経営・法律・ビジネス

2020/04/01

オンラインのリーダーシップとは何だろうか

リモートワークの推進によって、リーダーシップの振る舞い方も変わってきているように思う。
オンラインのリーダーシップの概念が必要になっているように思う。
ラフなメモ書き。

【1】リモートワークのノウハウについては、倉貫さんの会社が日本で一番持っているのではないだろうか。

[議論]新型コロナでリモートワーク急拡大、でも少し変じゃない?:日経ビジネス電子版

相手に「伝わる」ビデオ会議、14の鉄則。全社員リモートワークのソニックガーデンに聞く | iXキャリアコンパス

リモートワークで生産性を上げる仕組みやノウハウが非常に細かく書かれていて参考になる。
そんな記事を読んでいると、いくつか疑問が出てくる。

今までは会社、学校というオフラインの場所で、仕事や教育を行ってきたし、その仕組みに特化するように、洗練されていた。
しかし、昨今のコロナウイルス流行の影響でオフラインの場所を確保できない状況になり、一時的であっても、オンラインで仕事や教育を実施する必要性が出てきた。
すると、感染症が終わって正常の世界に戻った場合、既にリモートワークで生産性が上がっているならば、以前のオフラインの世界に戻る必要はない。
その意味では、現在の感染症は、オフラインの仕組みに依存してきたビジネスモデルそのものも劇的に変更されるだろう。
もはや会社や学校という物理的な場所はなくてもビジネスも教育が回るからだ。
感染症が終わった後の世界では、会社も学校も大きな環境変化が生じているだろう、と推測する。

【2】では、オンラインとオフラインの環境の本質的な違いとは一体何だろうか?

オンラインの作業についての問題点もいくつか出ている。
その問題点は、技術的課題と適応的課題の2つに分けられるだろう。

技術的課題は、オンラインのツールに慣れない、普及しない、環境が揃っていない、など、技術を克服すれば解決できるもの。
たとえば、「強い者や賢い者よりも変化に速い者が生き残る」という言葉は、まさに、オンラインの環境にいち早く適用した人ほどその利益を得やすい事実を示唆していると思う。

一方、適応的課題は、そういうツールや環境が揃ってきた上で、コミュニケーションや意思疎通をより深く太くしていく為には何が必要なのか、それぞれの現場や人、組織に依存したもの。
これらは、コンテキストに依存している場合が多いだろうから、出てきた課題を一つずつ皆で解決しながら、課題のレベルを上げていくしかない。

上記の記事を読んだ後、いかに一人ぼっちにさせないか、という仕組みが非常に重要になっているような気がした。
オンラインのリモートワークの環境になると、身近に物理的に人がいないので、困った時に声掛けできない。
そのために、Twitterのタイムラインのようなデータを流したり、顔を常時写したり、いろんな工夫がされている。

【3】僕が一番興味を持つのは、オンライン環境ではリーダーはどのようなリーダーシップを振る舞う動作が必要なのか、という問いだ。
あるいは、オンライン上のチームビルディングでは何が必要なのか、という問いだ。

倉貫さんの下記の意見に非常に興味を引いた。

(引用開始)
倉貫氏:改めて考えてみると、これまではなんて牧歌的な時代だったんだろうと驚きますね。チームビルディングを「同じ場所に集まる」という偶発的なものだけに頼って、ほとんど何もやらずにさぼってきたのかと、自分の反省も含めて思います。
(引用終了)

従来のチームビルディングの手法は、オフラインの環境に依存しすぎていないだろうか?
従来の手法をそのままオンライン環境に持っていっても、チームビルディングが上手く行かないのは明らかだろう。

【4】会社、役所、NPO法人、コミュニティなどの集団は、必ず何らかのトップとなる人がいて、彼らがその組織文化を生み出す責任を持っている。

組織文化はトップが作り出すものであり、その逆ではない、と僕は習った。
実際、どんな集団も共通目的があり、その目的に賛同した人たちが結集して、集団の目標を実現しようとする。
そういう集団を最初に作る創始者が組織文化を生み出し、メンバーとの化学反応を起こして集団をより進化させていく。

以前ならば、オフラインの空間では、実際に人が集まってトップの話をうやうやしく聞いたり、あるいは、実際にトップが自ら動いて汗をかく場面を見て、メンバーの貢献意欲が刺激されて、一致団結していく、などの事例があった。
しかし、オンラインでは、トップの行動も話も声もPCの画面を見なければ伝わらない。
TV演説に近い部分もあるかもしれない。
以前のオフラインのリーダーシップの発揮方法とは本質的に異なっている気がする。

特に、昔ながらのリーダーシップの発揮方法である「制度的リーダーシップ」は、オンライン環境では非常に難しくなっていると思う。
つまり、役職を前提としたリーダーシップは、オンライン環境ではその権力を影響させにくい。
オンライン環境では、社員が真面目に働いているのか、を管理職が逐一監視するのは難しいからだ。

制度的リーダーシップの考え方が何となくしっくりきた: プログラマの思索

最近では、トランプ大統領がツイッターでどんどん発言することで影響力を増しているように、オンラインのリーダーシップの発揮方法はいくつかのやり方があるように思う。
一方、オープンソースの開発のように、最終的に意思決定するリーダーがいたとしても、世界中に散らばった開発者の技術力を結集して、優れた成果物を作っていくやり方もある。

いずれにしても、まだ僕の中ではスッキリした答えは持っていない。
でも、世界を見渡せば、オンライン環境でもリーダーシップを発揮して、メンバーをあるべきゴールへ導くようにメンバーの意欲を向上させることができているリーダーもいる。
彼らはどんなやり方を使っているのか、そのやり方の本質的な特性は何なのか、考えてみる。


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2020/02/06

「確率思考の戦略論」の感想

「日本人の相手(欧米人)はサイコパスだと思った方がいい」という言葉が一番心に残った。

サイコパス性が強い人達は、冷酷非情な犯罪者だけでなく大企業の重役にも多いという事実。
彼らは、意思決定に感情を入れないことができるし、そのように鍛えられてきた。

近現代に米英のようなアングロサクソン系の組織が人類の中で突出してきた歴史を鑑みると、彼らは感情を排した合理的な意思決定ができる性質を他の民族よりも持っているのではないか、という仮説。
なるほど、彼らは、どちらが勝つか、を確率的に考える時、ルール自体を変えてしまい、今までの戦術を通用しなくさせてくる。
たとえば、日本の家電メーカーが世界を席巻していた時代の後、Appleを筆頭にデザインやマーケティングに注力して製造は中国台湾に委託し、デザインや規格をめまぐるしく変更して時代を席巻した。
そんな事実を振り返ると、日本人は戦術の局所最適化は無敵だが、ルール自体を変えてそういう戦術を無効にするように仕向けてくる。
そういう人たちと日本人は戦っているのですよ、という話が心に残った。



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2020/02/01

SDGsがISOのような世界基準になっている現象

先輩の方から「最近は、SDGsを理解しないとビジネスに付いていけない。SDGsの考え方はISOのような事実上の世界標準になっている」と聞いた。
SDGsの単語自体は時々聞くが、その重要性を先輩の方の意見を聞くまでは理解できていなかったと思う。
SDGsについて理解したことをラフなメモ書き。

【参考】
SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?17の目標をわかりやすく解説|日本の取り組み事例あり

SDGs(エスディージーズ)とは?17の目標を事例とともに徹底解説 | 一般社団法人イマココラボ

世界のSDGs達成度ランキング、日本は15位 昨年と変わらず | SUSTAINABLE BRANDS JAPAN

(引用開始)
2017年には11位だった日本だが、2018年と同様に今年も15位だった。日本にとって最大の課題と指摘されている目標は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。

細かい評価項目を見ると、女性国会議員の数の少なさ、男女の賃金格差、無償労働を行う時間の男女格差、全エネルギー消費のうち再生可能エネルギーが占める割合、パルマ比率(上位10%の所得層が得ている所得と下位40%の所得の比率)、電気電子機器廃棄物の量、輸入食料・飼料に伴う窒素排出量、エネルギー関連のCO2排出量、車両以外の機器に使われるエネルギーから出る炭素比、水産資源の乱用、絶滅の恐れのある種のレッドリスト、金融秘密度指数などが「最大の課題」と評されている。

報告書は、日本に関して、経団連がSDGsの達成を企業行動憲章に盛り込み、SDGsの達成を目指すよう大号令をかけたことで、日本企業がSDGsの掲げる課題領域において技術革新を進めていることを注目すべき事例だと評価している。
(引用終了)

【1】なぜ、SDGsを理解することが最近は重要になっているのか?
理由は、SDGsのルールで世界の政治・経済・法律などがどんどん切り替わっているからだ。

その例はいくつかある。
例えば、昨今の働き方改革、育休の推進、女性活躍の推進は、SDGsの「ジェンダーの平等」「健康と福祉」「働きがい」に相当するだろう。
SDGsでは国ごとに数値目標が掲げられているので、その数値を達成するために、政府は法律や予算、権力を使ってでもやり遂げようとする。
その一環として、昨年4月の働き方改革のような厳しい法規制も施行された、と理解できる。

女性活躍の推進も、単に人道的配慮だけでなく、SDGsの「ジェンダーの平等」の一環として、その数値目標が掲げられている。
女性管理職の占める割合、国会議員の女性に占める割合など、女性の活躍を測定する数値目標はあるので、政府は何としてでも達成しなければならない。

例えば、再生エネルギーの推進もSDGsの「気候変動」「つくる責任つかう責任」に相当するだろう。
日本では、原発が止まり再生エネルギーも普及できておらず、これ以上の省エネ化も難しい現状なので、その数値目標達成するのは難しい。
日本の経営トップが、効率の良い石炭火力を推進します、と言っても、誰からも見向きもされない。

直近1年間で特に、欧米で電気自動車がガソリン車よりも売れ行きが良くなっている背景には、SDGsが背景にあると理解してもいいと思う。
自動車業界におけるテスラの躍進、配車サービスのUberの躍進、などもそういう一連の流れにあると見てよいだろう。
他にも、プラスチック廃棄をなくすこと、欧米ではペットボトルをなくして、マイボトルを持ち運ぶ風潮になっていること、などもSDGsの一環だろう。

つまり、世界の世論もSDGsに掲げられている価値観に共感しているので、そういう方向にマーケットも影響させられているわけだ。

そういう風潮の結果、欧米の金融機関や年金基金などの機関投資家は、SDGsに従わない企業には投資しない姿勢を見せている。
つまり、再生エネルギーを推進せずCO2を増やすようなメーカー、従業員を大切にせず取締役会に女性などの多様性がない企業は、市場から今後淘汰されてしまうリスクがある。

【2】では、SDGsは日本人や日本企業にどんな影響を与えているのか?
現状では、日本人の価値観も日本企業の対応もSDGsに追随できているとは言えないと思う。

昨今の働き方改革も、日本の市井の人々が声を上げて実現した、というよりも、そういう世界の流れを受けてトップダウンで実行した、というように感じられる。

つまり、SDGsによって、世界の市場経済や政治のルールが変わってしまったのだ。
その変化に追随できなければ、欧米だけでなく他国との競争にも負けてしまう、という危機感が政府にあるのかもしれない。
しかし、長年の価値観をいきなり変えるのはいくら日本人でも難しい。

そういう風潮を見ると、ISO9001やCMMIが一斉を風靡した時に、日本メーカーやSIがそれに対応しようと四苦八苦したものの、実際はそれほどの効果が得られなかった、という既視感を感じる。
欧米人は市場経済や政治のルールをいきなり変えて、それまで他国が優位にあった状況を変えようとする施策が上手いように思える。
一方、局所最適化には滅法強い日本人には、こういうルール変更という戦略に追随して全体最適を図るのはあまり得意でない気がする。

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2019/06/14

キャズムの感想~イノベータ理論とホールプロダクト理論

キャズムの本がとても面白かったのでメモ。
キャズム理論は、イノベータ理論とホールプロダクト理論から成り立つことがようやく分かった。
以下、自分のためのメモ。

【参考】
ジェフリー・ムーアとマーケティングバイブル | ノヤン先生のマーケティング講座 | 講座 | マーケティングキャンパス

キャズム(きゃずむ) - ITmedia エンタープライズ

キャズム理論とは-ハイテクマーケティングの定番 | カ行 | マーケティング用語集 | 株式会社シナプス

イノベーター理論 | ア行 | マーケティング用語集 | 株式会社シナプス

製品戦略(プロダクト戦略) | サ行 | マーケティング用語集 | 株式会社シナプス

プロダクト3層モデル(製品戦略分析) | ハ行 | マーケティング用語集 | 株式会社シナプス

「キャズム」とは。イノベーションを起こすプロダクトが必ず通る道 - 論理と情緒と情熱と。

『キャズム』にみるプロセス改善の普及策 - Qiita

【0】キャズム理論は、主に製品の技術進化の激しい「ハイテクマーケティング」で適用できる理論

キャズム理論のアイデアは、イノベータ理論のベルカーブ、ホールプロダクト戦略などの過去の理論をIT製品マーケティングに適用しただけ、とみなすならば、おそらくそれほどの新規性はない、と理解できる。
一方、そういう既知の理論をIT製品マーケティングに適用することで、IT業界特有の要素、つまり、技術変化が激しく常にイノベーションを強いられる特徴を持つ場合、キャズム理論のマーケティングは非常に有効だ、と理解できた。

実際、僕が経験するIT業界では、メインフレーム→クラサバ2層方式→Webシステム→スマホ・クラウド→AI・機械学習のようにどんどん最先端の技術が進化している。
その技術進化によって、過去にヒットした技術はコモディティ化を強いられ、主流の製品から崩れ落ち、イノベーションのジレンマに陥る。
典型定期な例は、IBMのように思える。
たとえば、2000年初頭の頃は、LinuxやJavaで輝かしく見えたIBMも、今はGAFAの後方位置に強いられている。

よって、そういうIT業界では、キャズム理論を使って、新製品をいち早く市場に浸透・普及させて、ベネフィット(利益)をいち早く獲得すること、そして、そのベネフィットを得ている間に、次の時代の新製品開発を準備して新たな市場浸透戦略を打ち立てることが重要になる。

つまり、IT業界にいる企業の事業は、おそらく10年くらいしか寿命がないので、その間にキャズム理論を使って既存顧客から十分なベネフィットを得ること、そしてそのベネフィットを元に次世代の新事業を探し出し、キャズム理論を適用して市場浸透して、新たな顧客を増やして市場を拡大していくことが重要なわけだ。

【1】キャズム理論が流用する理論~イノベータ理論のベルカーブ

イノベータ理論のベルカーブは元々、「農村で農業に関する新しいイノベーション、つまり新しい農法や農機具、改良された品種などが入ってきて、それが地域に普及していく過程」から生まれた経験則。
つまり、イノベータ理論は農業の新技術がどのように普及していくか、という理論だった、という点が面白い。

(引用開始)
イノベーター理論の面白いところ、実務に使いやすいところは、「イノベーター:2.5%」「アーリーアダプター:13.5%」「アーリーマジョリティ:34%」「レイトマジョリティ:34%」「ラガード:16%」というように、各分類の割合が決まっていることです。
もちろん製品によって多少の前後はありますが、「どんな新商品の普及でも同じ割合と考えてよい」というのは重要な点です。
つまり、仮に市場全体のパイ=100%が計算できれば、現在の市場がどの段階にあるのか予想がつきます(15%ぐらい普及しているから、そろそろアーリーマジョリティに広がってきているころだ)。
つまり、これにより普及率を予測し、今どの分類の顧客がメインか、その顧客に対する最適なプロモーションミックスは何か?とマーケティング施策を考えることができます。
(引用終了)

つまり、自社の製品を販売しようとする時、製品を受け入れてくれる顧客・市場はどんな状況なのか、をイノベータ理論は教えてくれる。
もし、自社製品の市場シェアがアーリー・アダプター段階ならば、キャズムという壁にぶち当たるだろう。
一方、アーリーマジョリティー段階ならば、キャズムを既に超えているので、今後は積極的なマーケティングによって、どんどんベネフィットを獲得できる嬉しいタイミングになるわけだ。

【2】キャズム理論は、イノベーション普及のボトルネックを指摘した

「マーケティングの世界では長い間、このベルカーブの最初のイノベータとアーリー・アドプターを足した全体の16%のポイントを「クリティカルマス」と呼び、ここまで普及させることが出来れば後は一気にマスマーケットに普及すると言われてきた」。
よって、新製品を新市場にいち早く販売する時、いかに早くクリティカルマスに到達すべきか、を考えてきた。
この考え方は、たぶん、普通の人たちでも知っている常識かもしれない。

しかし、キャズム理論では、この経験則をハイテクマーケティングに取り入れた場合、「BtoB、特にハイテク市場においてはこのクリティカルマスは必ずしも存在せず、逆にこの16%のところに大きな亀裂(キャズム)が存在し、多くの製品・技術・企業がそこに落ちて這い上がれずに消えて行っている」ことを指摘した。

つまり、提唱者のムーアはシリコンバレーのハイテク企業でのキャリアの中でこれを発見したので、経験則なわけだ。

【2-1】では、なぜ、ハイテク市場では、アーリー・アダプターとアーリーマジョリティーの間にキャズムが発生するのか?

理由は、アーリー・アダプターとアーリーマジョリティーという顧客層は、心理変数が大きく異なるだけでなく、アーリー・アダプターのマーケティング戦略がアーリーマジョリティーのそれに適用できない弱点があるからだ。

【2-2】まず、ベル・カーブのイノベータ、別名「テクノロジーマニア」は新技術の造詣が深い心理変数を持つ顧客層。
ここから新製品を販売する。

次に、アーリーアダプター、別名「ビジョナリー」は、先進的でイノベーションのリスクを取ることができ、単なる改善ではなく、事業のブレークスルーを求める顧客層。
アーリー・アダプターは、新しいテクノロジーが自社の企業戦略に合っているかどうかを洞察し、このイノベーションの導入によりどんな夢が実現できるかを深く考える心理変数を持つ。
よって、アーリー・アダプターの顧客は技術に詳しくなるし、サービス提供者に自社の企業戦略に沿った機能を入れるように要求してくる時も多い。
「ビジョナリーの特徴として、「先進事例として紹介されることを好むこと」「価格に対して他の顧客グループに対して寛容であること」があげられます。」
まさに、アーリー・アダプターは「革新者」にふさわしい。
たぶん、アジャイル開発は、こういう顧客が一番向いているのではないだろうか。

一方、アーリーマジョリティー、別名「実利主義者」は、新しいテクノロジーを使ったリスク取得は好まず、成果が得られる実利を求める心理変数を持つ。
よって、アーリーマジョリティーは、他のユーザ企業がどのように新しいテクノロジーを使用しているのかを知りたがり、マーケットリーダーの製品・サービスを購入したがる。
また、サービス提供者同士を競争させたがる傾向がある。
つまり、実利主義社の特徴として、「他社の成功事例が紹介されることを好むこと」「価格に対して非常に敏感であること」があげられるだろう。

日本なら、大企業や官公庁のように、前例がなければ新技術は導入できない、という事象に似ている。
また、発注や入札のように、必ず複数のベンダーに相見積もりさせようとする事象に似ている。
たぶん、アーリー・アダプターは「発注者」にふさわしい。

【2-3】したがって、革新者であるアーリーアダプターと、発注者であるアーリー・アダプターは、心理変数が非常に大きく異なるので、アーリー・アダプターに通用した技術やサービスは、そのままの状態ではアーリーマジョリティーに適用できないことになる。

キャズム理論では、ベル・カーブに対応する各顧客層の心理変数を、ハイテク製品・サービス向けに具体化したこと、ビジョナリー(アーリーアダプター)と実利主義者(アーリー・マジョリティー)の心理変数に大きな差異があるのでそのままマーケティング戦略を適用拡大できない点、が独創的で面白い。

【3】キャズムを超える製品戦略~ホールプロダクト理論

キャズム理論の功績は2つある。
一つは、「イノベータ理論を適用してハイテク市場にキャズムがあることを発見し実証したこと」。
もう一つは、「キャズムからの脱出方法をイノベータ理論の各顧客層ごとに、ホールプロダクト理論を組合せて考案したこと」。

イノベータ理論の各顧客層の心理変数が異なる特徴に対し、それぞれの顧客層に合ったマーケティング戦略を行う必要がある。
では、どんなマーケティング戦略が必要なのか?

キャズム理論では、各顧客層の製品戦略にホールプロダクト理論を適用して、製品の特性と顧客の心理変数の組合せに着目させる。
ホールプロダクトの機能充実度では、コアプロダクト < 期待プロダクト < 拡張プロダクト < 理想プロダクト になる。

イノベータ、アーリー・アダプターは、技術優位性を持つコアプロダクトさえアピールすれば、期待プロダクト、拡張プロダクトの要件は、顧客が自ら申し出してくれる。
「イノベーター・アーリーアダプターに対しては多少使い勝手が悪くても、斬新で未来を変革するパワーを秘めているならば、不便な点は創意工夫して利用」してくれる。
製品ベンダーは、製品開発に専念しやすい。
アーリー・アダプターはプロダクトオーナーの役割を自ら背負ってくれるので、製品ベンダーと一体化したチームを作りやすい。

一方、アーリーマジョリティーは、「①具体的かつ実利的な目に見える成果②工夫なしに簡単に使えるユーザー・インターフェイス③過去の実績(信頼できるかという尺度)」をベンダーに要求してくる。
つまり、「アーリーマジョリティの層が製品の完全パッケージを要求していることにほかならない」。
彼らは、昨日の成果が直接分かる期待プロダクトはもちろん、予備知識無しで簡単に操作できる拡張プロダクトまで要求してくる。
さらには、iPhoneエコシステムのAppStoreのように、ユーザのカスタマイズ要望を自由に実現できる仕組みまで要求してくるかもしれない。
それは、理想プロダクトに相当する。

よって、アーリーマジョリティーの要求に対応するには、彼らの要望を引き出し、製品に機能を漸進的に反映していく開発スタイルが求められる。
また、彼らは成功事例に弱いので、数多くの利用事例を提供して実績を作る販売マーケティングも求められる。

【4】アーリーマジョリティーを攻略するマーケティング戦略~ボーリングレーン

イノベータ、アーリー・アダプターは市場の16%に対し、アーリーマジョリティーは34%も占める大きな市場。
アーリーマジョリティーの顧客層は多種多様なので一筋縄ではいかない。

そこで、キャズムでは、アーリーマジョリティーを攻略するマーケティング戦略として、ボーリングレーンに例えている。
「市場を細分化して、まず1番ピンに相当する市場を攻略し圧倒的シェアを獲得する。その後、隣のセグメントに波及していくという戦略」だ。
つまり、アーリーマジョリティーのうち、ニッチな市場を定めて「小さな池で大きな鯨になる」戦略を採用し、その後、ニッチ市場の成功事例を隣のセグメントへ展開して、浸透させていく。

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2019/05/31

IOTは組立加工工場を中央制御型工場へ変える

ラフなメモ。
IOTはなぜ流行るのか?
下記の記事を読んでようやく分かった。

【参考】
お知らせ:「化学工学」誌に論文『ディスクリート・ケミカル工場の生産システムを考える 』が掲載されました : タイム・コンサルタントの日誌から

90年代までに日本の製造業の工場は、FA、FMS、CIMなどで既に、生産工程はほぼ自動化されている。
しかし、上記の記事から推測すると、組立加工の製造業のほとんどはたぶん、中央制御型工場ではなく、現場や各工程に分権化されている。
一方、化学プラントなどのプロセス系工場では、中央制御室による中央制御型工場が既に実現されていた。

では、なぜ、組立て加工の工場は、化学プラント工場のように、中央制御型にできないのか?
上記の記事では、工場設計の「アーキテクチャーの差異が、じつは扱うマテリアルが流体か固体かという、単純な違いに起因する」と主張する。

しかし、昨今のIOT技術を用いると、「従来モジュラー型でしか設計し得なかった組立加工系の工場を、インテグラルなシステムに変える潜在的可能性を持っています。この可能性に早くから着目したのが、ドイツの「インダストリー4.0」構想でした」。

つまり、IOT技術を駆使すれば、工場は完全無人化、完全自動化を実現できる可能性があるわけだ。
実際、Amazonの物流倉庫は完全自動化を目指しているわけだから、工場でも可能なはずなわけだ。

一方、日本の製造業の現状として、バブル崩壊後ずっと、過剰生産による設備投資に悩まされてきたので、生産設備の改善が停滞していた。
しかし、昨今のIOT技術の隆盛によって、ドイツがこの可能性にいち早く着目して政府主導で行った結果、実は日本は遅れていたのではないか、という見方が日本のメーカーでも強まってきた、というストーリーなのだろう。

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規模の経済と経験曲線効果のメモ

規模の経済と経験曲線効果は、どんな事業を起こすにしても、必ず使うビジネス上の経験則と思う。
以下は自分が理解したラフなメモ書き。
間違っていたら後で直す。

【1】規模の経済と経験曲線効果の違いは何か?

「規模の経済」とは、生産規模の拡大により、単位当たりの生産コストが低くなる事。
「経験曲線効果」とは、製品の累積生産量が増加するに従い、製品1単位当たりの生産コストが一定割合で減少すること。
つまり、規模の経済はハード面、経験曲線効果はソフト面に相当する。

規模の経済は、大企業なら大規模な資金を設備投資に振り向けることで実現できるが、中小企業には難しい。
しかし、経験曲線効果なら、中小企業でも、同一の製品の生産を繰り返し行うことで、作業員の経験値が上がることで、コストを下げることができる。

【2】規模の経済は、どんな業界に使われているのか?

たとえば、製造業のように、工場の設備投資と生産工程の標準化活動で成果を出しやすい。
また、規模の経済と経験曲線効果は製造業だけでなく、他の業界でも通用する場合が多い。
たとえば、コンビニや外食チェーンのようなフランチャイズ系列でも、大量仕入れによる原価低減と多店舗展開における販売サービスの標準化にも見られる。
つまり、小売・卸売業などでも、規模の経済の発想は使われている。
労働集約型の業界でも、経験曲線効果をいかに引き出すか、という視点の改善活動は必要らしい。

【3】規模の経済は、資本主義にとってどんな意義を持つのか?

おそらく資本主義というシステムは、設備投資効率を向上させてきた歴史がある。
その要因の一つには、規模の経済によるコスト低減効果があったからではないか。
実際、20世紀の歴史を振り返ると、銀行が全国民から貯蓄を収集し、そのお金で製造業へ大規模な設備投資を行い、大量生産してきた。
その結果、企業も政府もどんどん大規模になり、最終的にはとてつもない大規模な官僚制組織になった。

資本装備率(しほんそうびりつ)とは - コトバンク

(引用開始)
労働量に対する資本量の比率。正しくは労働の資本装備率,あるいは資本集約度という。
資本装備率は個別企業としても,また産業別にも,あるいは国民経済全体としても計測されるが,いずれにせよ雇用労働者数を L ,資本設備額を Kとすれば,この比率は K/Lとして表わされる。
資本装備率の上昇は生産力の増大を意味し,資本主義的経済発展は絶えずこの比率を上昇させる傾向にある。
(引用終了)

よって、規模の経済は資本主義の要となる重要な考え方ではないか?

【4】規模の経済に限界はあるのか?

ある一定規模までは、設備投資や経験曲線効果は有効に作用するが、いずれ壁にぶち当たる。
その壁にぶち当たるまでは、企業は価値連鎖となる工程や活動だけでなく、付随する活動も自社で内製化・内部保持する事で、規模の経済を活かそうとする。
たとえば、以前の日本の製造業では、本業の自動車・電気製品の事業だけでなく、従業員の出張サービスや娯楽サービスなどに至るまで事業として内製化してきた。
そういう事業として内製化した理由はおそらく、規模の経済のメリットを活かすためだったのだろう。

しかし、『プラットフォーム革命』によれば、人員や有形固定資産に縛られること、組織が大規模化することで複雑化する為に、規模の経済の効果は限界にぶち当たる。

プラットフォーム革命の感想~プラットフォーム企業は新たな独占企業である: プログラマの思索

【5】規模の経済が活用できない業界はあるのか?

労働集約的な業種では、規模の経済・経験曲線の効き目は小さいだろう。
サービス業や、会計事務所・病院などのようなプロフェッショナル官僚制組織では、組織の大規模化による規模の経済のメリットが薄いかもしれない。

特に、ソフトウェア開発では、人月の経験則のように、大量の人員による開発は生産性のさらなる低下を生み出すことは既に知られている。

ソフトウェアの複雑性は本質的な性質であって偶有的なものではない: プログラマの思索

一方、IT業界では、限界費用がゼロに近くなり、収穫逓増の法則になる。
たとえば、『プラットフォーム革命』のストーリーでは、IT業界におけるGAFAやBATのようなプラットフォーム企業では、人員や設備などの有形固定資産が無い為、限界費用はゼロとほぼ同じくなるので、規模の経済の限界がないと考えられる。
よって、プラットフォーム企業による自由競争の結果、唯一の企業による自然独占になり、市場と同規模になるまで成長することで、小国のGDPに相当するくらいの独占企業が生まれることになる。

プラットフォーム革命の感想~プラットフォーム企業は新たな独占企業である: プログラマの思索

【6】規模の経済は経済学の考え方と矛盾するのか?

マクロ経済学のどこがヤバいのか

ミクロ経済学の基本的な考え方の一つに、「需要と供給の均衡」がある。
一般に、消費者の需要と生産者の供給量は、交差する1点、均衡価格に必ず落ち着く。

その考え方の前提には、「限界効用の逓減」「限界費用の逓増」の2つがある。
「限界効用の逓減」は分かりやすい。
たとえば、消費者にとって、生ビールの1杯目は美味いが、5杯、10杯と飲み続けると限界効用は低減する。

「限界費用の逓増」は「収穫逓減」と同じ。
たとえば、農業のように、肥料や労働者を増やしても、土地の面積は限界があるので、費用の増加分よりも産出量は少なくなる。

一方、規模の経済の概念はまさにその真逆で、たくさん作るほど「限界費用は低減」していく。
生産者にとって、同一製品を大量生産・同一原材料を大量仕入れすることは、規模の経済により限界費用は低減し、コスト削減につながる。
つまり、「限界費用の逓増」は規模の経済と矛盾する。
この部分はどうつじつまを合わせるように考えたら良いのか?

おそらく、平均費用のグラフを使って、ある一定規模までは「限界費用は低減する」が、上限を超えると「限界費用は逓増」する、と考えることで折り合いを付ける。

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2019/02/11

法律のケース問題をモデル化するアイデア

法律のケース問題を図解する事例を、ネットサーフィンしながら見つけたのでメモ。
アイデアをラフなメモ書き。

【参考】
中小企業診断士試験 一発合格道場 ≫ Blog Archive ≫ 【法務】ケース問題を打破する図解術

UMLの概念モデルで法律を理解するアイデア: プログラマの思索

法務脳の作り方part1: プログラマの思索

【1】上記の記事によると、法務のケース問題を図解するパターンは2つある。

【1-1】一つは、民法のように「誰がどんな権利を主張できるか」のケース。
重要ポイントは、利害関係者とその権利・義務の関係を明確にすること。
つまり、利害関係者の関係を明確にできるようにモデル化すること。

なぜなら、民法では、被害者・加害者、あるいは背信的悪意者のようなステークホルダーのうち、誰が権利を持っているのか、権利を主張できるのか(対抗要件)をケースごとに見抜くのが重要だからだ。

(引用開始)
1. 図解術その1~登場人物を整理してみる
冒頭にトラブルについての長い状況説明があり、「どのような権利を主張できるか」等の設問があるタイプの問題です。
主に民法関連の問題に多い形式です。

例として、H18年度の第9問-設問1を見てみましょう良い
不法行為と債務不履行の問題です。
(中略)
「X社が主張できるもの」を問われているので、X社をとりまく登場人物とその関係を図で整理してみます
(中略)
作図する際に意識した点は、大きく以下3点です。

・登場人物を明確にする (X社/Y/Z社/B社)
・登場人物の属性を示す (X社はライセンス利用者/Yは保持者/等)
・登場人物の関係性を示す (ライセンス契約/等)

このように登場人物が多く事象が複雑な場合には、一目で全体を俯瞰できることが重要なポイントになると思いますキー
(引用終了)

【1-2】もう一つは、知的財産法のように「ある時点で権利の出願を行うが、他社より「権利侵害である」と言われる」ケース。
重要ポイントは、時系列で権利の出願・公開・侵害の申請などのイベントを整理すること。
なぜなら、「多くの知的財産権は、基本的に”先願主義”を取っているため、誰の行動が一番先なのかを意識することが重要である」ためだ。

(引用開始)
2. 図解術その2~時点を意識する
知的財産権関連の問題に多い形式、過去のある時点で権利の出願を行うが、他社より「権利侵害である」と言われるようなタイプの問題です。

例として、H21年度の第9問を見てみましょう
商標権の問題です。

商標権登録を行うためにライバルであるD社への対処を問われているので、C社とD社の現在までの行動を時間の流れと共に整理してみます。
例えば、こんな感じです。

作図する際に意識した点は、大きく以下3点です。

・誰が (C社またはD社)
・いつの時点で
・何を始めたのか

多くの知的財産権は、基本的に”先願主義”を取っているため、誰の行動が一番先なのかを意識することが重要であると思っています
(引用終了)

【2】上記の事例より、下記でまとめられるだろう。

・民法は「利害関係者の図」が有効。
 なぜなら、権利・義務・対抗要件を明確にしたい為。
 →パッケージ図、クラス図、ユースケース図、コラボレーション図が有効か?

・知財は「イベントの時系列」が有効。
 なぜなら、先願主義なので、誰の行動が一番先なのかを明確にしたい為。
 →アクティビティ図、タイミング図?

過去にも、UMLの概念モデルで法律を理解するアイデア: プログラマの思索で、刑法の概念をクラス図でドメインモデルで描いてみる、という事例もあった。

この辺りを整理してみたいと思う。

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2018/11/25

プラットフォーム革命の感想~プラットフォーム企業は新たな独占企業である

『プラットフォーム革命』を3回以上読み直した。
ようやく、昨今のGAFAのようなプラットフォーム企業が何故、収益力だけでなく、これほどまでに政治的影響力を強めているのか、何となく理解した。
以下は、自分の浅はかな理解に基づくメモ。

【参考】
『プラットフォーム革命』――プラットフォーム・ビジネスの脅威を機会に変えるために | GLOBIS 知見録

「プラットフォーム革命」を読んでAmazon、Facebook、Uberのビジネスモデルを理解する | Synapse Diary

【1】プラットフォーム企業は、独占企業そのもの

(引用開始)
Modern Monopolies――同書の原題だ。直訳すると「現代の独占」だが、このタイトルこそ、本書の特徴をよく説明していると思う。
実際、アップルやアマゾン、グーグルなど大手プラットフォーマーが世界の時価総額ランキングに名を連ね、世界を支配していると危惧する声が毎日のように聞こえてくる。
(引用終了)

ゼロ・トゥ・ワン」にも似たような話「収益の安定した企業になるなら、独占企業になって、独占利潤を取れ」があったけれど、正直分かりにくかったが、『プラットフォーム革命』を何度も読みなおして、ようやく理解した。

【2】僕が『プラットフォーム革命』が素晴らしいと思う点は、経済学の概念を用いて、プラットフォーム企業のビジネスモデルと経営戦略を徹底的に分析し、その本質を導いているからだ。
具体的には、従来の直線型企業の象徴である製造業、特に、自動車業界のビジネスモデルと、プラットフォーム企業のそれを比較対比することで、プラットフォーム企業の特徴とその利点を鮮やかに説明している、と考える。

以下、経済学の用語を中心に拾いながら、自分のメモと自分の理解を書いてみる。

【2-1】完全競争の業界、市場では、どの企業も利潤がない。
レッドオーシャンの世界。

【2-2】完全な情報がある前提では、計画経済と市場経済は、その双方ともに効率性が同じ、という理論が既にある。

しかし、現実は、市場経済の方が計画経済よりも効率的だ。
その理由は、入手される情報は不完全な場合がほとんどなので、ローカルな情報を市場でやり取りすることで、需要と供給の均衡を図るから。
この時、需要と供給が均衡する点が、取引される価格になる。
よって、市場経済は価格システムでもある。
つまり、市場経済は、価格という指標・尺度の変化を記録するシステムそのもの。

しかし、『プラットフォーム革命』のストーリーでは、プラットフォーム企業は、取引の履歴、購買履歴、個人情報などを完全に把握でき、そのビッグデータを分析することで、「完全な情報」という概念を現実化できる。
たとえば、Amazonの購買履歴、Facebookの個人情報、Appleのクレジットカード情報、Googleの検索履歴。
昨今では、Facebookの個人情報が悪用されて、トランプ大統領を生み出した現象があったから、その主張はあながち嘘とは言えないと思う。

よって、プラットフォーム企業は「中央集権的な計画経済」から成り立っており、それゆえに独占企業となり、勝者総取りの結果として、独占利潤を独り占めできる。
だから、米国のGAFA、中国のBATの企業価値は、小国のGDPくらいの大規模な価値を持つ。
(但し、自然独占の結果だよ、と『プラットフォーム革命』では言う)

【2-3】製造業のような従来の企業のビジネスモデルを経済学の観点から理解するには、二つの観点がある。
一つは、コースの定理。

市場経済では、取引費用というコストと、情報の欠乏を最小化するために、企業という組織が組織化される。
企業は、市場で取引するよりも、社内でやるほうが効率的ならば、内製化し、それ以外の活動は外部委託する。
企業は、事実上、巨大な市場経済の中に存在する小さな計画経済。

【2-4】もう一つは、ポーターのバリューチェーン。他に、規模の経済や経験曲線効果。

規模の経済は、たくさん作るほど製造原価は急激に下がる、というハード面のやり方。
経験曲線効果は、たくさん作るほど、従業員の能力も製造工程も学習されて、製造原価は急激に下がる、というソフト面の考え方。
つまり、大規模な設備投資でコスト優位性をもたらす手法。

規模の経済や経験曲線効果は、特に自動車から半導体装置に至るまでの製造業の根本思想。
外食産業のチェーン店、コンビニのフランチャイズチェーンも、同様の発想。

また、ポーターのバリューチェーンでは、企業は、研究開発→製造→販売・マーケティング→保守サービスという一連の活動から成り立ち、その活動の連鎖で付加価値を付けて、高いアウトプットを出す。
その時、コースの定理と組み合わせれば、価値連鎖における活動の結びつきの最適な組み合わせを実現し、最小限のコストで最大の価値を生み出すことが企業の競争優位上の目的になる。

よって、企業が価値連鎖に様々な活動を内製化して取り込むのは、外部委託するよりも社内の活動にした方が効率的と判断している。
特に、製造業では、さらに規模の経済と組み合わせて、大規模な設備投資でどんどん巨大化し、官僚的な組織になることで、大きな企業価値を生み出し、独占企業となってきた。

しかし、こうした大組織であっても、ある一定の規模を超えると、組織内で情報流通のコストが大きくなり、独占を下回る水準で成長の天井にぶち当たる。

【2-5】コースの定理、ポーターのバリューチェーンが発生する問題意識は、市場が効率的ならば、なぜ会社という企業は存在するのか、企業は市場にどんな価値をもたらすのか、ということ。
つまり、経済学の観点では、企業の存在価値とは何か。

コースの定理では、企業は自社の内部に活動を取り込んで内製化する方が効率的だから、存在する、と。
たとえば、大手製造業が数多くの子会社として、ソフトウェア開発、金融保険、食事サービス、果ては従業員の娯楽サービスに至るまで抱えている理由は、内製化して、連結企業グループ内でお金をやり取りする方が、売上も利益も増えるから。

しかし、『プラットフォーム革命』のストーリーでは、20世紀のこの前提は、プラットフォーム企業の出現で崩れた、と言う。

【2-6】プラットフォーム企業は「自然独占」の結果である。
つまり、市場経済の熾烈な競争を経た結果で生まれた「独占」であり、悪い事象ではない。

普通、独占・寡占の企業と言えば、電気・ガスのような固定費が大きい企業とか、法規制で縛られた業界が多いが、プラットフォーム企業は自由な競争の結果の独占企業。

プラットフォーム企業は、今までになかった市場を作り出すことで、新しい価値を生み出してきた。
たとえば、Facebookの個人情報の取扱いを嫌う人は多いかもしれないが、Facebookが自社の利益以上に、人々に多くの経済的・社会的価値をもたらしてきたことは否定出来ないはずだ。

プラットフォーム企業のインパクトは、経済インフラが確立されていない国ほど、強力に感じられる。
たとえば、アリババは中国のデジタル経済の誕生にかなり貢献し、おかげで最辺境の人も自由に商品を購入できるようになった。
一方、日本ではATMが普及しているおかげで、キャッシュレスやカード払いが浸透せず、プラットフォームの恩恵が少ない。

丁度、IT技術は、先行者利益ではなく、後発者利益の方が大きい、という考えに似ている。
特に日本は、プラットフォームビジネスのような新しいビジネスに設備投資すべきなのに、古いレガシーな基幹系システムを数多く抱えているために、IT予算はシステム保守のほうが圧倒的に多い。

【2-7】インターネットとコネクテッド革命は、規模の経済と価値連鎖の概念を根底から覆した。
「計画経済の立案者は大規模な経済活動を効率的に調整できない」というハイエクの主張を無効にした。

昔と今の唯一の違いは、計画立案者が政府の官僚ではなく、プラットフォーム企業が持つアルゴリズムやソフトウェア(検索エンジン、協調フィルタリングなど)になったこと。

面白い点は、共産主義の計画経済では、市民は権力者に反抗していた一方、GoogleやAppleの利用者は、自分がエンパワーされた気持ちになり、彼らの信者になっている。

だから、FacebookやAmazonなどのプラットフォーム企業は、自分達が生み出したマーケット内のルールや規制に相当な労力を費やして、質を高めようとしている。
その努力は、政府の公共政策に似ている、と感じる。

【2-8】プラットフォーム企業の経済活動は貿易利益。
Amazonもアリババも、何もない所から莫大な利益を生み出している。

丁度それは、江戸時代の紀伊国屋文左衛門が、紀州のみかんを江戸で売り、江戸では鮭を買って大阪で売って巨額の利益を得た、という話と同じ。
つまり、貿易という交換作業をプラットフォーム上で大規模に取引することで、莫大な利益を生み出している。

【2-9】従来のビジネスは、限界費用はゼロにはならない。
20世紀の製造業では、ビジネスをスケールするには、需要を喚起する費用と供給コストをどれだけ下げられるか否かにかかっていた。
つまり、製造原価を低減するために、規模の経済を活かすし、価値連鎖の概念を用いて内製化された活動を効率化する。
たとえば、フォードの大量生産、トヨタのJIT、マクドナルドのフランチャイズチェーンなど。

つまり、このビジネスモデルでは、生産工程を管理することで価値を生み出すので、商品をもっと売るには、莫大な設備投資を行い、生産能力を高めなくてはならない。
だが、物理的な資産と人員はスケールしにくい。

しかし、インターネットの普及、スマホの普及で大きく変わった。
現代の情報商品を流通させるには、コピー代はほぼ0円なので、限界費用は基本的にゼロ。

インターネットを使った低コスト流通を早い段階から活用し始めたのがSaaS企業。
しかし、ソフトウェア開発という初期費用、固定費はまだかかる。

一方、プラットフォーム企業では、生産も在庫も必要ない。
自社のプラットフォームで生産者と消費者という二つの顧客を抱えるので、最初にプラットフォームというシステムを作る固定費さえかければ、その後は、生産者と消費者の取引量が増えて貿易利益が指数関数的に増えるので、サプライサイドは生産者がどんどん取引できる商品やサービスを提供してくれるようになるから、サプライサイドの供給コストも限界費用をほぼゼロにできる。

つまり、プラットフォーム企業の費用構造では、保有する資本は非常に少なく、製造業よりもはるかに投資利益率ROICが高い。
このロジックのおかげで、プラットフォーム企業は理論的には市場そのものと同規模まで拡大できる。
だから、GAFAやBATの企業価値は、小国のGDPをはるかに凌ぐまでの大規模な経済になっているわけだ。

【2-10】プラットフォーム企業では、規模の経済ではなく、ネットワークの経済が根底にある。
生産者と消費者という二つの顧客を抱えて、彼らが取引することで貿易利益を得る。
だから、彼らの取引量を増やすことが重要になってくる。

プラットフォームとは、取引の生産工場。

【2-11】プラットフォームビジネスの構築の最初の問題は、クリティカルマスをいかに増やすか?

プラットフォームでは、生産者と消費者の合計参加者であるクリティカルマス(最小必要人数)をいち早く超過することが最初の重要な問題になってくる。
生産者を先に増やすのか、消費者を先に増やすのか?

一度、クリティカルマスを超えれば、プラットフォームビジネスの潜在的スケールは非常に大きい。
なぜなら、クリティカルマスに到達すれば、供給側が費用の制約を受けなくなるから。
よって、プラットフォーム企業が成功する最初の課題は、生産者と消費者の双方を増やすことにある。

【2-12】プラットフォームビジネスの構築の2番目の問題は、流動性をどうやって確保するか?
つまり、プラットフォーム内の生産者と消費者の人数が十分に増えたら、彼らの取引量をいかに増やすか?

需要を満たせる十分な供給があり、ほとんどの取引がすぐに成立する市場(プラットフォーム)は、流動性があるとみなされる。
流動性、つまり取引量が増えれば、ネットワーク効果を大きくさせられる。

流動性がないと、需要と供給はアンバランスになりがち。
需要がたくさんあるのに、供給が少なければ、価格が高騰し、消費者は不便になる。
一方、供給がたくさんあるのに、需要が少なければ、価格は暴落し、生産者が不幸になる。

金融市場における流動性の確保は、各国の中央銀行の使命。
一方、プラットフォーム企業では、自社のプラットフォームの流動性の確保が使命になる。

【2-13】プラットフォームの流動性の確保のためのアルゴリズムは、マッチメーキングそのもの。
たとえば、ウーバーなら、ドライバーと利用客のマッチメーキングは、巡回セールスマン問題と同じ。
Amazonなら、消費者と出店者のマッチメーキングは、協調フィルタリングによる関連購買と同じ。

つまり、流動性を確保するために、システムが自動的にユーザ同士のマッチメーキングを行い、取引を円滑にさせる。
すなわち、プラットフォーム内の需要と供給の均衡は、取引トランザクションから得られたビッグデータの解析を元に、巡回セールスマン問題や協調フィルタリングなどのアルゴリズムで解決させる。

但し、ウーバーは、ピーク料金で需要と供給の均衡を取っている。
つまり、利用者の需要が高まると運賃を上昇させて、少ないドライバーの供給とバランスを取る政策を実行している。
なぜなら、ウーバーではドライバーと乗客の比率は1対10なので、需要と供給のバランスは元々悪い。

よって、プラットフォーム企業は、消費者よりも生産者(ウーバーならドライバー)の獲得に相当な力を入れている。
そのやり方は、法を犯す手前の危ない手法に近い時もあるらしい。
つまり、ウーバーのようなプラットフォーム企業は、流動性の確保が何よりも重要である、と理解していることを意味している。
GAFA、BATも同様で、たとえば、AppleはiOSプラットフォーム上のアプリ開発者を増やすために、SDKを提供し、AppleStoreで販売できるようにした。

そう言えば、「データ分析の力」にも、ウーバーが持つビッグデータを元に、タクシー利用者の需要曲線をリアルに作成した事例があったけれど、そういうタクシー利用者の需要曲線がなぜ必要なのか、は、まさに需要と供給のマッチメーキングの問題解決のために使うからだろう。

【2-14】流動性確保の問題は、経済学の調整問題と同じ。
つまり、需要と供給の均衡をいかに効率的に行うか?

従来の経済学では、市場経済の価格システムが、需要と供給を均衡させる。
その調整が失敗したら、市場経済は効率的な取引が行えなくなり、自壊する。
昔の大恐慌がそれかな。

現代は、プラットフォーム企業自身が、需要と供給の均衡をソフトウェアとアルゴリズムによって、自動調整させている。

従来の市場経済における調整は「神の手」が行う。
現代のプラットフォームでは、ソフトウェアとアルゴリズム、人工知能がその調整問題を解決するように代替している。

【2-15】プラットフォームビジネスの構築の3番目の問題は、流動性の質をいかに維持するか。
つまり、プラットフォーム内で、消費者と生産者の間で、最善な行動(取引)を促す政策(ポリシー)を作ったり、最悪の行動(騙すとか)をさせない政策を行うことだ。

具体的には、消費者と生産者の双方に取引のメリットが得られるように、コミュニティ統治をプラットフォーム企業自らが行う。
そのために、プラットフォーム企業は、消費者と生産者の双方に、最善な行動を促すために、色んな形のインセンティブを付与するし、最悪の行動をさせないために、逆インセンティブを与える。
つまり、特定の行動を促すための経済的インセンティブという飴を付与したり、好ましくない行動を控えさせるように逆インセンティブという罰を与える。

たとえば、AmazonやYoutubeのユーザ評価システム。
消費者が生産者にだまされないようにする。
他方、生産者は消費者から確実に売上を確保できるようにする。
Facebookのザッカーバーグ氏も、コミュニティ統治やポリシー策定を相当考えているらしい。

よって、プラットフォーム設計は、従来の工業的な生産工程の設計ではなく、社会学や行動経済学に基づく人々の行動設計を行なっているのと同じ。
つまり、プラットフォームビジネスでは、コミュニティ統治が重要であり、それを行うには、生産管理手法ではなく、人間や社会の行動の原理原則を研究している学問、たとえば、行動経済学が重要である、という事実を示唆しているのだろう。

実際、人にどんな経済的インセンティブを付与すれば、最善な行動を促すことができるか?
人にどんな規制や法律、罰則を付与すれば、最悪な行動を避けるように促すことができるか?
という問題への解決は、行動経済学がまさにピッタリだ。

生産者や消費者のプラットフォームへの参加を動機づけるような政策を行う事、それがインセンティブになる。
『プラットフォーム革命』では「ユーザグループへの参加を促す補助」と呼んでいるが、それと同じ。
その補助には、金銭、機能、ユーザの優先順位付け、がある。

【2-16】プラットフォームの成長、つまりネットワークの成長には、経路依存性がある。
すなわち、初期ユーザのプラットフォームにおける使い方、そこからの歴史が重要。

他のSNSとの競争を経て、FacebookがSNSの勝者になったのは、質の高いユーザを初期に集めて、その信用を維持してきたから。
Facebookは、現実の人間関係の地図をネット上に実現するという目的のもと、ユーザは実名で人間関係を構築する政策をずっと維持し続けてきた。
そういう歴史と信用があったから、Facebookが勝ち抜いてきた。

【2-17】ネットワーク経済のはしご

ネットワーク効果を生むには、5つの段階がある。

コネクション
コミュニティ内で起こる相互作用の理論価値
つまり、生産者と消費者の最初の接触

コミュニケーション
プラットフォーム上のユーザ間で実際に相互作用が起きる
つまり、生産者と消費者の間の取引
流動性の開始

キュレーション
プラットフォーム場の情報をまとめて整理する
つまり、初対面の生産者や消費者のための、ルールの告知
流動性を増やす

コラボレーション
参加者は互いに与えるために協力する
つまり、流動性の質を参加者自身が維持する

コミュニティ
このエコシステムにおける行動を統治する規範を作り、執行する
つまり、流動性の質を、プラットフォームの参加者達、そしてプラットフォーム企業が規範を定め維持する

【2-18】スーパープラットフォーム

プラットフォームの中のプラットフォームは存在するのか?
プラットフォーム企業が独占企業ならば、それら独占企業が集まる業界では、さらに独占への競争が激化し、最終的には唯一のプラットフォームが全てを支配するのではないか?

たとえば、中国のウィーチャットは、ある意味で最強のプラットフォーム。
あらゆるプラットフォームを制するプラットフォーム。
メッセージング以外に幅広いプラットフォームやサービスのエコシステムをサポートしているから。

ウィーチャットの成功を受けて、一部の専門家や起業家は、オンデマンド経済では、APIによって唯一のスーパープラットフォームに統合される、という考え方を提示した。

しかし、米国では、GAFA以外にも数多くのプラットフォーム企業がひしめいていて、スーパープラットフォームは生まれていない。
競争関係にあるプラットフォームが、従順な姿勢を示すことは考えられないから。

むしろ、今後の流れで最も実現性が高いのは、各プラットフォームのエコシステムの多角化、つまり、プラットフォームのコングロマリット版だろう。

【2-19】プラットフォームは法規制と軋轢が多い

プラットフォーム企業には華やかでプラス面が多いように見えるが、最大のリスクは現行の法令との衝突だろう。
現在の法体系は、20世紀の直線的なビジネスモデル、つまり大規模な製造業を主体とした市場経済を前提としているため、プラットフォームのビジネスモデルと合わない。
よって、業界初の本格的プラットフォームは、法的なグレーエリアで活動する事が多く、法的な問題になりやすい。

たとえば、Youtubeは著作権侵害。
ウーバーは、ドライバーを社内労働者ではなく請負契約業者とみなすので、ドライバーの保険や年金制度などの法的地位を意図的に無視している。
エアビーアンドビーは、宿泊規制や安全基準を適用しているか否か分かりにくく、グレーなゾーンで取引している。
イーベイなど、数多くのネット販売業者は、クーリングオフや不正取引の責任について、消費者から訴えられた。
ペイパルは、商業銀行と同じ機能と見なされ、金融規制が必要ではないか、と訴えられた。

Facebookも個人情報の取扱に疑念がある。
EUのGPDRもそういう背景から生まれたのだろう。

一般的に、プラットフォームのビジネスモデルは、スケールしやすいという大きな利点がある反面、深刻な法規制上のリスクを抱えている。
つまり、多くのプラットフォームビジネスは規制についての先物買い。
法廷闘争に負ければ、ウーバーもエアビーアンドビーも、その企業価値はすぐに失われる。

むしろ、プラットフォームビジネスに合うような法体系も必要ではないか、とも思う。

【2-20】プラットフォームビジネスの機会の探し方は主に3つある。

取引コストが高く、高コストを生むボトルネックがある業界。
たとえば、ウーバーが、ドライバーと乗客を結びつけたプラットフォーム。

未活用の資源やアナログのネットワークが既にある業界。
たとえば、Facebookは、ハーバード大学がいつまで経ってもアナログの学生名簿を作らなかったことがきっかけだった。つまり、現実の人間関係の地図をFacebook上の友達関係という関係マップにマッピングさせたこと。
エアビーアンドビーは、使っていない家やアパート、ソファーでさえ貸出しさせることで、供給者と利用者の双方に価値をもたらした。
アップルのiOSプラットフォームでは、アプリ開発者と消費者を結びつけるネットワーク環境を構築し、開発者にSDKを提供することで、アプリ開発者と消費者の双方に価値をもたらした。

大規模で分散した資源がある業界。
たとえば、中国のアリババは、中国の無数の中小製造業が大手商社につながる流通経路を持っていない現状に対し、デジタル経済のプラットフォームを提供することで、中国の巨大な、しかしバラバラな小企業市場を統合し、中国のeコマースを育てた。
その規模は、米国のプラットフォーム企業と引けを取らないし、今後の成長を考えると、米国よりも巨大になるだろう。

【3】『プラットフォーム革命』を読んだ後で、日本のプラットフォーム企業の現状を考えてみる。

楽天はたぶん、日本最大のプラットフォーム企業なのだろう。
その本質は、ショッピングモールのWeb版。
楽天市場を核として、数多くのWebサービスを展開して、多角化を図っている。

最近なら、メルカリもプラットフォーム企業を目指しているように思える。
楽天がBtoBなら、メルカリはCtoC。
楽天もメルカリも、クーリングオフや不正取引、個人情報保護など、数多くの法規制の疑いがかけられ、そのたびに解決して成長してきている。

とは言え、日本最大の企業であるトヨタにかなわないので、日本のプラットフォーム企業はまだ成長の余地があるのだろう。

【4】この本は、経済学の概念を用いて、従来のメーカーとプラットフォーム企業の違いを鮮やかに説明している点が素晴らしい。
大規模な独占的な製造業でも、独占的なプラットフォーム企業でも、経済学の論理がその市場や業界の制約の配下にあり、その制約の配下で収益の高い企業行動へ最適化した結果、現在の独占的な結果になっている。

従来と現代のプラットフォーム企業における経済学の原理原則の違いは、規模の経済や価値連鎖によるコスト削減効果ではなく、ネットワーク効果による売上の指数関数的効果。

また、従来と現代のプラットフォーム企業における品質管理手法の違いは、生産工程の生産管理の効率化ではなく、流動性の確保と流動性の質の維持。

さらに、従来と現代のプラットフォーム企業における使用する専門知識の違いは、JIT等に代表される統計的品質管理ではなく、人々を最善の行動へ促すためにインセンティブを付与するなどのコミュニティ統治という行動経済学。

【追記】
下記の記事の内容も秀逸。

Modern Monopolies a Review – Sam – Medium

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2018/11/18

IOT時代の製造業の戦略と変化についてポーターの考え方

IoTの衝撃―――競合が変わる、ビジネスモデルが変わる (Harvard Business Review)」の感想をメモ。
浅はかな理解で、ラフなメモ書き。

【1】読んだ感想
ポーターが書いた第2章・第3章の内容が秀逸と思う。
「製造業は全てソフトウェア企業に変わる」というGEトップの主張の理由がよく分かる。
IoTによる、外部環境の側面と内部環境、そして組織構造への影響の話が非常に面白い、と思った。

IOTのバズワードがなぜ、これだけ広まっているのか、その理由が何となく分かった気がした。

自分のメモと自分の考えを適当に書いておく。

【2】IOT時代の競争戦略

【2-1】スマート製品の特徴:
データ収集・分析・活用

モニタリング(例:アクセスログから挙動不審を検知)
→制御(例:オートホームメーション)
→最適化(例:予防保全)
→自律性(例:RPA)

【2-2】5フォースの観点:
・買い手の脅威:
例:製品故障の予防データの提供で、メーカーの方が買い手よりも強くなる

・同業他社の脅威:
スマート製品によるデータ収集・分析・活用で、差別化できる
一方、製品へソフトウェアの組込み、クラウド基盤の構築・運用など、固定費が増加する

・新規参入の脅威:
スマート製品とデータ収集・活用基盤のプラットフォーム化で、参入障壁を高められる
一方、GAFAなどの巨大IT企業が参入してくる

・代替品の脅威:
製品のサービス化の進展により、ハード製品の重要性が下がる
例:ホームオートメーションにより、エアコン・家電製品・住宅等のメーカーが参入してくる

さらには、製品の共有サービスへ発展する
最近のライドシェア、ホームシェア、自転車のシェアサービスなど

・供給者の脅威:
ハードウェア業者よりもソフトウェア業者の方が強くなる
ソフトウェアで製品の機能が代替されて、物理的部品が減少する
巨大IT企業が組込みソフトウェア、クラウド基盤、データ収集基盤を使ってくるので、脅威が強くなる

(メモ)むしろ、メーカーは、巨大IT企業からのハードウェア製品のOEM委託の立場に追いやられるのでは?

【2-3】ポーターの考えでは、競争優位の源泉は、コスト削減か差別化の2つしか無い
どちらを採用する?

【2-4】スマート製品の機能:
例:給湯器メーカーのIOT基盤によるデータ収集・活用事業では、個人向けよりも法人向けサービスの方が需要が多く、重要
 機能追加でコスト削減でき、どんどんコストが低減していく

【2-5】製品開発とクラウド基盤構築の配分
クラウドへ機能・データ・UIなどを置く方向へ進化している
そうすれば、頻繁なVerUpがやりやすいので、顧客価値も上がる
その分、ハードウェア製品の重要性は下がる

【2-6】システムのオープン化
他社製品の提供を許し、逆に参入を促す戦略もあれば、
自社製品を他者のプラットフォームに組み込んでもらう戦略もある

【2-7】内製・外部委託の是非
内製化で先行者利益を獲得できる
内製化で自社に知見を蓄積できる
外部委託は、自社製品の差別化をなくすリスクもある

【2-8】データ確保・分析
製品へセンサー装置とソフトウェアを埋め込むため、コストは増える
性能維持・料金回収の目的なら、即効性のあるデータが必要
プラットフォーム化ならば、広範なデータが必要

【2-9】製品データの使用権とアクセス権
鍵は、データの帰属先
データの所有権は、メーカー? 使用者? サプライヤ? それとも、関係者が共有?
完全な帰属権、NDA保持、利用権、共有権、販売権など

最近は顧客がデータ共有に強い意欲を持つケースがある
例えば、顧客が自信のフィットネス情報をSNS共有
むしろ、メーカーがデータの活用方法を価値提案して、差別化していく戦略もある

データの利用許諾について、クリックスルー形式の規約承認が多い
初回使用時にデータ収集の同意を使用者から得る
しかし、法制度が追いついていない

【2-10】流通チャネル
従来の自動車業界では、代理店を通じた販売が多いので、メーカーは顧客と直接の接点はなかった
しかし、IOTでデータ収集により、顧客と接点を持てる
例えば、テスラは直販により、顧客から直接、データ収集して、顧客のフィードバックを得られる

テスラの場合、
顧客からデータ収集
→顧客関係性の強化
→収益向上
→ブランド認知の向上
→顧客満足へ貢献

但し、顧客との物理的距離に依存するので、制約条件はある
例:配送、物流、販売、在庫

【2-11】ビジネスモデルの手直し
従来は、製品売り切り型
販売後に、所有権を使用者へ移転した

一方、製品のサービス化で、所有権はメーカーが持ち、使用料を継続徴収というビジネスもあり
しかし、ジレンマは、消耗品販売・サポート保守ビジネスで既に稼いでいる企業は、IOTのメリットがない

製品の共有サービスまで発展している
例:ライドシェア・サービス

【2-12】製品データを第三者へ販売
他者には価値あるデータ
例:車両、交通インフラ

(メモ)そういえば、JR東日本の事例もあったね

しかし、プライバシーのリスクあり

【2-13】事業範囲の拡大

関連製品の多角化
製品設計よりシステムエンジニアの方が重要
ハード設計より、組み込みソフトウェアやクラウド基盤の構築の方が重要

ソフトウェアを含むプラットフォーム化
自社製品は変えず、他者も自由に接続できるようにする

製品の最適化に進むのか、製品以外の最適化を進めるのか?

【3】IOT時代の製造業

【3-1】IOTによって、バリューチェーン上の活動は、スマート製品の影響を受けるだろう
真因は、データ資源にある

従来は、部門同士の情報連携に過ぎなかった
一方、IOT時代は、製品自体がデータ資源になる
例:サービス履歴、在庫、稼働率、物流、修理保守の予防、顧客データなどが全て収集できる

【3-2】製品開発部門
ハードウェア製品の研究開発を担当
しかし、ソフトウェア開発が主体になる
製品の内蔵ソフトウェアよりも、クラウド基盤上にソフトウェアがたくさんある

製品の可変性はソフトウェアが担うようになる
部品削減によるコスト削減、VerUpのし易さ、出荷後も新機能をリリース可能になる

品質管理が強化される
アクセスログから、事故の状況を再現しやすくなる
例:テスラのバッテリ発火事故から、自己の状況を再現させて、品質管理を強化したソフトウェアを全製品へリリースした

新規ビジネスモデルを支援する
製品のサービス化、利用状況データ収集による課金サービスなど

【3-3】製造・物流部門
機械や生産工程の稼働率向上
在庫削減

【3-4】マーケティングと販売部門
顧客のセグメントを精緻化できる
製品を通じて、顧客と対話できるようになる
利用時間に応じたサービス事業へ発展する
長期にわたって、顧客を支援する

【3-5】アフターサービス部門
耐用期間の長い製品メーカーはとても重要

遠隔サービスの実現
保守のワンストップサービス
事前に診断し、修理回数を減らせる

予防サービスを強化
AR機能を使って、サービス担当者が遠隔サービスで修理する
(メモ)ARはゲーム業界の技術の一つと思っていたが、メーカーにとっては重要な技術要素の一つなわけだ

しかし、データ維持のセキュリティはまだ問題がある
DoS攻撃を受けやすい
組込みソフトウェアの脆弱性が大きい

【3-6】メーカーの組織形態へ影響

「メーカーは全てソフトウェア企業になる」主張とは、ソフトウェアが製品の根幹をなす、ということ
メーカーは、今後、ソフトウェア企業以上の変化を受けるだろう
なぜなら、メーカーは、既に沢山のバリューチェーンを持ち、既存の部門が多いので、影響を受けやすいし、変化を受け入れざるを得ない

従来のメーカーは、職能別組織が多い
バリューチェーンの単位で、R&D部門、製造部門、生産管理部門、販売部門、保守サービス部門、IT部門などに分かれていた
それらの部署は自律性が高い

しかし、設計・オペレーション・販売・サービス・IT部門同士の役割が重複してきた
理由は、製品のサービス化により、顧客関係性をより重視するし、クラウド基盤上でデータをやり取りするから

すると、新旧組織の併存となり、組織構造が複雑化してきている

【3-7】メーカーの組織構造への重要な変化とは
4つの変化が見られる

IT部門とR&D部門の協働・連携
統合データ部門の新設
開発運用部門(DevOps)の新設
顧客成功管理部門の新設

【3-8】IT部門とR&D部門の協働・連携

従来のIT部門は、社内インフラ、CAD、ERP、CRMなどの管理と運用がメイン
しかし、製品・他部門スタッフもIT化が必要
すると、誰がその役割、責任を持つのか?
ITのスキルを持つIT部門しか担えないでしょう

一方、R&D部門はハードの開発が専門で、製品へのソフトウェア埋め込みにも関わる
しかし、クラウド基盤のサービス運用のスキルまではない
製品の定期的なVerUpや頻繁なリリースが必要になるので、R&D部門では対処しきれない

そういう変化があるので、最近は、IT部門とR&D部門の区別がなくなってきている
つまり、マトリクス組織になっている
IT部門の人は、R&D部門にも所属し、クラウド基盤の運用にも携わる
逆も然り

【3-9】統合データ部門の新設

データ専門の部署
CDO(データ部門の最高責任者)を設ける

データ管理、データのセキュリティ維持等に関わる
データ資源の戦略的重要さから、専門性を発揮するために新設される
製品データの活用、教育、権利の管理、アクセス監視、データ活用によるマーケティング策定など、仕事は幅広い

【3-10】開発運用部門(DevOps)の新設

従来の製品開発部(Devs)のIT技術者と製品保守・サービス部のスタッフが結集して、開発運用部門(DevOps)が新設される場合が多い
IT企業のDevOpsのメーカー版
但し、IT企業のDevOpsよりも、活動範囲は広い

製品提供のライフサイクルを一元管理している
クラウド基盤上へリリースして、不具合修正の頻繁な更新とか

【3-11】顧客成功管理部門の新設

顧客経験を管理する、というソフトウェア企業の機能をメーカーに置き換えた
従来の販売・サービス部門が行わない業務、インセンティブ外の業務を担当する
例:コールセンターへの顧客クレームの前に、顧客のログから検知し、事前に予防する、など

【3-12】しかし、セキュリティ管理部門はない
今は方針が定まっていない
ソフトウェアはIT部門、ハードウェアはR&D部門や開発運用部門が担当している

【4】個人的な感想としては、メーカーは大変だな、と思う。

メーカーは従来のビジネスのやり方、従来の部門があるために、ソフトウェアを重視した組織構造や組織文化と併存せざるを得ず、混乱するのではないか。
ソフトウェアを重視した組織構造や組織文化では、アジャイル開発のベストプラクティスをベースに置くために、従業員の自由度が高く、勤務体系や報酬制度もかなり違ってくる。
ハードの文化とソフトの文化は水と油と思う。
結局は、別会社にするとか、別事業部にするだろうが、連携が大変そう。

メーカーにおける開発運用部門(DevOps)という発想は面白いと思った。
結局、製造業でもDevOpsという発想が必要になってくるわけだ。
しかし、その範囲はソフトウェア開発・運用だけでなく、ハードウェアの企画開発・保守サービスも含んでくるので、より複雑になっているのだろう。
ハードとソフトの両方の知識と経験がなければ、相当難しいのではないか。

統合データ部門という発想も面白い。
アリババの馬CEOは「データはビジネスの副産物として採取される」と言ったが、メーカーにとって、製品がデータ資源そのものになる。
すると、大量のデータをいかに活用するか、ということが重要になってくる。

その時の留意点の一つは、データの権利関係だろう。
個人情報が含まれるために、そのデータの所有権、利用権、販売権の管理は慎重にならざるを得ない。
一方、データを上手く活用できれば、新たなビジネスモデルを構築できる。

そういう一連の戦略を策定し、実際のデータ収集・活用を管理する部門を設置することで、専門性を発揮させるわけだ。
昨今、データサイエンティストというバズワードが流行しているのは、そういう背景があるからなのだろう。

では、メーカーは、製品のIOT化によって、自社でプラットフォーム化できるか?
メーカーが自社のプラットフォーム基盤を構築するあるべき姿は、アップルのビジネスモデルになるのだろう。
しかし、純粋なメーカーが高度なソフトウェア開発力を持てるようになるのは難しいだろう。

個人的な感想では、たぶん、メーカー自身では無理と思う。
自社にソフトウェア開発の組織文化がないので、外部のソフトウェア企業の力を借りるしかないと思う。
つまり、ソフトウェアの内製化は結構ハードルが高いのではないか。

すると、大手IT企業のプラットフォーム基盤上で、メーカーは彼らのハードウェアOEM生産という委託の立場に追いやられるのではないか。
アップルのように、自社で製品の企画、ソフトウェア開発は行い、ハード生産は外注委託する分業スタイルに落ち着けば、メーカー自身の強みであるハード製造の部分を捨てざるを得ないから。

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2018/11/16

ポーターの競争戦略の考え方

ポーターの競争戦略の考え方がようやく分かったのでメモしておく。
自分だけのメモ書き。

【参考】
外部環境分析:ポーターのファイブ・フォース分析から考える | 経営戦略を読み解く?実務と理論の狭間から?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 1ページ

外部環境分析:ポーターのファイブ・フォース分析から考える | 経営戦略を読み解く?実務と理論の狭間から?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2ページ

外部環境分析:ポーターのファイブ・フォース分析から考える | 経営戦略を読み解く?実務と理論の狭間から?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 3ページ

外部環境分析:ポーターのファイブ・フォース分析から考える | 経営戦略を読み解く?実務と理論の狭間から?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 4ページ

外部環境分析:ポーターのファイブ・フォース分析から考える | 経営戦略を読み解く?実務と理論の狭間から?|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 5ページ

戦略論の復習②…ポジショニングアプローチ | 田舎者の受験日記

【1】ポーターの競争戦略の基本構想はこんな感じ。

経済学の分野の中で、産業組織論がある。
産業組織論では、ある業界(市場)の制約条件が企業行動を制約し、結果として企業の収益率を決定する。
いわゆるSCPモデルでは、売上と収益率の分布図を書くと、V字モデルで表現される。
つまり、高収益企業は、売上は小さいがニッチ市場に特化した中小企業か、売上が大きく規模の経済を活かした大企業のいずれかになる。

V字カーブ

この考え方を逆手に取って、企業は、業界内で収益率の高いポジションへ移動すべき、というポジショニングアプローチを取る。
つまり、ポジショニングアプローチとは、①外部環境を分析して機会のある産業を発見し、②当該産業へ進出して参入障壁を築き持続的競争優位を確立する、という考え方で、産業分析→基本戦略の決定の順に行う。

すると、課題は「収益率の高い産業をどのように発見するのか」になる。

一般的な手順としては、
①PPM分析や5フォース分析を行い、収益率の高い産業を探す
②進出すべき産業が見つかったら、ポーターの基本戦略に基づき、業界のターゲットの幅と競争優位の源泉の2軸による分析で、コストリーダーシップ・差別化・集中戦略のいずれかを採用する
③基本戦略が決まったら、最後にその実施による参入障壁の形成と、持続的競争優位を確立し維持する
④さらに、自社の経営資源をバリューチェーン分析し、強みである経営資源の差別化を図る

価値連鎖(バリュー・チェーン)と活用方法

【2】ポーターの競争戦略で面白い、と思った点は2つ。

一つは、産業組織論という経済学の理論を背景にしているので、実証データがあり、経営学という曖昧な学問にも論理的な枠組みを提供して、思想を整理できること。

もう一つは、「プラットフォーム革命」を読んでみて、ポーターの競争戦略やコースの定理という経済学の基本思想を元にGAFAのような大手プラットフォーム・ビジネスを分析してみると、非常に分かりやすい、と思ったこと。
ゼロ・トゥ・ワン」を読んで、プラットフォーム企業は独占利潤を得るから安定している、みたいな主張がよく分からなかったけれど、「プラットフォーム革命」を読んで何となく分かった気がした。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」の内容も、ポーターの競争戦略の基本思想「ポジショニング」「バリューチェーン」から考えると分かりやすくなると思う。

経営理論は、経営者という人に依存した理論と思っていたけれど、経済学の発想を適用すれば、政治的力を持つ人の恣意的な意思決定に無関係に決定する内容が多い、ということが分かった。
また、大手プラットフォーム・ビジネスも、従来の製造業の仕組みとは異なるビジネスモデルであったとしても、経済学の理論や制約条件に依存しているし、そこから離れられない。

【3】僕の理解では、プラットフォームビジネスとは、経済学の言う「貿易利益」で儲けている。

そのプラットフォームは、自由競争のない計画経済の基盤から成り立っているので、事実上の独占状態であるから、独占利潤を独り占めできる故に、史上最大の企業価値を持つに至った。

たとえば、GAFAやアリババは、何もない所から貿易利益によって莫大な独占利潤を得ていて、その利潤は、小国のGDPをはるかに凌駕するくらいの価値を生み出す。
しかし、Facebookの影響力が大きすぎるがゆえにトランプ大統領を生み出したように、プラットフォーム企業は民主主義制度を破壊するくらいの政治的影響力を持つという側面も出てきた。
この辺りの理論と現実は、現在進行中みたいな感じなのだろう。

この辺りの理解した内容も後でまとめる。

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