。

EUもプライバシー保護や民主主義を掲げてGPDRとか色々作ってきているが、結局、米国や中国のソフトウェアビジネスやソフトウェアの変革の波から乗り遅れているのではないか。

【3-5】そんなことを考えると、プライバシーはもちろん重要だが、各種申請や税金支払、補助金受け渡しのような公共サービスの利便性を求めたり、コロナ感染のように公共性を重視すべき場面では、ある程度のプライバシーは政府に委ねる方向性に今後進んでいくような気がしている。

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2021/02/25

デブサミ2021の感想~コミュニケーションスタイルがオフラインからオンラインに激変している

今年のデブサミはOLだったので、在宅勤務中でも、ラジオ番組みたいに流していた。
来年度以後もこういうスタイルであって欲しい。
思いつきをラフなメモ書き。

Developers Summit 2021(2021.02.18-19)

(1)動画を見るよりも、講演者の声がハッキリしているか、発言内容にキレがあるか、の方が印象の残り方がまるで違う。
最近、ClobuHouseが流行しているらしいけど、動画よりも音声の方が今後重視される気もする。

(2)沢渡さんのパネルディスカッションは聞いていてとても楽しい。

ファンを3つ作る。
技術のファン、プロダクトのファン、カルチャーのファン。
デベロッパーこそ、ファンを増やし、自己ブランディングしていくべき。

今はデベロッパーのルネサンス。
コロナ感染の現状では、アナログの環境よりもデジタルな対話が当たり前。

そして、先進的なデベロッパーが使っていたツールが当間になった。
Slack+Zoomが一般的。
会社組織ではTeamsになるだろうか。

つまり、対面の対話が今は物理的に難しくなり、OLコミュニケーションが当たり前となった。
OLツールが使えない人は致命的。
誰とも会話できなくなる。

(3)日立の方の講演では、コロナ禍で社内・プライベートのコミュニケーションが全てデジタル化されたことにより、OSS開発者の価値が上がった、とか、コミュニティ活動の経験者がより上手く適応している、みたいな話があった。
社内の根回し、とか、顧客調整が得意であっても、今はTeamsでやり取りするしか無いから、こういうツールに慣れていないと能力を発揮できない。

一方、OSS開発者は以前から世界中の開発者とオンラインでやり取りしてきたので、何も変わらないし、彼らのやり方をSIも既存企業も真似ようとしている。
また、コミュニティ活動の経験者も、こういうツールに慣れている人も多いし、ノウハウを共有する場作りに長けているから、彼らもその能力を発揮しやすい。

今は、コミュニケーションのスタイルが完全に変わってしまった。

(4)コミュニケーションのスタイルがアナログからデジタルに変わった事態により、何が起きるのか?

年を取るほど、大企業の社内の人間関係をベースにした根回しが期待されてくるが、Teamsでしかやり取りできない現状では、全く無意味なスキルになってる。
新人の営業マンが訓練と称されて、100枚の名刺を配って新規顧客をどぶ板で集める手法も、コロナ感染の現状では実現不可能。

オンラインのツールで他人と深く関わるやり方に早く慣れないといけない。
たぶん、多くの人が試行錯誤しながら、OLツール上で初対面の人と会った時、どうやって仲良くなって意思疎通できるようになるか、試しているはず。

(5)緊急事態宣言のもとでは、外食チェーンや居酒屋、個人料理店ですら、大人数で集まって会話することさえ禁止された。
ショッピングモールや百貨店、商店街などに行くことすら、緊急事態宣言のもとでは、ちょっとした罪悪感さえ感じさせられた。

デジタルネイティブ世代がコンシューマになって登場したら、現状のままでいると、おたくの会社の製品は買ってもらえないですよ、と言われているが、まさにそう。

オフラインで、街中でビラ配りしたり、イベントを開いて沢山の人を集める、というプロモーションは今は事実上禁止された。
つまり、今後は、オンラインのプロモーションが重要になるし、O2Oと言われるプロモーション、つまり、オンラインで集客してオフラインの店に来てもらう、というプロモーション手法がより一般的になるだろう。
以前は一部の企業しか試していなかったが、今は大企業だけでなく、中小企業や個人商店ですら、O2Oを実行しなければ生き残れないのだろう。

(6)オフラインからオンラインにコミュニケーションスタイルが激変した事態のもとで、従来の既存ビジネスをいかにIT化で売上を維持、拡大していくべきか、という問題にすり替えた。
この問題こそ、DXというのではないか。

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2021/02/13

トランザクティブ・メモリーを使え~「プロジェクトをリードする技術 / Project Leading is Skill」の資料はプロジェクトリーダー初心者にお勧め

プロジェクトをリードする技術 / Project Leading is Skill - Speaker Deckを読んで、特に「トランザクティブ・メモリー」が良かった。
良い資料と思ったのでメモ。

【参考】
akipiiさんはTwitterを使っています 「良いスライド資料だなあ。進捗管理で、ボトルネックを常に移動させることは僕も感じていた。プロジェクトをリードする技術 - kakakakakku blog https://t.co/vB5toW5fSy」 / Twitter

プロジェクトをリードする技術 - kakakakakku blog



【1】プログラマ上がりのプロジェクトリーダーは、プレイングマネージャーだと思う。
すると、一人でプログラムを書いたり、自分でバグ修正した方が速いわけだが、それではチームは回らない。
いかにチームを回すか?

上記の資料で良いと思ったのは、アジャイル開発でやればいいんだ、みたいな一本調子ではなく、バランスが取れている所。
たとえば、「計画が得意=クリティカルパスの見極め」は、ガントチャートでも、バックログ管理でも、スプリント管理でも重要だ。

以前、どこかの本で、MSProjectでいちばん重要な機能はガントチャートではなく、PERT図だ、と喝破した記載があって、同意する。
優れたリーダーは、タスクにばらした時に、ネットワーク図をイメージして、どのパスが最短ルートなのか、を頭の中でイメージしている。

ソフトウェア開発が難しいのは、日々の状況によって、クリティカルパスがどんどん変化することだろう。
たとえPJ計画当初にガントチャートを作っても、初めての技術、コロコロ変わる要件、仕様への落とし込みで、クリティカルパスはコロコロ変わる。
つまり、ボトルネックは常に推移していく。
駄目なリーダーはガントチャート保守でボトルネックを見出そうとするが、その作業に追いつかずに破綻する。

【2】チームビルディングも重要な技術の一つ。
タックマンモデルとか色々あるけど、「トランザクティブ・メモリーを大切にしよう」という言葉は僕も同意する。
メンバーの役割分担をリーダーだけでなく、メンバー全員が知って、リレーのバトンを渡すように上手く回す。
そのためには、誰がどんな専門スキルを持ち、誰が暗黙知を持っているのか、を知っておけばいい。

「トランザクティブ・メモリー」は僕は以前は知らなかったので、もっと早く知っておけばよかったと思う。

「トランザクティブ・メモリー」という言葉は、「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」ではなく「世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア」を読んで僕は初めて知った。

【3】「世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア」では、トランザクティブ・メモリーの社会実験でこんな話がある。

交際期間が3ヶ月以上の大学生のカップル60組を集めた。
そのカップルの半数はそのまま、残りはランダムな組み合わせのカップルにする。
そして、それぞれのカップルに、記憶力ゲームを試してもらう。

具体的には、科学、歴史、食べ物、テレビ番組などのカテゴリの文章を、カップルは自分の判断で選択して記憶し、どれだけ正確に記憶できていたかを試す。
カップルごとの合計点で評価する。
つまり、記憶作業は1人で行うが、パフォーマンスの優劣はカップルの合計で決まる。

この実験のポイントは、カテゴリ選択時にカップルが相談できないこと。
つまり、カップルはお互いに相手がどんなジャンルを覚えているのか、知らない。

さらに、交際していたカップルと赤の他人同士のカップルをさらに半分に分けて、もう一方には、男性は歴史、食べ物、テレビ番組、女性は残りのカテゴリと指定しておく。

つまり、
①交際しているカップルでジャンル指定のないカップル、
②他人同士でジャンル指定のなかったカップル、
③交際していて男女それぞれが覚えるべきジャンルを指定されたカップル、
④他人同士で男女それぞれが覚えるべジャンルを指定されたカップル、
の4つでランダム化比較試験を行うわけだ。

その結果はどうなるか?

①のカップルの方が②のカップルよりも結果が良くなった。
交際していたカップルの方が記憶力がいい、というのは常識の範疇。
なぜなら、交際していたカップルは、彼と彼女の強みの部分をお互いに知っているので、強みを発揮できるジャンルをお互いに選べばいいから。

しかし興味深いのは、③のカップルよりも④のカップルの方が結果が良かった。
つまり、あらかじめ記憶するジャンルを指定されてしまうと、交際していたカップルよりも、赤の他人同士のカップルの方が記憶力が良かったのだ。

この実験が意味していることは、「ある程度の交際期間を経たカップルは、お互いにどんな強みや弱みを持っているのか、というトランザクティブ・メモリーを自然に持つようになる」ということだ。
たとえば、彼が映画に強いけど彼女は弱い場合、彼女は彼に聞けばいい。
一方、彼女は美味しいレストランはよく知っているが、彼は知らない場合、彼女に聞けばいい。

つまり、Who knows What、誰が何を知っているのか、誰が組織内で特定分野の専門知識や経験を持っているのかを知っていること、というトランザクティブ・メモリーの重要性を示す。

他方、カップルとして自然に形成されたトランザクティブ・メモリーを新しい枠組みで無理に歪めると、非効率を生み出し、カップルの記憶力は著しく落ちてしまう。
むしろ、赤の他人同士のカップルの方が、ジャンル指定だけに基づいて記憶するので、トランザクティブ・メモリーを歪められてしまった交際カップルよりも、はるかに効率的に記憶できたわけだ。

この実験の話を読んで連想したのは、暗黙知を重視する、トランザクティブ・メモリー型の組織文化を故意に歪めた事例は割と多いのではないか、と思った。

たとえば、自社でソフトウェア開発しないユーザ企業やSIでは、大量の派遣プログラマを案件ごとに短期間に総動員してはリリース後に切り捨ている。
すると、案件のプロマネは、トランザクティブ・メモリーに依存しない、属人性のないPJ管理、属人性のない技術で管理したくなる。
そのやり方は、メーカーの単一製品の大量生産方式のように、単純労働者が多い場合には、トランザクティブ・メモリーを重視しなくても、効率的なオペレーション管理を重視すれば成功しただろう。

しかし、ソフトウェア開発のように、暗黙知があまりにも多いビジネスでは成り立たない。
むしろ、苦労して開発してリリースにこぎつけた時、数多くの暗黙知は派遣プログラマに残っているが、彼らが解き放たれたら、そのチームに得られた暗黙知は雲散霧消してしまう。

たとえば、M&Aで買収した企業の社員を、買収元の経営者が勝手に異動させてバラバラにさせてしまうと、せっかく買収先の企業の社員の中であったトランザクティブ・メモリーが破壊されて、M&Aの相乗効果が得られなかった、とか。

うまい例が思いつかないが、トランザクティブ・メモリーを有効活用していない組織や企業は、日本に割と多い気もする。

なお、「世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア」も「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」の本もお勧め。

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2021/01/14

みんなのPython勉強会#65の感想~社会変革の鍵はIT技術者にあるのかもしれない

みんなのPython勉強会#65に初参加してみて、内容がとても良かった。
自分もPythonが理解できるようになったので、その意義がすごく理解できる。
社会変革の鍵はIT技術者にあるのかもしれない、と思った。
結論のないラフなメモ書き。

【参考】
みんなのPython勉強会#65 - connpass

セミナー参加ログ》みんなのPython勉強会#65 2021/1/13(水) 19:00?21:00(オンライン開催) - acokikoy's notes

【1】Pythonのビジネス、データサイエンティストの話、LT、そしてシビテックまで、幅広いテーマでとても興味深かった。
その中で、シビテックの話がとても興味を引いた。

シビテックは、プログラマが市民の立場で、政府や公共機関に出てくる問題をITで解決すること、と理解している。
関さんは、Coder fo japanというOSSコミュニティで活動されている。
東京のコロナ感染のWebサイト構築で一躍有名になった。

都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト

また、台湾のIT大臣のオードリーさんがGithubにプルリクを送ったことでも注目された。

ソフトウェアの政治的影響力とは何だろうか: プログラマの思索

関さんの話によると、日本では、2011年の東日本大震災の時にシビテックに関わるプログラマが増えて注目を浴びたらしい。
さらに、昨今のコロナ感染状況の期間で、関さんのいるSlackメンバーは、約4倍以上の人数に増えた、とのこと。
つまり、社会の危機的状況が、プログラマをシビテックに関与しようというモチベーションを与えているわけだ。

では、なぜそんな状況でプログラマは、シビテックに関わろうとするのか?
理由は色々あるだろう。
たぶん、人間としての生存本能が現れるのではないだろうか。

こういうOSSコミュニティは、IT技術者にとって、とてもメリットがある場だ。
理由は、自分とは違うバックグラウンドを持つ技術者と関係ができて、技術力もアップするし、視野も広がる。
講演では、東京のコロナ感染のWebサイトでは、色盲の人に優しいアクセシビリティを考えるべき、というプルリクもあって、非常に勉強になった、とのこと。

【2】講演後の質疑応答で気になったのは、シビテックが欧米と日本でどのような特徴の違いがあるのか、という話。

関さんによると、欧米人は自分の意見を持って自己主張する。
政府はこういう政策を取るべき、こういう行動を取るべき、とか。
一方、日本人は、自己主張しない代わりに、応援するタイプが多い。
良い政策があれば、それを後押しするように活動する。
言い換えれば、日本人はリーダーシップがなく、受け身の人が多いのだろう。

また、米国では行政府の人はリボルビングドア(回転ドア)なので、OSSコミュニティの人の中に、行政府に所属して働いた経験を持つ人が多い。
すると、行政の事情に詳しいので、行政のニーズをよく知っていたり、行政の人間関係や法律上の壁などの事情をよく知っている。
ゆえに、シビテックではそういう人たちと組むことで、より効果の出せるIT技術による解決策を提示できる。

一方、日本では、OSSコミュニティに行政に関係する人が少ないので、行政と連携しにくい。
プログラマもそういう行政の裏事情を知らないので、連携しづらい面がある。
しかし、東京の副都知事にヤフー経験者の人が入ったおかげで、東京ではシビテックが盛んになってきた、と。

また、行政はITに詳しくないので、ITに詳しい技術者やOSSコミュニティと関わりたいニーズはある。
特に最近は、デジタル庁を設立する話も出たし、農林水産省や経済産業省もIT技術者を募集する広告を見かけるようになってきた。
こういう危機的な状況だからこそ、IT技術者が求められているのだろう。

社会変革の鍵の一つに、IT技術者も含まれている。

【3】そういう講演を聞きながら、今のコロナ感染対策が難しい理由も素人ながら何となく想像できるようになってきた。
その理由は、コロナ感染という問題が影響する範囲が広すぎて、数多くの分野の専門家を集結させて、一貫した方針を打ち出す必要があるのに、どれが正解か分からないので対策を取るのが難しいからだろう。

たとえば、コロナ感染の新規感染者を予測し、政策に合わせてその精度を次々に手早く変更していくには、西浦先生のような疫学の専門家が必要だし、感染などの医療に詳しい医学者が必要。
しかし、彼らだけで問題を解決できるわけではない。

たとえば、ロックダウンにより経済的に困っている人たちへ給付する政策を実行して、人々にどういうインセンティブを持たせれば効果が上がるか、という行動経済学とか、財政出動とその効果を測定するには、マクロ経済学とか、そういう経済学の専門家も必要。
そして、そういう経済政策や医療政策を実行するための正統性を確保するために、新しい法律を整備する法律家も必要。

たとえば、コロナ感染者が増加している状況で、コロナ感染者をスマホで追跡・隔離したり、検査した情報をクラウドの基盤に蓄積したり、刻一刻と変わる情報をWebサイトで収集・公開したり、各人に適切な給付金を配布するための一連の仕組みをWebシステムで構築したりするには、専門のIT技術者が多数必要になる。

つまり、それぞれの分野で一流の人を集めて、彼らを的確にアサインし、振ってくる問題をさばいていくことが求められる。
そういうことを実施する時、トップが全ての分野に精通して理解できるのは難しいだろう。
トップは全ての分野に精通した専門家ではないのだから。

では、そういうチームを編成して、問題を一つずつ解決していくことを成し遂げるには、何が必要なのだろう??
専門家でもないリーダーには、どんなスキルが求められるのだろうか?
どんなリーダーシップを発揮したら、問題となる状況を解決できるのだろうか?

何故ファシリテーションが流行しているのか?: プログラマの思索

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